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友達はよく選ばないと地獄を見るよね〜映画『ミッドサマー』

2019年の映画です。
すでに5年前。
ずっとなんだか怖くて遠ざけていた映画。

だけど、アリ・アスター監督作品は『ヘレディタリー/継承』が言うほど怖くなかったのと、
最新作『ボーはおそれている』がすこぶる面白くて性に合ったので、今作も大丈夫かもしれないと。
どちらかというとグロシーン、人体損壊系がとても苦手なので、そこだけ注意することにした。
(予告編で高台から墜落して顔面損傷するシーンをチラリと見てしまったことがあったから)

まず最初に思ったのは主役のダニーを演じたフローレンス・ピューの変わりよう。
変わりよう、というのはあくまでもこちらの勝手な思い込みなんだけど、
先に『ブラック・ウィドウ』を観ていたのでその役柄の違いにまず驚いた。

ダニーは精神不安定な役柄なので眉と口元がずっとへの字。
からの、オーラスのこぼれでてくる笑顔のアップが怖い。

だけど、あんな土地には絶対行きたくない。
白夜とまではいかずとも、暗い夜がほとんどないずっと明るい世界。
暗闇のない青空の下のホラー映画というのが新しい発見だった訳だけど、
昼夜の区別が無いってむしろ頭がおかしくなってくるんだろうな。

最初に一行が集落に着いた時、白い衣装で統一された住民を見て、ここはカルトか何かか?というようなシーンがあったと思うが、彼らはあそこで引き合えすべきだった。
だけどドラッグを勧められて好奇心が勝ってしまったのが若さ故か。

やっぱりね、無闇に愛想の良い笑顔で接してくる人物には気をつけた方がいいね。
信仰宗教の人たちって大体そうだから。
親切にしてくれる人を疑うなんてヒドイ話だけど、親切を装って隙を作らせる方が悪いと思うぞ。

それにしても、一番悪いやつはペレじゃないか。
あいつこそ最初から精神的に参っているダニーに目をつけて連れてきてるんだから。

クリスチャンがダニーを誘ったのは渡りに船だったんだろうが、もしもクリスチャンがダニーを誘っていなかったらどうしたんだろう?
ペレは男4人だけで行こうとしたのか?
外の世界から生贄に4人必要だからそれだけでもよかったのかな。

普段から友達付き合いしている人間を、最後は全員生贄になってしまうのも承知の上で旅行に誘うって鬼畜やん。
それも普通の顔をして。

あー怖っ。
やっぱり新興宗教の信者って怖いわ。
一般人とは違う何かを信じ切っているから価値観も外れまくっていて、
自分が外道だと気づいていない人間が一番ヤバい奴やん。

ペレのあの優しげな笑みの裏に隠された邪悪な信者と比べたら、
映画『デトロイト』で鬼畜の差別主義者の警察官を演じていたウィル・ポールター演じたマークなんて立ちションしただけで殺されてしまう端役だし。

いや、もうね、友達はよく見て選んだ方がいいよ。
4月の新年度がはじまる時期は特に。
やけに親切な顔をして近づいてくる人には、コイツ何か裏があるんじゃないかと疑ってかかった方がいい。

なんて、ことを思わせるこの映画はなんて罪作りなんだよ。

アリ・アスター、性格悪すぎだろう。
きっと友達いないと睨んだ。

<了>



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