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権力者たちのたそがれ①ー森舌禍事件の背景にあるもの
はじめに森喜朗氏の舌禍事件が世の中を揺るがしている。
僭越ながら、筆者がみるところ、ことの本質は偉い人特有の独善性にある。
「わきまえる」云々の発言はその表れだろう。
背中の真ん中にこびりついた垢のような、どうしようもない癖が、首相経験者の晩節を汚す結果を招いてしまった。
本欄では森氏のことを論じたいわけではない。
先ほど述べた、偉い人特有の独善性について考えてみたいのだ。
偉い人とは
新米記者が見た検察④黒川さんのこと
連載も最終回になった。
きょうは渦中の人物、黒川弘務(くろかわ・ひろむ)さんのことを書く。
有名人はじめて見たのは、筆者がポップコーンを食べていたときだった。
2008年秋。法務省主催のイベント「赤れんがまつり」でのこと。すらっとした細身で、めがねの奥の眼光がするどい。「このひとが、黒川さんか」。しばし見入ったのをおぼえている。
とにかく有名だった。
「できる」「豪腕」「顔が広い」「政治
新米記者が見た検察③居酒屋での誘惑
使命”巨悪を眠らせない”
検察の王道コースを歩むひとたちがよく口にすることばだ。社会を揺るがす”悪”を摘発し、是正していく。検察を端的にあらわす表現といっていい。
相手が総理大臣であっても、偉い財界人であってもひるまない。絶大な権力をにぎっているからこそ、黒川検事長の定年延長問題がこれだけ国民の関心の的になっているわけだ。
事件の糸口検察はどうやって事件をみつけてくるのだろう。
たとえば、
新米記者が見た検察②深夜の牛丼
禅問答毎日、午後4時が憂鬱だった。
検察を担当する記者たちは東京地裁にある記者クラブに詰めていた。4時になると、おもむろに地下通路をわたって真向いの検察庁舎にむかう。検察幹部の部屋を訪ね、取材するためだ。
ここで、東京高検のR刑事部長と筆者とのやり取りを再現しよう。東京高検刑事部長といえば、いまでいうと、黒川高検検事長の直属の部下にあたる重要なポジション。ちなみR刑事部長は現在、経済事件を取り