見出し画像

あなたの働き方は大丈夫?!〜健康を損ない人を潰すハードワークとはいったい何か〜

ハードワークには大きく分けて2種類あります。ひとつは高いエンゲージメント状態で仕事に熱中し没頭しているとき。もうひとつは、何かに取り憑かれたように苦しみながら仕事をこなすワーカホリックなとき。

この2つは表面的にはとても似ているのですが、実はアカデミックな研究の中では別の概念として捉えられています。そして、後者のワーカホリックは健康への悪影響との関連も報告されており、まさに悪いハードワークと言うことができます

今回はそのあたりのことを書いてみます!


病気を招く悪いハードワークは恐怖心から強迫的に働きすぎている状態

下記の本はエンゲージメントについての研究をまとめているものですが、そこにはワーカホリックな働き方の特徴についても書かれています。

ワーカホリック、つまり「悪いハードワーク」にはざっくり言うと背景として、強力で強迫的な内的衝動があります。それはもしかすると周りから認められないとか、失敗するのが怖いといった思いであったり、あるいはハードワークでないことへの罪悪感のような感情によって強化されるんですね。

そんなワーカホリックな状態にある人は仕事の精神的緊張が強くて、精神的な健康上の不調が多い傾向にあります。また生活満足度も低くなります。

…これって公務員に病休が多い理由をそのまま説明している気もします(^^;;

良いハードワークの背景には「活力・熱意・没頭」がある

一方である種の人は明らかにハードワークをしていても、活力がみなぎり、熱意があり、仕事に没頭しています。精神的にも健康です。この違いはなんでしょう?

まず、仕事に対し「活力・熱意・没頭」をもって向かっている状態がワーク・エンゲージメントと定義されています。この状態だと成果にも繋がりやすく、結果として組織に対する心理的な結びつきも強化されやすくなります。

ではこの状態をどうつくるのか。ポイントの一つは「仕事の資源」です。これは何かというと、人員みたいなリソースも然りですが、上司や同僚からの支援やフィードバックも含みます。飲みニケーションが必要かどうかはさておき、実は良好な人間関係もエンゲージメントの高い状態には大切なのです。

もう一つが「ポジティブ感情性」と呼ばれるものです。この中身を噛み砕くと、自己効力感・楽観性・希望・レジリエンスという4つの要素が出てきます。要はこれらの感情的な特性や状態がある・高めることで、エンゲージメントが高まるんですね。

研究によると、このようなエンゲージメントが高い状態の人は、ハードワークであっても健康やウェルビーイングな状態をキープしています。

持続的な成長のためには他人軸から自分軸を

最後はあんまり研究とは関係ない所感になりますが、結局のところは他人軸であんまり人の目や声を気にしてると自分の健康リソースを消耗して行き詰まるよね、ということだと思っています。

悪いワーカホリックではないエンゲージメントをどう高めるかというのはまた別の機会に深掘りたいと思います。ただまずもし自分が「ついハードワークをしてしまう」と感じる際には、指標として、「なにが自分を働かせているのか」というのは重要なポイントになりますね。

それが「否定、恐怖、罪悪感」を引き寄せる他人軸の何かなのか。それとも「活力、熱意、没頭」を呼び覚ます自分軸の何かなのか。

苦しいシーンを乗り越えて次のステップに進むには、現実的にはハードワークになってしまうことも多くあると思います。ですが「否定、恐怖、罪悪感」によるハードワークで自分の身体という資本を毀損してしまえば元も子もありません。マッチョイズムも全否定はしないのですが、自分の感情や状態への認知も必要ですね。

コーチングなどの実務的なところにおいても、クライアントの行動が他人軸と自分軸のどちらの方角から突き動かされているものなのか、という点は(コーチとクライアントの両者にとって)注意深くなければいけませんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?