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「はて?」がいいな〜『虎に翼』

今期のNH K朝ドラも面白い。

『虎に翼』というタイトルがまだ座りが悪い感じはするのだけど。

伊藤沙莉演じる主役の寅子が法律という翼を得て高く飛んでいくという意味だろうか。
しかし、ちょっと分かりにくい。
もう少しキャッチーなタイトルなかったのかな。

寅子は「ともこ」と読む。
布袋寅泰と同じだね。
「とらやす」ではなく「ともやす」。

今度の春の朝ドラヒロインは、え?伊藤沙莉なの?
最初の感想はそれだった。

NHK朝ドラヒロインといえば、新人を抜擢というものだと思っていたけれど最近は視聴率のためにはそうも言ってられないのか、ここ数年は名のしれた若手を主役にすることが多かったように思う。
だいたいNHKが視聴率というのもおかしな話だし、どうなのかとは思っていた。
この後も、2024年後期は橋本環奈、2025年春は今田美桜。
新人抜擢路線は止めたんだな。
まぁ、面白ければいいのだけど。

しかし、一瞬でも伊藤沙莉を疑った自分に説教したい。
今作はとにかく伊藤沙莉の演技が大変素晴らしい。
もともとがコメディエンヌの才があったけれど。
今後シリアスなシーンもあるだろうし、代表作の1つになるんだろうな。

伊藤沙莉演じる寅子を取り囲む女優陣も皆さんそれぞれに個性的だ。
女学校の同級生で義理の姉になる森田望智は今作もそうだがカメレオンのごとく全く違う人に見える。
母親役の石田ゆり子は年相応の役でとても良い。
学友達も皆さんキャラ立ちしている。
桜井ユキ、平岩紙、土居志央梨、ハ・ヨンス・・

奮闘する女性陣に負けず劣らず男性陣も役者が揃っている。
仲野太賀、小林薫、みんないい味出してるなぁ。

時代はまだ女性の人権が男性と平等ではなかった昭和初期の話。
だけど、太平洋戦争前の話なのに、何だか今とそんなに変わらない感じがするのも怖い。
形の上では男女平等の体だけど、実態としてはまだまだ男性優位が暗黙の了解になっているシーンがとても多い。
そうした社会を変えていくべき政治家の世界でさえ、女性議員達はほとんど男性と同化してしまっていて、そうでなければ認められない世界なのだろう。
日本オリンピック委員会JOCでの森会長の女性排除のような不適切発言もまだ記憶に新しい。

法律上女性が「無能力者」とされていたこの時代と何が違うのか。

女性の権利をもう一度見直すという意味で、いや今だからこそのタイミングでこのテーマのドラマは放り込んできたNHKはまだ大丈夫だ。
頭は腐っていても、現場は闘っている。

<了>

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