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「無計画」という名の確固たる戦略

企業は基本的に商品開発をスタートするにあたり、短期〜長期スパンで計画を立てて進行していきます。マーケットのニーズを調査して、競合他社製品を研究して、デザインをして、販売数をシミュレーションして、販促物作成のために写真撮影して、テキスト考えて。。。。

とにかくやることがたくさんあるんですね。以前会社員をしていたときに、マーケティング部の新規立ち上げを任せていただき1から勉強した経験があるのですが、マーケティングには本当にさまざまな手法があって、それぞれテクニカルに市場へ効率よく導入するためのノウハウを教えてくれます。

プロダクトの特性によって選択する手法は様々になりどれが最適解なのかは実際に販売してみなければ分からないです。ヒットする確率をある程度高められることは間違い無いですが、大ヒットとなるとマーケティング手法だけでは導き出せないのではないでしょうか。

そこにはある重要なポイントがあると考えます。

「プロダクトに携わる人たちの熱量」

作る人から売る人までのトータル熱量です。スケジュールを組み立てて予定通りに事を進めて行こうとすると、時間とともに熱量は下がっていくことが多いです。

「これは大ヒットの予感がするからじーっくりと時間をかけて発売しよう!」

ってスタート前から企むと、経験上概ね失敗します。

ですので極力「熱量」が冷めやらぬうちにリリースする事に重点を置いています。

新しいプロダクトを作るきっかけも、「今年はこれとこれを出さなくては」と気負ってスタートするとだいたいダメですね。

「嗅覚」と「直感」に全集中して、「これを世に出したい!」と感じたときにモノづくりがスタートするので、客観的に見るとものすごく適当な感じに見られることでしょう。

その感覚を養うためにものづくりの現場にできるだけ足を運ぶようにしております。プロダクトには現場の世界観も細部に必ず宿っているはずです。

そして広く浅くモノを見ることも意識しております。スーパーやホームセンターでプロダクトだけではなくそのパッケージデザインを見ることも大好きです。

食品や雑貨の中にもデザインやブランディングのアイデアがたくさん潜んでいるので無意識にチェックしてしまいます。頑張って見ているわけではなく、興味があるので楽しく見ています。ここ大事です。好奇心旺盛です。

また、新しいプロダクトをリリースするには相当のコストを必要とします。型代、広告費、開発に携わる人の人件費等々。長期にわたって継続的に販売すればするほどイニシャルコストは平されて利益を出せるプロダクトに育ちます。

アパレルやシーズン性のあるプロダクトを扱う業界は改廃スパンが早く、売り抜けては新商品発売を繰り返すことになりますので私の苦手な分野です。

車の世界に目を向けると、海外含めた主力自動車メーカーはとても速いスピードで新車発売やモデルチェンジを行いますが、アメリカのテスラ・モーターズは広告費を1ドルも使わず、且つモデルチェンジ(マイナーチェンジ)のサイクルも他メーカーと比べると、とーっても長いのです。

電気自動車という部分が話題になるテスラですが、私はその販売手法に大変関心があります。デザインが好きではないので欲しくはないのですが。。

イーロン・マスクをマインドスキャンすると、外観および内装デザインはおそらく10年経ってもそれほど古く見えないことを意識して車作りをしているのではないでしょうか。知らんけど。

長期的に大切に売り続ける事で必然的にランニングコストが節約されます。今流行りの「SDGs」的にも正しい事ではないかと考えます。

「無計画という名の確固たる戦略」

私のモノづくりに対する考え方を最大限ポジティブ化したキーワードです。

何十年も色褪せず愛され続けることのできる陶磁器を扱っている一番の理由かもしれません。


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