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社会人学生が修士課程で学ぶ場合の留意点①

前回、専門職大学院のお話をしました。

この専門職大学院を含む修士課程で学ぶには、2点、留意すべきことがあります。

1点目として、修士課程の場合、授業への出席が前提になります。なので、基本は、大学に通学する必要があるということです。
このことは、地方在住の場合、大きなネックになるかもしれません。

専門職大学院の場合、授業ではケーススタディが提示され、グループディスカッションを繰り返すなど、授業への参加が前提のカリキュラムが多くなります。
このディスカッションの授業こそが、専門職大学院の大きな魅力でもあるのですが、コロナ以降、専門職大学院もオンラインで授業を行うようになったようです。

社会人の通学のネックが、オンライン化されることにより軽減されるのか?

以前、オンライン授業の話題が恩師との雑談の中で出たときには、やはり、ディスカッションの授業は、やりにくいとのことでした。
ホワイトボードの前で、同級生と白熱した議論を交わし、腹減ったら、居酒屋に場所を変えて続きをやる。
これをオンライン上で、できるにはできるが、やはり、リアルに議論を交わす手法のほうが授業はよい流れになるとのことでした。

この話を聞いて、わたしもそう思いました。修士時代に、異業種の同級生たちとの議論から得た知見は、今でも大きな財産になっていると思うからです。

この通学のハードルについて、地方公務員の立場であれば、民間企業と比較して時間の自由が効く職場が多いので、ネックになりにくいかもしれません。

公務員は、拘束時間が長くてブラック!
これは、本省勤務の国家公務員であれば、当てはまるかもしれません。

博士課程での研究を進める中で、国のデータで、HPに公開されている資料の元データの提供をお願いすることがありました。
総務省の自治系の部署にお願いしたときには、メールの返信時間は、夜中の2時過ぎのものが何回かありました。
いやいや、なんか、仕事いそがしい方に、面倒なお願いをしてしまったと恐縮した記憶があります。
(本省勤務の場合、多忙な業務から開放される国費留学を目指し、勉強時間を確保することを目指しましょう。もし、海外大学院で知見が広がり、さらなるキャリアアップを目指す場合は、違約金返還は、帰国後の転職先のコンサルに出してもらいましょう。スマホのキャリア乗り換えと同じビジネスモデルですね。)

一方で、県庁であれば、一時期のコロナ関連や福祉や子供系のところ以外は、全員が遅くまで残ってということは、ほとんどありません(と思う。わたしは早出の時差出勤制度を活用していたため、16時以降の職場の状況を知らないので、、、)。

県庁職員の残業といえば、思い出深いエピソードが一つあります。
新採職員のころの話ですが、農林系の技術職員の部署は、技術のトップである部次長主催で、若手との飲み会が開催されていました。
今思えば、迷惑以外の何物でもないイベントだと思います。
さすがに、こんなバカげたイベントはこの時代、やっていないと信じたいのですが、、、
で、その部次長の通勤経路が、ある出先機関の庁舎の前をとおっていたらしく、その飲み会で、ある技師に、
「君のところの事務所は、いつも遅くまで電気がついて、頑張っているね!」
と声をかけたらしいのです(又聞きの話です)。

で、その新採技師の応答が、なかなか素晴らしいものでした。
「いや、あれは、先輩が残って、職場に積んである漫画読んでるだけです。一人でも部屋にいれば、電気ついているので、外から見てもわかりませんよね?」
と応じたらしい。

その部次長は、その発言にえらくご立腹されたらしく、翌日、部の筆頭課の総括補佐(人事担当)を呼び出して、あの職員は、いったい何なんだ?
と詰め寄ったらしい、、、(決して、直接自分で言わない。こういうずる賢さが公務員の出世では大事です)。

残業するのが美徳と考える、悲しい習性の事例という見方もありますが、その新採技師の
「一人でも残っていたら、部屋の電気はついている」
このフレーズは、わたしはとても気に入りました。
なので、県庁在職中はよく利用させていただいていました。

外部の方から、
「県庁って、いつも遅くまで電気がついて、お忙しいのでしょうね?」

雑談の中で、こういう話が出たときには、
「一人でも部屋にいたら、電気はついているんですよ、、、」
とお気に入りのフレーズを流用させていただき、なので、そんなに忙しくないですよ、、、
と受け応えていました。

本当に忙しい職場に、運悪く配属になった方は、物理的にプライベートの時間に大学院で学ぶことは難しいかもしれません。
しかし、民間に比べて多くの県庁職員は、大学院で学ぶための時間的チャンスは大きいと思います。
あとは、自身の決意になるのではないでしょうか?

やらなくてもいい仕事に、日々の時間を奪われていませんか?
ぜひ、ご自身の事務分掌の仕事内容を見直してみましょう。
(決して、他の方の仕事にまで、目を向ける必要はありません。あくまで、自身の学びの時間を確保するためです。もしかしたら、県庁職員からアカデミックの世界への門戸が開かれるかもしれません)。

ちなみに、博士課程に進むと、通学の事情は変わってきます。
博士課程でも、修了要件として最低限取得しないといけない授業単位がありますが、多くの授業担当の先生はレポートで代替していただけるはずです(授業担当の教官との交渉になりますが)。

博士の場合、自身が研究計画を立てて、実験して、複数の査読論文にしたためて、博士論文として集約することが、全てになります。
言い換えれば、博士の場合、授業を受ける立場というよりも、自分で研究計画というシラバスを作り、その計画に沿って研究を進めるので、自分が自分に対して授業することになるからです。

転職するしないは別にして、公務員の方こそ、大学院で学び、自身のキャリアを広げていただければと思います。
わたしも、修士課程に入学したときは、まさか自分が転職するとは思ってもいませんでした。転職目的で、大学院に進んだのではないので。

学ぶことにより、本当に今の職場にいることがよいのか?
他に自身の活躍の場があるのではないのか?

学び直すことから、いろいろなことに気づかせてもらえると思います。

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