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結局大事なのは「投資して稼げ!」台湾にあり日本に不足するアントレプレナーシップ

さて今回もまた台湾に行ってきました。業務的なミッションも色々こなしつつですが、付属的に色々感じることも多く、1月に訪台したときのよい振り返りになりました
。ちなみに以下は前回訪台時の記事です。

やはり台湾は親日的で、明らかに国民性みたいなもののベクトルが違う部分もありつつ、どこか「察してくれる」ようなところも結局居心地がよいなと感じざるを得ない私はやはり日本人です。。笑

そしていわゆるアジア的適当さ、大胆さも持っており、日本の閉塞感の異様さも際立つところです。それは台湾のアントレプレナーシップ、結局は将来に向けた投資マインドの差が、台湾と日本の成長力の差になっているとひしひしと感じるのでした。


ガンガン投資して技術力を向上させる町工場

普通は取引のない相手に工場を見せてくれたりはしないのですが、台湾の実力派日本人コーディネーターの仲介で、親日的な若旦那のいる町工場を見せていただきました。いかにも川崎などにありそうな町工場で、従業員規模は200名くらいです。

台湾半導体大手のTSMCの日本進出で、日本の町工場界隈でにわかに「台湾にビジネスチャンスがあるのか?」という気運が高まっていました。実際にビジネスチャンスがあるかというのは商流のアレコレもあるので省きますが、少なくとも競合の台湾町工場がどんな状況かの情報もなく、ふわっとした話になりがちな状況でした。

で、行ってみると、こちらの台湾町工場、投資ペースがものすごい。日本だと工作機械(金属などを加工するためのイカついやつ)の購入費の1/2やら2/3を補助金で補填したりというのもありますが、そういうのもない。にも関わらず、毎年自己資金で1億くらいは最新鋭の日本製などの工作機械の購入に使っていると。工場もどんどん拡大していました。仕事もガンガン回っていれば技術もさらに向上していくと考えられます。お金が回っていて、それに基づいた投資も旺盛ということですね。

これは技術力という意味でもとてもブルーオーシャンとは言えないであろう状況だと感じました。

山ひとつが最新鋭半導体工場に!桁違いの投資を行うTSMC

ところ変わって圧巻の迫力だったのが、台湾のシリコンバレーこと新竹市のTSMCの最新工場建設現場です。丘の上から全貌をウォッチしてきました。笑

写真の奥の山肌までずっと建設予定地!

半導体業界には「シリコンサイクル」という在庫状況による景気循環があり、今はその底なのですが、それでもTSMCは4.5兆円〜5兆円の投資を行うようです。

その一つがこの最新工場建設現場ですね。もう投資規模が全然違うことが一目瞭然です。

高圧電線の"ゴール"

そしてこちらの写真の2つの高圧電線、よく見ると、ここが行き止まりになってることにお気づきでしょうか?電線が地中に向かって伸びてるのです。

このあたり一帯はほとんど全てTSMCの半導体工場や研究施設です。つまり高圧電力が全てこの一帯のTSMC関連ハードに投入されているということ。すげー!

台湾でビジネスをする日本人が話す、日本型組織の息苦しい課題

台湾では何名かの現地日本人ビジネスマンともお話をしましたが、このあたりはなかなかシビアなところですね。

  • 日本では20年かけてできなかったことが、台湾から招聘を受けて現地法人を立ち上げたら、2年でできた。

  • かつて日本の組織では長い期間、上司の妨害を受けて事業の足を引っ張られていた。(聞き覚えがありすぎるような…)

さらに某日系大手総合電気メーカー出身で台湾で起業された方は、日本の半導体産業の凋落について、「色々な要因はあるけど、結局はコンサバティブな投資方針ではないか」とかつての仲間内では語り合っていらっしゃるとか。

やるべきことはシンプルに「投資して稼いでまた投資しろ」

こうして見ると結局はどの分野も、「投資して稼いでまた投資しろ」というところに尽きるんですね。

そしてその第一歩は、自分への投資。自分の腕を磨き、メンテナンスし、パフォーマンスを上げていくとこ。台湾人はちゃんと「個」を大切に自分自身の付加価値を高めています。やれていますか?


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