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自分ががんばったのも誰かの道につながっていく。

「女性活躍」みたいな言葉や、それに伴う制度などはあまり好みではないのだけど、男女平等になるのは望ましいと思うし、ほんとは性差でなく個々の差でキャリアについて考えたい。

とは言っても、リアルでもお聞きしたのだけど、こういう話を聞くと、ひと昔前に比べてずいぶん女性が働きやすくなってよかったなぁと思う。
こんな風に、制度など整っていない頃から、切り開いてきた人たちがいたからなんだなぁと、ありがたいのと感慨深い思い。

私が入社した頃からでも、制度だけでなくて社会の風潮がずいぶん変わってきた。
(その割には、政治家の言うこととか、出されている法案とか、全然ずれてるじゃんっていうのも多いけど。
 それも、海老原さんの話では、昔は問題だとも思われなかったのが、今は叩かれるようになっているだけで進歩だとのこと。)

私の場合は、大企業で福利厚生整っているので、20年前でも産休育休は取りやすかったけど(でも仕事できなくなるのが怖かったのもあって保育園最短で入れて復帰した)、男性育休は当時なかったし、十数年前しっかり育休取っていた男性の先輩は、あの人だからやれるよね、って感じの見られ方だったと思う。
今は、男性育休も制度になって、1ヶ月とか数ヶ月とかではあるけど、若手の男性は結構普通に育休取っているイメージ。
子供の看病とかお迎えとかで、時間休取ったり早退したりも、今は普通に男性もたくさんやっている。(それはリモートワーク主体になったのも大きいとは思うけど。)

一方で、子育て中の男性にはそれまでと同じ業務をアサインしたりどんどんいろんなことにチャレンジさせたりで、子育てしてない人と差はなく見えるけど、子育て中の女性に対しては、残業とか出張とか少なそうな、休まれてもダメージ少なそうな業務がアサインされるような、無意識の、よかれと思っての差をつけられるのはまだ結構あるように見える。

こういう、育休とか育児と仕事とか女性と仕事とかみたいな話になるときに、思い出すことがある。

私は娘を産んでからは結構はやく復帰したのだけど、その分保育園に急に呼び出されて早退することも多くて、作業途中のもので当日中に何かしないといけないとか、作業終わるまで待たないといけないとか、そういうものを先輩に引き継いで対応してもらうことが多かった。
先輩も上司もまわりの人たちも、子供のことだから仕方ないね、と言ってくれてはいたし、まだ産休育休とか取って復帰してる人がその部署では少なかったのもあって、どう対応していいかわからなかったりして結構甘やかしてくれていたと思う。

でもその1、2年後かな?仲良かった委託の先輩たちが結婚されて、チームのみんなが結婚式に招待され、私も娘息子一緒に招待してくれて、一日中子供連れで同じ部署の方々と過ごしていたとき。
いつも私のフォローさせられていた先輩が、途中ベビーカー押すのなど手伝ってくれて、そのときに、
「実はしょっちゅう作業途中で帰られて残りやるのいやだったんだけど」
「でも今日見てて、こんなの毎日やってるのすごいわって思った、大変だね」
というようなことを言っていた。

やっぱり尻拭いは迷惑だったよなぁ、というのや、それを言ってもらえてよかったな、というのと、そこからの、すごいね、っていう感想への変化も印象的で、そのシーンごとよく覚えている。

その後特に何かが変わったわけではないけど、育児しながらの仕事するリアルな感じが、ひとりにでも伝わって何か感じてもらえた、という経験としてもよかったなと思っている。
(そしてみんなに甘えすぎだったのも反省はしている。)
その体験は、きっとお互いにほかの場で何かほかの人と関わるときなどに生きているはずだと思う。

その後もちょこちょこと子供たち連れて送別会に行ったり会社のイベント参加したりもしていて、あまりいい顔しない人もいたけど、概ね好意的に受け入れてかわいがってもらっていたと思う。
それはほんとにありがたい環境だったなぁと思うし、でもそういう関わりがほかにも何かの変化などにつながっているかもしれないと思うと救われる。

先陣を切って社会を変えていったり制度をつくっていくような、大きな影響をつくることはできなくても、ほんの少しの身近な人に何かを伝えることはできる。

だからほんとにちょっとしたことかもしれないけど、誰かに話したり自分で動いたりすることが、何かにつながるといいなと思う。
女性活躍とかそういうのに限らず。

個人的には、まだ根強いマミートラックなどのよかれと思っての差別とか、キャリア自律についてなどが、今がんばりたいところ。

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