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140字以内の短い詩

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声に出しても1作1分かかりません。朗読を始めてみたい方や、ショート動画の配信にいかがでしょう|ω・*)
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記事一覧

【詩】帰る色

【詩】帰る色

恨みなど
妬みなど
決して近寄らせない

屈辱など
笑い蹴飛ばしてやろう

あなただけが
知っていてくれたなら
それでいい

ぼくの
流れる赤も
零れる青も
淀む黒も

ぜんぶぜんぶ
包み込んで
白に戻してくれる

あなたは

ぼくの心が
帰る場所

ぼくに帰る
命の休息所

【写真詩】私を赤く染めたのは

【写真詩】私を赤く染めたのは

私を赤く染めたのは
あなたの言葉

想いのあたたかさを
受け止められる喜びを
涙と共に知りました

私を照らしてくれたのは
あなたの声

誰かに必要とされる幸せを
初めてこの腕に抱きしめました

孤独な夜に
溶けてしまいたかった私を

包み救ってくれたのが
あなたの光だったのです

写真お題 #綿帽子のキリトリ世界 より

【写真詩】春霞の迷いごと

【写真詩】春霞の迷いごと

夢のように
淡い声だけが耳に残る

花天井(はなてんじょう)の隙間には
泣けるほどの
青い空

どうしたって
届かない
この掌は空を切る

「さようなら」

何度
言の葉を芽吹かせようと
風は運んでくれません

私の願いなど
どうぞ散らしてください

私もあなたも
春霞(はるがすみ)に目がくらんで
道に迷っただけなのです

写真お題 #綿帽子のキリトリ世界 より

【詩】その手が闇を晴らしてくれた

【詩】その手が闇を晴らしてくれた

☆所要時間:1分
☆人数 :1人用

⚠こちらは一人称二人称も含め、文章は変更せずにお読みくださいますようお願いします。

怒りなのか
悲しみなのか
悔しさなのか
もうどれかを特定することもできず

黒い感情に飲まれては
同類になってしまうと抗(あらが)いながら
ぽつり ぽつりと
涙が零(こぼ)れた

話して いいんだよ
放(はな)して いいんだよ

抱き締めてくれる
きみのあたたかさが
きみの優

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【短文朗読】夜明け色の手紙

【短文朗読】夜明け色の手紙

☆所要時間:1分
☆人数 :1人用

世界の誰かへ届けたくて
手紙を書きました

感動を
悲しみを
満たされぬ心を
愛を知った喜びを

”私”ではなく
想いが届くようにと
言ノ葉に乗せました

いつからでしょう

私の手紙に
新たな彩りを乗せて
返信をくれる人が現れました

想いを重ねてくれた
名も知らぬ あなた

声を重ねてくれた
どこにいるとも知らぬ あなた

私のモノクロの世界に
色を添えて

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【写真詩】刈られることを待ちながら

【写真詩】刈られることを待ちながら

あなたの
寄り添ってくれた言葉を
思い出し

あなたの
独りよがりな愛だと
塗り替える

嘘に隠れて咲いた花

潔く散ることも
枯らすこともできぬまま

寂しくないわと
風に揺れ

悲しくないわと
雨に濡れ

あなたに
刈《か》ってもらえる日を
待ちながら

開いた花弁《かべん》を持て余す

写真お題 #綿帽子のキリトリ世界 より

【詩】よはくのせかい

【詩】よはくのせかい

わたし以外から
みえている せかい

働くわたし
先輩のわたし
部下のわたし

パートナーのわたし
親のわたし
子のわたし

わたし以外には
みえない せかい

わたしだけが
知っているわたし

「わたし」でいるための
たいせつな せかい
#ことばおもい お題
「よはくのせかい」より

【五行歌】うつつみくじ

【五行歌】うつつみくじ

憧れの君と江島(えのしま)神社で初詣

あれは夢か幻か

財布に覗(のぞ)く

ひしゃげたおみくじが

待ち人来たりと告げていた

上記の五行歌は、第一回鎌倉文章コンクールにて、鎌倉市長賞をいただいたものです。

「著作権は作者に帰属する」ということなので、こちらも朗読フリーとして公開します。

寺社巡りでよく訪れていた鎌倉。
その土地にある「木村文章学校」さん主催のコンクールで、
青春の思い出が

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【詩】欠けた月を探して

【詩】欠けた月を探して

満ちる
ということ無き
これまでの道程《みちのり》は

至らぬことへの
悔いでは無い

高みに向け
まだ進める
まだやれる と

己《おの》が自身との
信頼の証

いつか満ちてしまえば
この成長は止まってしまう

欠けた月こそ美しい

満ち 終わるまで
未知なる
道への
好奇心を
止めることなく
歩みたい
#言葉の添え木 より

【写真詩】影に咲く恋

【写真詩】影に咲く恋

触れられるなら
あなたの影でも良かった

あなたの視界に居られなくても
この香(か)を風が運んでくれたなら
私の思いも届くでしょうか

落ちてなお
散ることもできぬ
恋ならば
土へと還(かえ)してしまいましょう

いつか根を張り
あなたの歩む道を
支えられるならば
それもまた幸せなのですから

Xで投稿されている写真お題 #綿帽子のキリトリ世界 より

【写真詩】枝垂れ桜【セリフ】

【写真詩】枝垂れ桜【セリフ】

わんぱく屋も
照れ屋も
はりきり屋も
緊張屋も

よってらっしゃい 見てらっしゃい
おいでおいでと
枝垂(しだ)れ が呼んで

あんたも えらい
こんこも えらい て
みんなみんな
頭をなでてやろうねと

伸ばした枝へ花付けて
がんばりよるねと
揺らすんよ

枝垂れ桜が春に咲くんは
新たな日々に
向き合うあんたを
守るためよと
鶯(うぐいす)鳴いた

写真お題
#綿帽子のキリトリ世界 より

【写真詩】にじいろの空

【写真詩】にじいろの空

にじいろの 空を みました

涙は
こぼれるものではなく
あふれてくるものだと
知った日に

悲しい時
苦しい時
辛い時

そんな時こそ
そばに いてくれるのだと

「ね、泣いたあとの心は
こんなにきれいに輝くよ」

声が聞こえた

なんて話
キミは
信じてくれるでしょうか

写真お題
#綿帽子のキリトリ世界 より

【詩】夢秩序

【詩】夢秩序

ちいさな わたしも
そらが ちかい
かたぐるま

どきどき
てを ひろげたら
とんでるみたい

あたまを たくさん
なでてもらう

がんばったよって
わらいあう

もう伸ばしても
届かない
大きな掌

「いつでも あえるよ」

夢に
決まりはありません

夢に
制限など
ないのですから
#ことばおもい の造語お題
「夢秩序」(無秩序)より

【詩】キミに伝えようか

【詩】キミに伝えようか

キミに伝えようか
どう伝えようか
なんて伝えようか

手紙は重い
ラインは知らない

事の始まりを言えばいいのか
夜も眠れず
考えていたことを
話せばいいのか

いっそ
目が合った瞬間の
胸の高鳴りを
キミに聞かせられたらいいのに

ああ
悩むほどに遠くなる
まわり道では届かない

それでは結論だけ
伝えます

「キミがすき」

創作お題
「悩んだ」 #みかんの短編部屋お題 より