牧野節子(児童文学作家)

日本大学芸術学部卒。NHK文化センター(青山教室・町田教室)、毎日文化センターなどで講…

牧野節子(児童文学作家)

日本大学芸術学部卒。NHK文化センター(青山教室・町田教室)、毎日文化センターなどで講師をつとめています。 お笑い大好き❣️ 著書に『童話を書こう!完全版』など。お気軽にフォローください♪ YouTubeチャンネルで「朗読」もしています📚

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記事一覧

竹内浩三「町角の飯屋」

本日は竹内浩三「町角の飯屋」を朗読しております。 「いつくしみ深い」とか「おごそか」とかいう語を、それらとはミスマッチ感のある沢庵の表現に使っているのがカッケー…

「ミキ以外コント寄席」

ジャルさんの「でも、可愛いですよ。」のちょうど1週間前の日曜日、「ミキ以外コント寄席」にいってきました。 ミキさんだけが漫才で、他の出演者は全員コント師。 会場は…

ジャルジャルさん「でも、可愛いですよ。」

「2024春夏のジャルジャル-でも、可愛いですよ。」のことを書きますね。 (ネタバレ含みますので、ご注意) 今季の単独は東京と大阪での集中Live。私は東京の最終日、子ど…

小川未明文学館「童話創作講座」で上越市に

5月6月7月の全3回、小川未明文学館「童話創作講座」の講師を担当させていただいています。 会場は、新潟県上越市の高田図書館で、昨日26日はその1回目「童話の基礎と基本的…

太宰治「小さいアルバム」

太宰治「小さいアルバム」を朗読しております。 訪ねてきた友人に「私」(D=太宰)は、「生憎お酒も無ければお金も無い」ので、せめてものもてなしがわりの「窮余の一策…

ロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」

本日はロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」(楠山正雄・訳)を朗読しております。 多くの被害を町中にもたらしていたねずみたち🐁🐀 それをすっか…

古川緑波「氷屋ぞめき」

本日は古川緑波「氷屋ぞめき」を朗読しております。 名エッセイストでもあった喜劇役者古川ロッパが、夏のひんやりした食べものについてシャキシャキと語っています。 黄…

アポリネール「青い眼」

本日はアポリネール「青い眼」(堀辰雄・訳)を朗読しております。 修道院の廊下で、こちらを見つめている青い眼とは…? フランスの修道院で暮らす少女たちが、塀の向こ…

芥川龍之介「沼」

本日は芥川龍之介「沼」を朗読しております。 「おれは沼のほとりを歩いてゐる。沼にはおれの丈よりも高い芦が、ひつそりと水面をとざしている。おれは遠い昔から、その芦…

原民喜「椅子と電車」

本日は原民喜「椅子と電車」を朗読しております。 ラストの男のつぶやきに、全幅の共感を私は抱いてしまいます。 特に「止まることのない電車」というのはステキ。 比喩で…

『魔女やしきのサーカス』

児童文学創作グループ「ふろむ」編『魔女やしきのサーカス』(国土社)をご紹介♪♪♪ 「屋根の上では、さびた風見鶏が、風にふかれてギュキーギュキー…」 風見鶏の音が…

竹内浩三「五月のように」

竹内浩三「五月のように」を朗読しております。 「なんのために生きている」「どう生きるべきか」…といった自問に、真っ直ぐに、正直に自答し、他にも呼びかけている作品…

岡本かの子「五月の朝の花」

本日は岡本かの子「五月の朝の花」を朗読しております。 「お洒落でつつましやかで、おとなしくてお済しで、群っていても実は孤独で、おっとりしていてもなかなか怜悧で。…

「Moon River」を歌ってみました♪

今晩は「Moon River(ムーン・リバー)」を歌ってみました。 トルーマン・カポーティ原作の映画『ティファニーで朝食を』💎💍🥐 オードリー・ヘプバーン演じるホリー・ゴ…

桜間中庸「月夜のバルコン」

本日は桜間中庸「月夜のバルコン」を朗読しております。 薔薇の家のバルコニーから月を眺める…そんなシーンに私は縁がないワなんて思いつつも、何度も何度も読み返してい…

「ACB(アシベ)」〜心に残る短編小説・朗読〜

本日は、自身の作品「ACB(アシベ)」を朗読しております。 「ACB」は、昭和の時代のジャズ喫茶。いまのライブハウスのようなところです🎙🎸🎹 その場所を舞台背景に描い…

竹内浩三「町角の飯屋」

竹内浩三「町角の飯屋」

本日は竹内浩三「町角の飯屋」を朗読しております。

「いつくしみ深い」とか「おごそか」とかいう語を、それらとはミスマッチ感のある沢庵の表現に使っているのがカッケー(*^^)v

しかもあの色が浮かび、あの音がまざまざと聴こえてくるではありませんか。

竹内浩三の詩はほかに、「金がきたら」「横町の食堂で」「夜汽車の中で」「十二ヶ月」「雨」「五月のように」も朗読しております。
あわせてお楽しみいただけ

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「ミキ以外コント寄席」

「ミキ以外コント寄席」

ジャルさんの「でも、可愛いですよ。」のちょうど1週間前の日曜日、「ミキ以外コント寄席」にいってきました。

ミキさんだけが漫才で、他の出演者は全員コント師。
会場は、ジャルさん単独でも行き慣れた銀座ブロッサム。

時間に余裕があったので、「ちょっと違う道から行ってみよう」と銀座をぶらぶらしていたら…あれ?あれれ?…と迷ってしまい、結局、開演ぎりぎりに到着笑

豪華出演者の面々は、ミキさん、5GAP

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ジャルジャルさん「でも、可愛いですよ。」

ジャルジャルさん「でも、可愛いですよ。」

「2024春夏のジャルジャル-でも、可愛いですよ。」のことを書きますね。
(ネタバレ含みますので、ご注意)

今季の単独は東京と大阪での集中Live。私は東京の最終日、子どもの日🎏にいってきました。よみうり大手町ホール。前から5列目の席でした。

=オープニングコント(ハトのフン)=

公園のベンチにいる男性(後藤さん)。
近くを通りかかる女性(福徳さん)。
「あぶない!」
男性は、落下してくる

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小川未明文学館「童話創作講座」で上越市に

小川未明文学館「童話創作講座」で上越市に

5月6月7月の全3回、小川未明文学館「童話創作講座」の講師を担当させていただいています。
会場は、新潟県上越市の高田図書館で、昨日26日はその1回目「童話の基礎と基本的な書き方」。

ご参加のみなさま、たいへん熱心に受講してくださいました。
今回の講義を参考に、2回目には作品を提出していただく運びになっています。
それぞれの方がどんな作品を書いてくださるのか、とても楽しみです!

講義の前後の時間

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太宰治「小さいアルバム」

太宰治「小さいアルバム」

太宰治「小さいアルバム」を朗読しております。

訪ねてきた友人に「私」(D=太宰)は、「生憎お酒も無ければお金も無い」ので、せめてものもてなしがわりの「窮余の一策」として、自身のアルバムを見せながら半生を語っていきます。
その明暗入り混じるエピソードに、心奪われる作品です。

作中、Dがある友人に「俳優のダグラスに似ている」と言われたという話が出てきます。
時代的にたぶん、ダグラス・フェアバンクス

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ロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」

ロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」

本日はロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」(楠山正雄・訳)を朗読しております。

多くの被害を町中にもたらしていたねずみたち🐁🐀
それをすっかり退治してくれたヒーロー笛ふき男🎶
だのに約束破られて払われなかった契約賃金💴
怒った笛ふきピーヒョロロ町の子たちを連れ去った👦👧

と、あらすじを私なりに書いてみました。

…そう、取り返しがつかない、ということは、あるもの

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古川緑波「氷屋ぞめき」

古川緑波「氷屋ぞめき」

本日は古川緑波「氷屋ぞめき」を朗読しております。

名エッセイストでもあった喜劇役者古川ロッパが、夏のひんやりした食べものについてシャキシャキと語っています。
黄色いアイスクリンのことや、東京と大阪の氷の違いなど。
ところで、「ミルキン」「すいと」って、なんのことか、あなたはご存じですか~?

古川緑波の作品は他に、「うどんのお化け」「色町食堂」も朗読しております。
あわせてお楽しみいただけました

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アポリネール「青い眼」

アポリネール「青い眼」

本日はアポリネール「青い眼」(堀辰雄・訳)を朗読しております。

修道院の廊下で、こちらを見つめている青い眼とは…?

フランスの修道院で暮らす少女たちが、塀の向こうの遠くから聴こえてくる角笛の音をきっかけに娘として目覚めていく様子が、あやしく、美しく、瑞々しく描かれている短編です。

ギヨーム・アポリネールといえば、ピカソやアンリ・ルソーとの交流、そしてなんといっても、マリ―・ローランサンとの恋

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芥川龍之介「沼」

芥川龍之介「沼」

本日は芥川龍之介「沼」を朗読しております。

「おれは沼のほとりを歩いてゐる。沼にはおれの丈よりも高い芦が、ひつそりと水面をとざしている。おれは遠い昔から、その芦の茂った向うに、不思議な世界のある事を知つてゐた。いや、今でもおれの耳には、Invitation au Voyage の曲が、絶え絶えに其処から漂って来る」

…作中に出てくるこの「Invitation au Voyage」(旅へのいざな

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原民喜「椅子と電車」

原民喜「椅子と電車」

本日は原民喜「椅子と電車」を朗読しております。

ラストの男のつぶやきに、全幅の共感を私は抱いてしまいます。
特に「止まることのない電車」というのはステキ。
比喩ではあるのでしょうが、私なんぞは現実的に、心地よい天気の日に心地よいゆれに体をゆだねていると「このままずっと乗っていたい。どこにも着いてほしくない」(笑)と思うのであります。

小学生のときの夏休み。東京から2時間ほどの伯母の家に泊りがけ

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『魔女やしきのサーカス』

『魔女やしきのサーカス』

児童文学創作グループ「ふろむ」編『魔女やしきのサーカス』(国土社)をご紹介♪♪♪

「屋根の上では、さびた風見鶏が、風にふかれてギュキーギュキー…」
風見鶏の音が聴こえてくる、かわのむつみさんの表紙絵にいざなわれ、足を踏み入れたその世界は…?

小豆沢ゆう子さん「まいごのとおぼえ」🐕 
山崎玲子さん「カンタさんの焼きいも屋」🍠
かわのむつみさん「魔女やしきのサーカス」🎪
加藤りょうこさん「落

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竹内浩三「五月のように」

竹内浩三「五月のように」

竹内浩三「五月のように」を朗読しております。

「なんのために生きている」「どう生きるべきか」…といった自問に、真っ直ぐに、正直に自答し、他にも呼びかけている作品です。
五月の陽光が後押ししてくれるこの理想を、人々は、いったいどれぐらい、実現することができるのでしょうか…。

竹内浩三の詩はほかに、
「金がきたら」「横町の食堂で」「夜汽車の中で」「十二ヶ月」「雨」も朗読しております。
あわせてお楽

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岡本かの子「五月の朝の花」

岡本かの子「五月の朝の花」

本日は岡本かの子「五月の朝の花」を朗読しております。

「お洒落でつつましやかで、おとなしくてお済しで、群っていても実は孤独で、おっとりしていてもなかなか怜悧で。しのびやかにしかもはればれと桐の花」

「うるんみ始めた」五月の空を背景に、ひとつの花をこんなふうに描くことができるかの子の眼に、思わずうなってしまう作品です。
その「眼」で見つめている他のさまざまな花たちの表現も、なんと美しいことでしょ

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「Moon River」を歌ってみました♪

「Moon River」を歌ってみました♪

今晩は「Moon River(ムーン・リバー)」を歌ってみました。

トルーマン・カポーティ原作の映画『ティファニーで朝食を』💎💍🥐

オードリー・ヘプバーン演じるホリー・ゴライトリーが、宝石店ティファニーのショーウィンドウの前でパンをかじるオープニングシーンは、よく知られていますね。

テーマソング『ムーン・リバー』はオープニングでもエンディングでも流れますが、劇中、アパートの窓辺でホリー

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桜間中庸「月夜のバルコン」

桜間中庸「月夜のバルコン」

本日は桜間中庸「月夜のバルコン」を朗読しております。

薔薇の家のバルコニーから月を眺める…そんなシーンに私は縁がないワなんて思いつつも、何度も何度も読み返しているうち、なんだか自分も薔薇の香りに包まれて、蟻や蝶や風と話しているような気になってくるからフシギ…そんな、短い、短い詩です。

詩人であり童謡作家であり児童文学者である桜間中庸は、早稲田大学在学中に、故郷で病にかかり、二十代で夭逝しました

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「ACB(アシベ)」〜心に残る短編小説・朗読〜

「ACB(アシベ)」〜心に残る短編小説・朗読〜

本日は、自身の作品「ACB(アシベ)」を朗読しております。

「ACB」は、昭和の時代のジャズ喫茶。いまのライブハウスのようなところです🎙🎸🎹
その場所を舞台背景に描いた、ハモる少女たちの、レトロな物語です。

牧野節子のオリジナル作品「おとなの童話」は、現代を背景にした「りとるめるへん」と、昭和を背景にした「のすたるじい」という、2つの括りでお届けしております。

「のすたるじい」は「昭和

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