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モデルを目指そうとしたらあやうくK-POPアイドルあるいは那須川天心になりかけたときの話

今日のnoteはモデルを目指そうとしていたらK-POPアイドル志望あるいは那須川天心になりかけた、去年の秋の話である。

というのは、冗談だが割とガチなのだ。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、
私はモデルとして活動を開始したfemto専属になるために、2週間という短期間で4キロ体重を落としたことがある。
もともとぽっちゃりさんだったらそこまで難しくなかったかもしれないが、当時の私はモデルになるにはややふくよかだったものの、同じくらいの身長の女の子の標準体重ぐらいで世間的には太っている部類には入らなかった。

だが写真写りが壊滅的だったのか、
femto公式にDMしたときに
「お前にモデルは無理。痩せて出直せ(意訳)」という内容が非常に丁寧な文章で送られてきた。
「やってやらぁ」と火がついて衝動的になった私は「いまから2週間で5キロ落とします。面談だけでもしてください」と送ってしまった。
(ちなみにこの時の文章の主は不明である)

勝手に体重と食事内容をDMで送りつけつづけた。
今思えばものすごく迷惑なやつである。

すると同時海外で撮影中だった山中さんからメッセージがあり……いまだに忘れない。9月17日までにダイエットに成功したらその日に面談をするという旨の内容が届いた。

食事内容などを送っているうちに山中さんからおすすめのダイエット法をご教示いただいた。
それに合わせて食事制限とYouTubeのダイエット系YouTuberの動画を見ながらの運動をしていたが、到底間に合わないと感じた私はラストの1週間断食を試みた。
断食といっても、何も摂取しないわけではない。水と野菜ジュースとプロテインは飲んでいた。2日に一回さつまいもを半分ずつ食べた。
韓国のアイドルはデビューやオーディション時にとても厳しい体重制限があり、それに満たないとデビューできないので死に物狂いでダイエットするらしいという記事を読んだ。
おこがましいようだが当時それを読んで「今の私のようだ」と思った。
代謝を良くするための「アイドル水」と呼ばれるアイドル御用達の飲み物を試し、韓国のアイドルたちがやっているというさつまいもダイエットを、私には彼ら彼女らと違って毎日7時間のダンスレッスンはないのでやや過激にして試した。

それでも目標体重に届かず、見る動画がいつのまにか女性向けダイエット動画から那須川天心の大会前の減量の様子を写した動画になっていた。

水しか取らず、近所のサウナ付きの銭湯に通い詰めながら、1日2.3時間運動をしていた。
水で体重計の数字が増えるので最後の夜から面談の朝の丸一日くらいは水すらまともに摂っていなかった(体に悪いので絶対真似しないでください)

でも、そのくらいしなければいけないと思っていたのだ。
就活に失敗して秋まで進路が決まらず、本当に世界に居場所がなくなると真剣に思い詰めていたところに、femtoは光明だったのである。

femtoで活動することは私が私でありながら生きるための、最後の希望だった。

そうまで思ったのは山中さんの個展、テランセラがきっかけだ。
平凡な私がここまでやってこれたのは…と彼女はどこかで書いていた。
平凡?と思ってまじまじ見た。
ものすごい努力をしてきたのだろうと思った。私は彼女をとても美しいと思った。
出展者の皆様との空間や年月を感じさせる写真たち。写真の中に流れるこだわり、時間。
穏やかで、激しくて、のびやかで。
写真をみて泣いたのは初めてだった。

役者として使う宣材として何度かポートレートを撮ってもらったことがあった。
とある撮影会モデルと舞台で共演した時に彼女が凄まじい集客力を誇っていた。
ポートレートと私の接点なんてそれくらいのもので、主に後者の方の理由、言ってしまえば下心から漠然と撮影会に入ってみたいと思ってさまざまなところに応募したがどこからも返信がなかった。

そこにきて、このテランセラの衝撃だ。
petit撮影会のことは知っていた。モデルをやるなら、絶対に山中さんのところでやりたいと思って最初はpetit撮影会に連絡をした。すると山中さんに新しい撮影会を作る予定があると聞かされた。
そしてその夏、femto専属一期生の募集が始まった。

そして、話は戻る。
一度は書類で落とされかけて、素人のくせに那須川天心の真似事をしながら減量した。
9月の、たしか12日とか13日くらいだった。
まだ少し目標体重には届いていなかったが面談をしてもらえることが決まった。

とある都内の喫茶店。
大きなトランクを引いて海外から帰ったその足で面談しにきてくれた山中さんが入ってきた瞬間の光景が鮮やかに思いだされる。
店に入って、右手のボックス席、一番出入り口から遠い、ソファと椅子の向かい合う席の椅子の方に座っていたことまで言える。
そこで、専属として一緒にやっていかないかた言っていただき、その日に最初の宣材を撮っていただいて、晴れてfemto専属になることが決まった。

その日、久々に固形物を食べた。
大根を細かく切って、ほんだしを入れたお湯で煮て梅干しを入れたものだ。
しばらくは普通の食事を受け付けず、そこから消化のいいものを食べながら少しずつ食事を戻していった。
それからさらに日にちが経って、3週間ぶりにマックを食べたらダブルチーズバーガーとフライドポテトが世界一美味しい食べ物かのように感じた。

その後モデル初めてから〜今


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