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ビデオグラファーという仕事を、フォトグラファー並みに認知させたい

こんにちは。
久しぶりのnoteになってしまいました。みなさんお元気でしょうか?

最近色々と思うところがあり、
「ビデオグラファーという仕事の認知を広め、地位を向上させたい」
と思うようになりました。
というのも、映像業界は激変の最中で、下手をすると「ビデオグラファー」の立ち位置は危うくなりうるな、と思ったからです。
でも、僕は「ビデオグラファー」という仕事に胸を張りたい。
そう思っています。

ビデオグラファーという仕事と誕生の背景

ビデオグラファーとは、映像を撮影・編集両方、また企画部分も含めて上流から下流まで全て担えるクリエイターのことだと、僕は認識しています。
映像というものは作るのが大変で、商業的な映像は慣例的に分業がとても進んでいました。
代理店、プロデューサー、ディレクター、カメラマン、フォーカスマン、照明、音声、オフライン、MA(音声編集)etc…

それが、機材の進化とともに少人数でも動画を完成させることができるようになり、小規模のプロダクションが生まれ、その最先端がビデオグラファーだと思います。

また、YouTubeのような気軽に動画をアップすることができるメディアも登場し、抽象企業や個人も「動画でアピールする」という選択肢を持てたことも重要な要素だと思います。
YouTube以前は、動画でPRするとなると基本的には広告代理店に依頼して、大きな予算を出せる企業にしか取れない選択肢でした。
それがYouTubeの誕生により
「Webメディアで発信するための動画を数十万〜数百万以内の低予算で作りたい」
という需要が生まれ、個人や小規模で映像が作れるクリエイターと需要と供給が一致し、ビデオグラファーという仕事が成長していった。
僕はそう考えています。

ビデオグラファーの立場が危うい

こうやって業界の変革期には、批判はつきもの。
分業の中で専門性を磨いてきたこれまでの業界からすれば、
「1人で複数分野を担当する」
というのは軟派で中途半端に見えるのも事実。
SNSでは日々個人のクリエイターが叩かれているのを目にします。

…まぁでもこれって仕方ない部分もあると思うんですよね。
だってビデオグラファーには資格はないし、下積みを積む環境があるわけでもない。
カメラと編集ソフトを買えば
「ビデオグラファーです!」
と名乗れてしまう。
長年職人として仕事されている方と比較して、足りない部分があるのも事実だと思います。

だから、中途半端なまま仕事をしていると、下手すれば
「ビデオグラファーね、安かろう悪かろうね」
と思われてしまいかねない危険を孕んでいると、思います。

ビデオグラファーという仕事の価値

一方で、僕はこの仕事はすごく意義があると感じています。
前述の通り、これまで
「映像で発信する」
という選択肢を取れなかった人々、企業の発信する力になれる。

もちろん、クオリティの部分では高度に分業された従来的なプロダクションには敵わない、手の届かない部分もどうしてもあると思います。
でも、限られた予算の中で、膝を付き合わせて発信する内容を考え、そしてそれを実現していくというのはとても魅力的な仕事だと思うのです。

バンドのMVで考えるとわかりやすいと思います。
昔はメジャーか、インディーの中でも有名なバンドしかMVを作ることができなかった。
そもそもテレビや店頭でしか流れる機会がないので、無名なバンドがMVを作るという選択肢はそもそもなかったと思います。

それが、ビデオグラファーやYouTubeの登場で、まだ知名度のないバンドも自身の映像作品を作り、発信することができるようになりました。
その中から、楽曲がバズり売れていく人たちも何組も見てきました。
これは、ものすごく価値のあること、ですよね。

企業相手の仕事でも、例えば採用に困っている企業の動画を制作して
「動画を見てエントリーしました!」
という声をいただいたりした時は、本当に嬉しい。
それは数十人規模の企業さんだったりもします。

こういう
「発信する力を供給できる」
という業務は、これまでのプロダクションでは難しかった部分だと思います。

ビデオグラファーという仕事に胸を張りたい

こういうことを考えたのには、一つ理由があります。
それは僕自身、「ビデオグラファーと名乗ること」に胸を張れなくなりそうな瞬間があったからです。

前述の通り誰でも名乗れるビデオグラファー。
ブランディングとして、「中途半端なやつ」と思われないか、僕自身が不安なときが、正直なところありました。

でも、僕の人生を変えてくれたのはこのビデオグラファーというスタイルであり、これまで自分のやってきた仕事に誇りを持っています。

だから、YouTubeなどの発信活動やSNSの活動、当然普段のクライアントワークも含めて、
「ビデオグラファーという仕事を広め、認めてもらう」
という方針を掲げたいなと思ったんです。
僕自身が胸を張ってビデオグラファーと名乗らないとな、と。

”フォトグラファー”と聞くと多くの人がなんとなく仕事の内容をイメージできるように、"ビデオグラファー"という仕事も認知を広めたい。
そして、
"ビデオグラファーに今回は依頼しよう"
という選択肢が当たり前になるように。

従来的なプロダクションを否定するわけではありません。
僕は心から尊敬し、もはや畏怖の念も感じています。

ただ、提供できる価値や求められる能力は、実は全然違うことだと思っていて、同じくらい価値のあるものだと思っています。

長々と書いてしまいましたが、共感していただける方がいていただけると嬉しいです。
ビデオグラファーという仕事に興味を持った方は、ぜひ僕のYouTubeチャンネルにも遊びに来てくださいね。
いろんなお話をしています。

ではまたお会いしましょう!

〜プロフィール〜
鳥越万紀雄
ビデオグラファー。合同会社Kinoko inc.代表
ロックバンドshannonsのドラマー。
自身のバンドのMVを制作するところから映像制作をスタートし、ビデオグラファーとして独立。
企業の採用動画やYouTubeチャンネルの運用など映像にまつわるクリエイティブを幅広く担当。
代表作:日本ピザハットWebドラマ「僕がピザハットで働く理由」
mail:makiotorigoe@kinokoinc.com
HP:https://kinokoinc.com

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