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【おもひでドバドバ】体に溜まった毒素、ぜんぶ修善寺に置いてきた。

デトックスという言葉をよく耳にする。

身体の内側にたまった毒素や老廃物を取り除く健康法の一種である。

毎日水を2リットル飲む、食物繊維の多い食べ物を食べる……現代人は毒素の排出に躍起になっている。

やりすぎでは、と思う反面、気持ちの面では大いに共感できる。

我々は毒素を抱えすぎている。

仕事、学業、お金、人間関係。
現実という名の見えない毒針にぶすぶすと刺され、現代人の目は死んでいる。

いまこそ、デトックスが必要な時である。

先に述べたようなデトックス法を試すのもいいだろう。
しかし、ここで私が提案したいのは旅である。

旅は良い。心のデトックスに必要な要素を手っ取り早く満たすことが出来るからだ。

うめぇ食事、でけぇ自然、あったけぇ風呂、やわらけぇ布団。

心を癒す4大要素である。
旅の中にそれはある。

これから私のデトックス旅の一部を紹介していきたいと思う。
手前味噌のようで大変恐縮ではあるが、世の中に数あるうちの一つの方法として、ある人にとって有益な情報となることを切に願っている。

さぁ、旅に出よう。

あなたの目がまだ輝いているうちに。

修善寺の毒素垂れ流しスポット


1.そのへんの蕎麦

旅先に着いたらとりあえず休憩を兼ねた腹ごしらえを考える人は多いのではないだろうか。

年かさが増すほど移動でエネルギーを消費するものだ。
大型連休の交通渋滞、慣れない電車の乗り継ぎ、バカ騒ぎするクソガキの間を抜けてやっとたどり着いたことであろう。まずは一息つくに限る。

それに、男性ならともかく、女性は朝早く起きて身支度を整えて、使うかどうかよくわからない大荷物を背負ってやって来たに違いない。

「せっかくの旅行なんだし綺麗にしなくちゃ。写真もきっとたくさん撮るだろうし」。
喜色満面でぼってりと厚いファンデーションを塗った御仁の姿が目に浮かぶ。

気持ちは分かる。だが、まずは落ち着こう。
せっかくの旅で毒素をため込んでは本末転倒である。


修善寺温泉街の中心を東西につらぬく桂川に沿うように、道を歩けば様々な飲食店が目に付く。
私がお勧めしたいのは蕎麦である。水が美味いところの蕎麦はやはり美味い。

少し調べればいくつか蕎麦屋が見つかるはずである。気になった店を訪ねてみよう。
ここで注意したいのが、レビューが良いからという理由だけで有名店に並ぶことは避けよう。
蕎麦を食うのに1時間も2時間も消費するなんて常軌を逸している。

誤解を恐れず言えばどの店もそんなに変わらない。変わらないというのは、ある一定のクオリティを保っているということである。どこもうめぇから空いている店に入ろう。

私が伺ったのは「駿河亭」というお店。どうやら鮎を一匹まるごと載せた「鮎そば」で有名なお店であるらしい。

蕎麦屋としては素晴らしい偉容である。

奇妙なビジュアルに興味をそそられつつ、私が頼んだのはやはり王道「天ぷらそば」。

こういうのでいいんだよ

今回訪れた5月にしては比較的気温が高く、じっとり汗ばむぐらいの陽気であった。うだる体を冷ますのにざる蕎麦は最適である。

天ぷらの内容は、ピーマン、なす、かぼちゃ、まいたけ、えびの5種類。
文句なしのラインナップだ。

少し話はそれるが、蕎麦は大人になってからの方が美味い気がする。のみならず、異性の嗜好も変わる。原田知世や深津絵里が最高の輝きを持って映る。え、わかるよね?

歳をとるのも嫌なことばかりではない。

2.そのへんのすごい神社

腹が満たせたら観光である。

修善寺地区の良いところは2つある。

  1. 山に囲まれた渓谷に在り、どこにいても山紫水明を感じられる点。

  2. 小一時間も歩けばたいていの観光スポットは訪れられる点。

である。特にこの2つ目のメリットは大きい。

旅行のテンションのままハイペースで歩いた挙句、時間に余裕はあるけど足がパンパンで動けない、なんて事態が起こりづらい。

「旅費3万円も使っちゃった。もったいない。足痛い。歩けなくてごめんね、ごめん。ごめん。うぅうぅぅぅぅぅぅん。ごめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん。おぉぉぉぉん」。

などと、アグレッシブすぎる旅行は疲労を招き、犬系彼女が大絶叫する恐れがある。旅は小さなスポットをゆっくり回るのがセオリーである。

好き好きに観光を楽しめばよいと思うが、やはり修善寺参拝は欠かせないだろう。

修善寺温泉郷の寺社は二カ所。
「日枝神社」と「福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」である。
後者がいわゆる修善寺として温泉街の中心に鎮座している。

この二つは隣り合っており、おそらく100メートルも離れていない。神社の参道によくある長ったらしい上り階段もなく、参拝が非常に楽である。まるでジジイババアの為に建立したかのようだ。

日枝神社入口にて。消しゴムマジックで消したろうかと思いもしたが、これはこれで風情がある。いや、ない。

境内には成人男性が大きく手を広げてもかなわないほど太い幹の大木が生えている。なかでも「夫婦杉」と呼ばれる樹齢800年の大木は圧巻である。

とってもおっきくてかめらにおさまらないね


一方の本殿は割とこじんまりとしている。

日枝神社の参拝が終われば、流れで修善寺に行ってしまおう。

30段弱の低い石段を上り、左右で金剛力士像が睨みをきかせた門をくぐる。すると数十メートル先にすぐ拝殿が見える。
右手には社務所と手水舎。左手には2メートル以上はあろう石垣の上に、100人がかりでやっと動かすような大きさの鐘が吊ってある。でけぇ。

話によると、ここで行われる大晦日の除夜の鐘を聞くために毎年大勢の人が押し寄せ、あまりの混雑に整理券が発行されるほどの事態であるとか。とてつもない量の煩悩を取り払ってきた信頼と実績の鐘である。

町はいま眠りの中

社務所ではお守りのほかに御朱印いただける。
実はちょこちょこ御朱印を集めている私にとって、ここでいただかないわけにはいくまい。
しっかりと初穂料をおさめ参拝を済ませた後、社務所へと向かう。

修善寺の御朱印はかなり絵柄がカラフルで可愛らしいものが多い。
今年の干支である龍が描かれたものや本殿のイラストと花で彩られたものなどいくつか種類があったが私が選んだのは季節の花である紫陽花イラスト。

もらっておいてなんだが、修善寺の御朱印はちょっとやりすぎである。観光誘致のために致し方ないとはいえ、あまりにもポップで大衆寄りだ。筆で描いたにょろにょろの字とちょっとした挿絵があれば十分なんだよなぁ……。

ま、地域活性プロジェクト、温泉むすめのメンバーである「修善寺透子」ちゃんが可愛いから許すとしよう!なんだよ温泉むすめって。

光に反射する俺と透子

思ったより記事が長くなってしまったので、続きはまた後日アップします。ごめんね。

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