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検証の仕方①

アジサイの花にはいろんな色があるが、何が花の色を決めているか知っているだろうか? 

筆者も植物や理科には詳しくないが、聞いたところによると「土壌のpH濃度(水素イオン)」が関係しているらしい。


アジサイについては知っている人も多いかもしれないが、ではアサガオの花の色は何が決めているのかは知っているだろうか。


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「アジサイと似ているし、、、同じ科?なのかな。違ったとしてもまあ花は花だし、たぶん土のpH濃度とかそういうのが決めているんだろうな。」

と筆者は思った。



で、実際に夏休みの研究課題か何かのテンションで、アサガオの観察をやるとする。本当に小学校時代にアサガオの観察をしたことがある人も多いかもしれないが、ここでの問いは「アサガオの花の色が決まる条件は何?」ということ。

ここでアジサイのケースを全く知らないとしたら、「酸素の量かな?」「いや、日光の当たり具合じゃないか」とか考えながら進めると思う。

それで、鉢植えごとに密閉空間に置いたり日陰に置いたりと条件を変えながらも「鉢植え自体は同じもの」を使って結果の差を見ていくだろう。当然だが、同じものを使わないと差が取れないから。

ただ、実際にやってみると変化がないことが分かるはず。

なぜ?

と考えて、「もしや土に理由があるんじゃないか?」と消去法的に思いつく。

そして土を変えて観察をするのだが、、、

なんとアサガオの場合は、土を変えても変化がないそうである。

何故ならアジサイと違って色が変わるほど土からpHを吸収することがないからで、そうなると「元々アサガオが含んでいる何かの成分によるってことか?」ということまで絞り込み、じゃあどこに何が含まれているのか?と調べて、アジサイの情報も見つけつつ、アサガオそのものの成分検査を進めて行けば良いことになる。


ちなみに実際アサガオの場合は、液胞に元々含まれているpH濃度が花の色に反映されるからとのこと。アジサイは自然に自生しているのをよく見かけるし土壌から吸収する度合いが高いけど、アサガオはアグレッシブに(?)土からpHを吸い上げたりはしないのかな?とも思ったり。
(参考:https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5298/)

  ◇


さて、アサガオの例から何の話がしたいかというと、、、

理科の課題としてはずっと「観察」という言い方で、タイトルも「アサガオの観察」として提出して問題ないとは思うのだけど、

実際にやっていることは、①観察 ⇒ ②仮説立て ⇒ ③検証なのよなと。

仮説と検証の結果を図にしてまとめたイメージ



アサガオの例は「アジサイのケースを知らないとしたら」ということで話を進めたが、アジサイと土壌の関係を知っていれば「土を変えたら色も変わる」という仮説から始めて良いことになる。かなりのショートカット。

ただ、チャート研究の場合は「アジサイのケース」で例えたようなそのまま応用できる仮説がそう簡単に見つかるわけではない。

そして「仮説」がないまま「観察」を繰り返し、自分では「検証」をしていると漠然と思っていて、結果ずっと何も分からないまま迷走している・・・というケースもあるのではないだろうか。

検証:実際に物事に当たって調べ、仮説などを証明すること。(goo辞書)

「相場にはミスリードがある」と過去の記事でも言ったが、ある意味最大のミスリードとして「検証が大事」と言われながら「まず仮説を立てる」という大前提のことが話題にならないせいで延々と観察をしている状況で、なけなしの資金も相場に吸い取られるかように減っている・・・

という怖い状況下にあるトレーダーも少なくないのかもしれない。


 ◇

これはビジネス界隈でよくあるアクションを回すイメージ図。

言い回しやステップ数に違いはあれど、ほとんどは「仮説⇒検証」について当然のこととして扱われている。


①と②の関連性というか、①の絶対的な〝第1歩目感″というか、、、

それがチャート研究の時は見過ごされがちで、「検証」という名の「観察」を続けてしまっていることが多いのではないかという問題提起をしたい。

チャート研究の場合は「チャネルの幅はそのままで、傾きを別の角度に固定してみる」「傾きはそのままに別の幅で固定してみる」など、条件を変えて検証結果をサンプリングしていく作業が必要だと個人的には思う。

今回はこの辺で。



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