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私のしっぽが切れたなら

トカゲのしっぽって、いいよね。

あぶなくなった時に、ぷちっと自分の一部を切り離せるなんて。


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≪つらいな、あぁ私いま辛いなぁ。
至らないな。もっとこう出来ていたら。
もっとうまくやれていたら。
私がもっと強かったら。
どうして。なんで。≫

仮定。
あたまの中、ぐるぐる。

うずの中に、いつの間にかたくさんの泡が見える。
私が勝手に作り上げた、私の欠点たち。

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欠点など、どう定義づけできるというのだろうか。
世界共通の絶対的な評価指標など、どこを探したって見当たらない。
評価できる資格も権利もある人も、いるはずがないのに。


世界人口は約78億人。地球の面積は510,100,000 km²。(らしい。Google様曰く)

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わたしが欲しいのは、切り離せる便利な「わたし」じゃない。
使い捨てられる「わたし」じゃない。
都合よく差し出せる身体組織の破片ではない。

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いまを見よう。
自分の肩をただやさしく、誠実に撫でてあげられる、わたしただひとりを。

じぶんのできることを実直に成し、生活し、一つずつ繋ぎ、ゆらゆらを追いかける、わたし、ただひとりを。

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