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令和の時代は空気読み過ぎて(不)適切にもほどがある!

やっと追っかけNetflixで第1話を相方と次男と3人で観た。
TBSの金曜ドラマ枠「不適切にもほどがある!」

なんですか!これは!?
面白すぎるじゃない!

脚本は宮藤官九郎。
やっぱりクドカンは天才やん。

地獄のオガワと恐れられる昭和の中学体育教師の小川市郎(阿部サダヲ)が昭和(1986年)と令和(2024年)をタイムスリップするドタバタコメディ。
いやもう、阿部サダヲの演技も素晴らしい!

いつものハイテンションぶりが、昭和のありとあらゆるハラスメント上等オヤジの暴言やダジャレのオンパレードでさらにパワーアップしていて最高。

第1話は、オガワがひょんなことから令和の時代にタイムスリップして、やっとそのことに気づくがもはや昭和へ戻る道は塞がれた、というところで2話へ続く。

昭和パートの小物や文化、流行語まで含めた時代設定が、平成を通り過ぎて令和を迎えて慣れ切ってしまっていた僕も、最初は
「こんなんだったっけ?酷い時代だなぁ」
と若干顔を顰めながら観ていたけれど、だんだんと当時の空気感が蘇ってくる。

やがて、オガワの放つ言葉と動作の全てにもはや共感しか出来なくなった頃に、
令和の居酒屋で、後輩の女性社員にハラスメントを働いたせいで退職させただろうと(人事部から?)詰められる磯村勇斗演じる(令和の)秋津のシーンで、

多様性って何?
ちょっと行き過ぎてないか?
もはやこれって令和の時代の価値観の方が、他人の気持ちを気遣いすぎて、かえって薄っぺらな上辺だけの人間関係を推奨しているようで、
これっておかしいんじゃないのか?
昭和の暑苦しい関係性の方が実は人間らしいんでは?

と昭和の「不適切にもほどがある」オガワの言動と対比させることで
むしろ令和の「多様性重視し過ぎて適切にもほどがある」言動の方が不適切なのでは?
と痛烈な現代批判になっているのが痛快だ。

そんなチクリと批評精神を見え隠れさせながらも、
ラストの突然皆が歌い出すディズニーのミュージカルドラマか!と突っ込みたくなるような演出でやっぱり大笑いさせてくれる。
シリアスになりきらないこの匙加減がクドカンですね。

さて、2話以降、こんな流れのまま終わるわけもなく、当然あっと驚くような展開が待っているかと思うとワクワクする。

この2024年新春ドラマ、スタートは出遅れたけれど大当たりを引いた予感の
「不適切にもほどがある!」
楽しみがひとつ増えて喜んでます。

<了>

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