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拙い映画感想文「ちょっと思い出しただけ」

最近はなかなか映画を観る時間を設けることができなかったけど、一旦3連休に突入したので久しぶりに映画、それも邦画を観ることができました。

高校生から大学生の途中くらいまでは洋画より邦画が好きだったのですが、それ以降今までは洋画の方を好むように観ていたので今回久々に見てやっぱり邦画もいいなと思いました。

邦画の良いところ

自分が思う邦画の良いところはいくつかあるのですが「生活感」を感じやすいという点が一番大きいです。

普段生活しているのが日本ですし、学校や会社の雰囲気もつかみやすい。

「あ~、いるよなそういう人。」「近所で見たことあるよなこんな景色。」「こんなアパートに住んでいるな。」等

共感できる部分が多く映画の世界に入りやすい点が邦画の優れている部分だと思います。

元カノがいない人にもなぜか共感できる

この映画は元恋人との生活を1年ずつ過去に遡って思い出していく流れになっています。

1人暮らしをしている現在、別れ話をしていた時、仲良く過ごしていた時

色々なシーンが織り交ぜられているので、観ている人はそのうちの全部が全部を経験していなくても一つでも似たような経験をしていれば共感しやすいのではないかと思います。

付き合って1年くらいのイチャイチャ感

ベッドの上で仲良くしたり、映画を観たり、2人の間でしかわからないふざけあいをしたり。

そういうことって他の人達も皆するんだなって微笑ましく思いました。

巡り合わせ

女性の方の主人公(ヨウ)が知人の出ている舞台を観に行ったときに、その舞台に出ていたのが男の方の主人公(テル)。

出会いが出会おうとして出会ったマッチングアプリのようなインスタントな出会いじゃないのがよかった。

どこから素を出していくのか、素を出してもいいのかという仲良くなっていくまでの駆け引きの過程がいいなと思いました。

結局、ヨウは合コンの時にナンパしてきた男とそのままホテルに行き、のちに結婚?して子供も生まれている描写がされていますが、それはそれでリアルさを感じました。

初めてできた彼氏・彼女とは少しづつ距離を縮めて色んな所に行ってお互いの経験を共有して日々を積み重ねていく。

お互いずっと一緒に居たくて結婚ももちろんしたいのだけど仕事のことやその他周りの環境のことでなかなか踏み出せずにいる。

そうしているうちに2人の間に亀裂のようなものが走り修復が不可能なところまでいってしまう。

けれど、結婚するときはぽっと出の人と急に結婚する。

結婚してのっぴきならない状況を作って自分の進む道を固めたうえで新たな関係性を構築していく。


別れたらゼロになる

ということはないかもしれないけど、

恋人と一緒に行った行きつけだったバーや彼のアパート、彼のアパートからの通勤経路、いつも通っていたお地蔵さんの前や公園。

普段から意識することは少ないけれどその時にしか視界に入ってこなかったものはもう戻らない。

そういう虚しさのようなものは何度か経験してきましたのですごく共感できました。

いつも無条件で行っていたあの場所にもう行くことはできない。

こういう経験は誰にでもありノスタルジーを感じてしまいます。寂しい。

普通に生きている人などいないのでは?

「踊れなければ意味がない。」

そう言うテルに対してヨウは普通に生きようよと提案します。

「あなたがいるだけでいい。」

テルはヨウのタクシーから降りてからそのことを思い出して普通の生活をしていそうな人々を眺めます。

かつての自分のように踊る若者、手を取り合って階段を下りる老婦人、同僚に愚痴をこぼすサラリーマン、ベビーカーを押す母親、談笑する女子校生。

それらを眺めるテルの目は「普通って何だろう。」と問うてるように見えました。

けれど

踊る若者は行き場がなくそこで踊ることで自分たちの居場所を必死に守っているのかもしれない。

もしかしたら老婦人は子供たちに先立たれた後なのかもしれない。

サラリーマンは家庭に居場所がなく歩道橋の上で仕方なく夜遅くまで同僚と語らっているのかもしれない。

ベビーカーを押す母親はもしかするとシングルマザーで必死になって子供と生活しているのかもしれない。

自分が普通だと思って眺めている人もそれぞれの場所でそれぞれの問題を抱えてそれぞれの人生を戦って生き抜いているのかなと思いました。

さいごに

テルが(おそらく)30歳を超えても自分の好きなことやアルバイトで生活しているのをみて、自分も今の定職にしがみついて必死にやっているけど色んな生き方があるなと少し気持ちを楽にすることができました。

長いこと読んでいただきありがとうございました

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