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たこ焼きは関西人のソウルフードなのか?

さて、たこ焼きの話だ。

「たこ焼きは関西人のソウルフードなのか?」

よく話題にされる(どこで?)テーマだけど、

例えば、僕が20数年前に結婚する時、はじめて相方の新潟の実家に挨拶に行った時のこと、
「大阪の人ってやっぱりたこ焼き器持ってるんだよ!」
とそんな風に僕のことを両親に紹介していた。

あぁちなみに、関西人と大阪人は厳密には違うと思っているが、ここではややこしいので関西人で統一しておきます。

さて、そういことでどうやら新潟出身の人にとっては、関西人といえばたこ焼きだと思っているらしい。

確かに就職して東京でひとり暮らしをする時には、親が新しいたこ焼き器を買って持たせてくれた。
関西人同士が結婚する時は、それぞれがたこ焼きを持って来るので、2セットになるという、笑い話のような本当の話もよく聞く。

小学生時代に放課後遊んでいる時のおやつは、商店街で買うコロッケかたこ焼きだと相場は決まっていた。
コロッケだと20円か30円くらいだったか。
もう少し贅沢したい時はたこ焼きが10個で100円前後だったと思う。

あぁ、あとおでん屋でちくわか牛すじを1本だけもらうというのもあったなぁ。
関西ではおでんは関東煮(かんとだき)と言うのだけど、店先で1本だけでも持ち帰り出来た。
「おばちゃん、ちくわ1本ちょうだい!」

いい時代だったと思う。

「関西人はお好み焼きをおかずにご飯(白飯)を食べるんだって!」
そんなようなことを言われることも多い。

ただ、これには諸説あるような気がしていて、
僕の幼少期から25才で就職して東京に出てくるまで、お好み焼きで白飯は食べなかったです。
お好み焼きに焼きそばがセットになった時は白飯を一緒にいただくことはあります。
焼きそばと白飯は非常に相性がいいからだけど、
(これも相当な炭水化物攻撃だな)
というか、お好み焼きには焼きそばがセットになっていて、
今でも自宅でお好み焼きをする時は〆に焼きそばは欠かせないです。

だったらお好み焼きもソウルフードで欠かせないんではないか?という話だけど、お好み焼きをソウルフードだと考えていそうな地域がもう1つあって、
それは広島な訳ですが、
広島のお好み焼きは関西のそれとは少し違っていて、
関西では広島発祥のお好み焼きをモダン焼きと呼んでいて、
生麺(もしくは茹で麺)とお好み焼きをドッキングしたものです。

ところが、リアルな広島のお好み焼きは、関西人が考える広島風お好み焼き=モダン焼きとはまた少し違うらしくて、その辺りがややこしい。

そんな感じなので、今ひとつお好み焼きを関西だけのソウルフードと言いにくいところがあるのではないだろうか。

そういえば、東京に越してきてからしばらくは、なかなかたこ焼きにお目にかかることはなかったのだけど、
2000年を過ぎた辺りから、ショッピングモールなどで「築地銀だこ」という、現在は皆が知っているたこ焼きチェーン店をちょくちょく見かけるようになって、
「築地でたこ焼きってどういうことやねん!?」
と少々衝撃を受けたことを覚えている。

ちなみに、築地銀だこは1997年群馬県で創業、1998年には東京中野区に路面店をオープンしたらしい。
築地やないやん。。

なんだか、よそ見をしている間に十八番を奪われたような複雑な心境とでもいうべきか。
しかも、この銀だこのたこ焼き、油を上から塗ってカリカリに焼き上げるあのたこ焼きが、まぁ美味いから厄介だ。

関西のたこ焼きとは少し違うのだけど、それでもアイツはなかなかやる。
我が家の子供たちが小さい頃は、買い物に出かけた時によく銀だこに寄ったので、あの味に慣れ親しんでいて、
自宅でたこ焼きをする時も、油を刷毛で塗ってカリカリに仕上げるようになったくらいだ。

さて、結論から言うと、
たとえ関東で(いや、今や全国的なのか?)どれだけ銀だこが幅を利かせようとも、依然として関西人にとってはたこ焼きはソウルフードであり続けるし、
親は子供が独立する時はたこ焼き器を持たせるし、
関西出身がいる家庭にはたこ焼き器はある。
そういうことである。

<了>


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