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え?なに?プログレ?〜フジファブリック『PORTRAIT』

フジファブリックというバンドのことは名前くらいしか知らなかった。

もちろん、バンド結成の中心人物であり、メインソングライターであり、ボーカルギターだった志村正彦さんが2009年に急逝したことは知っていた。
そこから残ったメンバー3人でバンド活動を再開し、
名前を引き継ぎ、実質新しいバンドとして完全復活したこともなんとなく知っていた。

そして、今回ふと思いつきで最新アルバムの『PORTRAIT』をApple Musicを聴いてみた。

で、1曲目のKARAKURIを聴いて驚いた。

「え、何?フジファブリックってこんなバンドだったの?プログレ?!」

間奏のシンセサイザーの音なんて、全くもってプログレじゃないか!
そして、そこからAメロに戻るところなんて最高だし。
全編にバッキングで聴こえるシンセもプログレだし、アレンジも曲展開も。

このKARAKURIがそこらのよくあるJ-ROCK/J-POPらしくなさと、圧倒的なプログレ感を醸し出しているのは、そうしたサウンド面とアレンジ展開だけでなく、歌メロも「らしくない」からだと思う。

これまでのアルバムも聴いたことがなかったけれど、こんな格好いいバンドなんだったら、聴いてみようかな。

そう思っていて2曲目。
??
うーん。
普通になったかなぁ。

そして、残念ながら1曲目で期待した70年代の古き良きプログレッシブロック感を纏った曲は続かなかった。

もちろん、他の曲にも片鱗はある。
例えば、
2曲目ミラクルレボリューションNo.9のシンセ間奏とか、
3曲目プラネタリアのピアノアルペジオの間奏とか、
6曲目音の庭のAメロ、ストリングスの間奏とか。

しかしなぁ。。うーむ。
歌メロと全体のアレンジがなぁ。

そして、アルバムラストの10曲目ショウ・タイムはかなりいい線いってると思う。
イントロからAメロ、さらにその後の目まぐるしく変わる展開とか。
ところがやっぱり全体的に歌メロがジャパニーズなんだなぁ。

だけどアルバム通して聴いて思ったのは、そうか、アルバムの最初と最後をプログレ感で挟んで、っていうコンセプトなのかな。

とはいえ、1曲目のインパクトでアルバム全曲3回も通して聴いたのも事実。
ジャパニーズっぽい曲も、それはそれで良い曲ばかりだし(あくまでプログレ的なものを期待した個人的感想から来るガッカリ感)。

タイトルトラックのPORTRAITなんてめっちゃいい曲だし。
カラオケ用に覚えようかな、て真剣に考えている。

フジファブリックときちんと出会えて、他のアルバムと聴いてみようかな、と思う今宵でした。

〈了〉

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