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〜日出ずる国の美しい夕陽〜松江と出雲大社の観光・まちづくり事情

今回、都市経営プロフェッショナルスクールの友人に松江・出雲大社周辺をご案内いただきました。私のような関東の人間からすると、山陰地方って交通アクセス的に最も未知の領域というか、「サンライズ出雲」という謎寝台列車によって到達するロマンエリアというイメージでした。


サンライズ出雲事情

ということで、まずはサンライズ出雲に乗ってみることにしましたw

時々飲み会などの帰りに東京駅に停車中のこの車体を見て、なんとも言えない敗北感?を味わったものです。。これは乗ってやるしかないと。

サンライズ出雲

B寝台ソロという1人用の個室を予約しました。この部屋だとほとんどカプセルホテルのようなサイズ感のイメージですね。なお車内には有料の共用シャワー室もついてます。

B寝台ソロ

夜22時過ぎに横浜駅を出発して朝の9時半頃に松江駅につくので、睡眠時間はたっぷり確保できます。朝5時とかに現地に着かれると行き場に結構困るし、あまり寝れなくてめちゃくちゃ疲れるので、これはありがたいですね。

列車の揺れがゆりかごのような睡眠の誘いになるかはお好み次第ですが、私は爆睡でした。なお時々駅の強いライトがカーテンを貫通するので、アイマスクがあるとよりベターかと思われます。

二階席ならば夜空を眺めながら物思いに耽るのもオツであります。私は即座に爆睡してしまいましたが^^;

ナチュラルボーン・コンパクトシティ

さてバッチリ眠った翌朝、松江では島根県庁と松江市役所の友人にご案内をいただきました。歩いてみると、ここはなかなかただならぬ都市だと感じるポイントが2つありました。

その一つ目が、コンパクトシティであるということ。松江駅〜松江城の間がメインのエリアですが、だいたい徒歩20分圏内くらいに観光資源や繁華街が集積しています。酒蔵や有名な和菓子店、お堀の遊覧船、そして宍道湖畔などが非常に近い範囲にあり移動が容易でした。もちろんグルメもさっと歩ける範囲内にあります。

松江城からの眺め

なぜ松江がコンパクトなのかは想像の域ですが、いくつか理由がありそうです。

一つには淡水資源の不足の名残で、実は宍道湖は潮の満ち引きに合わせて海水が流入しており、工業用水には不適なため工業用地による市域の拡大が抑制されたこと。また丘陵地が旧市街を取り囲んでおり、さらにそこが市街化調整区域のため居住地として開発が抑制されたこと。

これらあくまで推測の域を出ませんが、こういったことが合わさり結果的にコンパクトになった可能性があるようです。

松江の美しい水辺とサンセット

松江のもう一つの特筆すべきポイントは、水辺との距離の近さでしょう。宍道湖畔の都市であることはもちろん、松江城は(天守閣だけでなく)しっかりとお堀が現存する数少ない城でもあります。

お堀の遊覧船
お堀周辺の地上の様子と店舗

そして宍道湖畔から見る夕陽は絶景です。県立島根美術館の周辺から見るのがおすすめです。

もう少し雲があるとより映えるようです

さらに宍道湖と言えば自然の恵みであるシジミが有名です。こちらのシジミ丼はめちゃくゃうまかった。もちろんシジミ汁も!

「季節の風 藏」さんのシジミ丼

ウォーカブルな道路と出雲大社周辺の嬉しいお店

そして「せっかく島根に来たのだから」というミーハー精神で神々の鎮座する出雲大社へw

しっかりお参りもしてきました
真夏日にも涼しさを感じさせる参道

出雲大社の厳かさというのはもはや言うまでもないですが、驚くべきは周辺の観光客向け商業店舗の様子でした。こういうスーパーキラー歴史コンテンツの周りって、いかにも観光客向けの「高くて普通」なお店しかなかったりしますが、こちらはそんなこともなく、多様な店舗があり老若男女が飲食を楽しんでいました。

クラフトビール店のクラフトコーラ
チョコ専門店のカカオソーダ
お昼にいただいた出雲そば(十割)
若い観光客の集まるカフェ
建設中の新規投資物件

そんな活気を呼び込むのに一役買ったのでは?と言われるのが、こちらの道路。約10年前に張り替えたようですが、車道と歩道の境目をファジーにすることで、歩行者優先の気風を生み出します。(車は注意深くノロノロしか運転できなくなる。)

歩行者が歩くエリアが増えると、投資可能な商業エリアも増えていく。いわゆるウォーカブルシティのお手本みたいな現象が起こっていますね。もちろん道路だけイカしていても意味がなく、不動産所有者のやる気があってこそですが!

※本当は歩行者天国だとなおよいですね

ウォーカブルな道路
人がいないのは時間帯が早いからですw

この道路、さらに緻密なデザイン上の仕掛けが施されています。まず歩道側の石畳配置デザインが、白線部分を越えて、車道側にもはみ出ています。これが歩行者優先のデザイン的なシグナルになって通行する人の行動にジワジワ作用するんですね。

道路のアップ

さらに、石畳部分が微妙にギザギザしているのがわかりますでしょうか?これはわざとやっているらしく、昔の手作り石畳の道をイメージさせるための仕掛けのようです。手が混んでますね!

サウナ投資で客を呼ぶ温泉宿

出雲から松江に戻る途中にはサウナにも立ち寄りました。こちら「四季荘」は一見すると昔ながらのお宿ですが、従来の温泉設備だけでなく、サウナ設備を追加投資し客で賑わっていました。

サウナ併設の四季荘

こちらでは素晴らしい自然のロケーションで外気浴ができる環境だけでなく、「サウナエリアは私語厳禁」と言い切っているのがよかったと思います。

仲間と来ていて喋りたい派と、瞑想したい派が混在すると場がピリピリすることがあるので、しっかりルールで住み分けできると楽ですね。

サウナブームがどこまで「一過性」なのかは先の見えないところがある感じもしますが、なんにせよ、複数のアクティビティの組み合わせがすごく大事だなーと実感したのでした。

ということで、みなさんぜひ松江に行かれてみてください!それでは。

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