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逆さに数える

逆さに数えて残りを測っているの
確と最期から指折たったいままで
使い果たすのさ 今生のすべて
さまよえる心よ 振り返る勿れ
終を見据えて命を揺すっているの
音がしたらそれは突撃の合図だと
捕えてみせるさ 逆転のときを
かじかんだ体よ 覚醒してくれ

『逆さに数えて』椎名林檎

DIE WITH ZEROを読みました。

いつ元気でなくなるか分からない。いつ何が起きるか分からない。誰も分からない。
死んだ時、死んだ人は何かモノを持って去ることはできない。
それなら、生きているうちに、元気なうちに、今ある自分の体と資源で。
しあわせの体感、機会、よろこびのチャンスを、できる限り増やしたい。私の人生、鱈腹味わいたい。

その時にしかできないこと、がある。
後から修復できない、巻き戻せない、取り戻せない時間がある。

最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て
『未来のサイズ』俵万智

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最近知った、ネット上で有名な、壺の話があります。

「クイズの時間だ」
教授はそう言って、大きな壺を取り出し教壇に置いた。その壺に、彼は一つ一つ岩を詰めた。壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、彼は学生に聞いた。

「この壺は満杯か?」
教室中の学生が「はい」と答えた。「本当に?」そう言いながら教授は、教壇の下からバケツいっぱいの砂利を取り出した。砂利を壺の中に流し込み、壺を振りながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。そしてもう一度聞いた。

「この壺は満杯か?」
一人の生徒が「たぶん違うだろう」と答えた。教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の下から砂の入ったバケツを取り出した。それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。

「この壺は満杯か?」
学生は声を揃えて、「いや」と答えた。教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと水を注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。

「僕が何を言いたいのかわかるだろうか」
一人の学生が手を挙げた。「どんなにスケジュールが厳しいときでも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込むことは可能だということです」「それは違う」と教授は言った。

「重要なポイントはそこではないんだよ。この例が私たちに示してくれる真実は、大きな岩を先に入れないかぎり、それが入る余地は、その後二度とないということなんだ」
君たちの人生にとって「大きな岩」とは何だろう、と教授は話しはじめる。それは、仕事であったり、志であったり、愛する人であったり、家庭であったり、自分の夢であったり……。
ここでいう「大きな岩」とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失うことになる。もし君たちが小さな砂利や砂、水など、自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしていけば、君たちの人生は重要でない「何か」に満たされたものになるだろう。そして大きな岩、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果それ自体を失うだろう。




大事なものを、あとから大事にすることは、かなしいけれど、出来ないものもある。
大事なものは、今、大事にできたほうがよい。理想。

大事なものと、限りのある時間。
私はどちらも、忙しさ、目の前の不安の波に攫われると、あっという間に見失ってしまいます。

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「日本人」「平均寿命」でググると。
84.21 歳 (2018年) 。
私はまだその半分に到達しておらず。でも、いつが折り返しかなんて、最後まで分からないことのほうが多いかもしれません。

カウントダウンアプリを入れてみました。「あとマル」というものです。

iPhoneのウィジェットに任意のカウントダウンを表示できます。
あと約30年生きると仮定して設定してみました。背景の写真は自由に変更可、赤字部分の色は有料にすると変更可です。

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30年だと、日数だけ見ると多く感じますが。
毎日数字が減っていくのは、なまなましい……!


季節で考えると、どうでしょうか。
わたしはこれを書いている今、もうすぐ4歳の娘がいます。
彼女との時間を逆さに数えてみると。

娘が18歳で大学に入る(親元を離れる)と仮定。
単純計算で、共に過ごせる夏はあと14回。
でも、大きくなればきっとお友達との交友が増えるから。
10歳までとしたら…あとたった6回。

これを多いと感じるか、少ないと感じるか。今の私は…
思ったより少ないなぁ…とセンチメンタルになりました。

はっきりと断言できる、私にとって大事なものです。
春夏秋冬、あと6回。
今年の夏は、どんな夏にしていこうか?

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少し前から、転職活動をはじめました。
どうして、踏み出せたんだろう?
年齢は30なかば、小さい子供のいる女性。新たな働き口を探すのは、簡単じゃないと分かっているのに。

ここまで書いてきたような、時間の制限と、その時にしか出来ないことを大事にしたい気持ちが、疼いているから。かもしれません。

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半年前、知人の葬儀がありました。
ご病気が判明してから、3ヶ月でした。

棺の中、お顔の周りに、ご家族が入れた写真が3枚ありました。


私はどんな写真と。どんな思い出と共に、その時を迎えたいか。
その写真は、私が撮ったものだろうか。
誰かに撮ってもらったものだろうか。

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あれ以来、何度も心に訪れる問いになりました。




今この瞬間を、精一杯生きてたい。今ここを。今日現在が確かなら万事快調。日々の瞬間を、よくやっているよ、と自分で受容してあげたい。

この頃そう感じています。




明日も一日、良い日でありますように!

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