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反抗期、反抗期、更年期


「なんだかイライラする」が口癖の子どもたち。
年子最大の失策でありまして、アイヤー、息子たちが揃いも揃って反抗期。
ここにそろそろ私の更年期が重なりでもしたら、恐怖のホルモン三つ巴となり、引くに引けない混戦状態になること間違いなし。

いや、もうすでに。この前の私は生理中でして。正直言ってホルモンバランスが相当に乱れていたのだ。だから、次男のイライラを受け止める余裕がなかった。
つい口達者な私は、「親に向かってなんとういう口の聞き方!」を皮切りに、倍返しで言い返してしまい、その後の惨状たるやエライことになってしまった……と反省する。
次男も今や「絶対に負けられない戦い」に臨んでいるのである。確固とした自己を確立するために、親になんかに(特に母親)負けていられないのだ。なのに、私が勝ってどうする。
もともと家の中では威勢のいい次男だったが、中学入学と同時に頼んでもいない「やる気スイッチ(反抗バージョン)」がONになってしまった。
「これが『反抗期』というものか……」とこちらがむしろ感動するほどの荒れぶりだ(長男はここまでではない。今のところ……)。イライラが止まらない日の次男は、箸が転げれば怒りだすといった有り様なのである。

そもそも反抗期の人にチャンネルを合わせても無駄な訳でして。
わかっている。わかっていたけれど、いきなり来たから最初は派手に応じてしまった。重ねていうが、生理だったし余裕がなかった。反省している。
これからは私の修行だと思って、猛突進してくる牛(息子)をヒラリとマントでかわす術を身につけなければならない。

思い出すのは、昔、キタキツネを一年間追っていたドキュメントだ。
私はね、「獅子が子を千尋の谷に突き落とす」イメージだったのよ。切ない親心でもって、泣く泣く我が子を旅立たせるのだと想像していたんですよ、巣立ちの時は。しかし、所詮この獅子もお話の世界でした。
キタキツネたちの本当の子離れ、本当の巣立ちはもっと厳しいものだった。
母ギツネは子ギツネたちが成長すると、本当に子どもに嫌気が差すのだ。もう、嫌悪感。「あっちいってちょうだい!! 行けってば!」という感じで、すごい剣幕で威嚇する。追い立てる。追い払う。
どうやらそういうホルモンになっているようだ。


はぁ、そういうものなのだなぁ。
確かにお父さんが鬱陶しくなって臭いと娘が言い出したり、息子の靴下がこの世のものとは思えないほど臭かったりするのも自分の中のホルモンや、発しているフェロモンのせい(どちらも近親相姦を避けるため)。
ちなみに人間の場合、近親者の臭いを嗅ぎ分けられるのは女だけという説。だから旦那さんが感じている息子の靴下の臭いと、私のそれとでは、全然違うのかもしれない(それにしても納豆が間違って息子たちの衣類の中に混入しているのではないかと、靴下を裏返してまで豆の有無を確認したほどの臭気でしたよ……)。
ホルモンの働きは、かように情け容赦もないものなのでしょうか。

お母さんが好きなんだけど嫌いになったり、子供を愛しているんだけど「はぁ、鬱陶しいな。邪魔邪魔!」って思ったり。それが旅立ちの先触れなのである。
こういう段階をきっちり踏んでからこそ、お母さんが一番ではなく、他の伴侶を探す旅に出るのだなぁ……。なるほど。

それにしてもだ。
息子たちよ。私が更年期に入る前に。お願い、早く脱して反抗期!



ここまで読んでくれただけで、うれしいです! ありがとうございました❤️