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"共通の目的"を言語化するだけでチームの力は引き出せる - チーム向けコーチングのポイント


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共通の目的を言語化することの大切さ


こんにちは、株式会社ログラスでエンジニアリングマネージャー兼システムコーチを務めている松岡(@little_hand_s)です。
この記事では、チーム向けコーチングであるシステムコーチング(※1)を実施する際、クライアントとなるチームの「共通の目的」を言語化することの重要性について深掘りします。

システムコーチングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。(この記事ではアジャイル開発向けに限定して書いていますが、システムコーチングは開発に限らず様々な人間関係に適用可能です。)

システムコーチングでは、「システム」を、「共通の目的やアイデンティティを持ち、互いに依存する(お互いを必要とする)人々の集合」と定義します。1つのチームだけでなく、複数チームの代表者や上司と部下の関係などもシステムとみなされます。

私は、コーチングのヒアリングやセッションの中で、上記の定義を説明した上で、
「あなたたちは、システムですか?」
「あなたたちの共通の目的はなんですか?」
と尋ねることがあります。

この問いは、非常にパワフルです。

自分達が一つのシステムの一部であるという自覚を深め、なぜここで一緒に何かを成し遂げようとしているのか、その意味と向き合うことになるからです。
これは、単に共通のゴールを持つということ以上に、システムとしての存在意義や進むべき道を明確にする行為です。

※1: システムコーチングは、CRR Global Japan 合同会社の登録商標です。

目的をコーチングセッションにどう繋げるか


共通の目的を見つけ出し、明言することはシステムコーチングの出発点です。複数回のセッションを通じて、チームは何らかの願いに向かい、そこに向けた課題を乗り越えたり、必要な変化を行うための道筋を描きます。

このプロセスの原点として、「システムがどこに向かおうとしているのか」が明確でなければ、具体的な課題や必要な変化を特定することができません。目的を序盤で明確にすることにより、セッションは有意義に進み、全員が一丸となって目標達成に向けて取り組むことが可能になります。

事例

共通の目的の認識を合わせるインパクトについて、事例をご紹介します。(実際の事例をもとに、守秘義務の観点から少しぼかしています。)

とある企業で、AさんとBさん、二つの異なる部門の部長にコーチングセッションを実施することになりました。彼らは、コーチングを受けることになりましたが、その背景には、二人のコミュニケーションが上手くいっていないという課題がありました。会社からの依頼、二人自身の意識ともに、このコミュニケーションの問題解決に向けられていました。

コーチングを複数回実施する中で、重要な転換点が訪れます。それは、「二人の共通の目的は何か?」に対して深く考えた結果「二つの部門の連携を強め、会社により大きく貢献すること」でした。

この共通の目的を明確にすることで、彼らの意識は大きく変化しました。それまで二人がお互いに対立しているように感じていた視点が、同じ目標に向かって協力するという視点へとシフトしたのです。

この意識の変化は、単に二人の関係改善に留まらず、それぞれが率いる部門間の連携強化にも大きな影響を及ぼしました。共通の目的を持つことで、彼らは部門間の壁を取り払い、より強固な結束力を持って会社に貢献する方向へと進むことができたのです。

まとめ

共通の目的の明確化は、チームや組織が直面する課題に対して一丸となって
取り組むための重要なステップです。

システムの目的は、一番最初に言葉で聞いて出てくるとは限りません。何度かのコーチングセッションを経て出てくることもありますし、最初に目的としていたものが徐々にアップデートされていくこともあります。

実はこの明確化は、コーチングとは関係ない文脈でも使われる「チームや組織のミッションやパーパスの言語化」と同じアプローチですね。チーム、組織が、なぜわざわざ一緒に集まって活動するのか?は存在意義や目指すものを明確にし、活動の方向性を揃えるために非常に重要なことです。コーチングを受けなくても、日頃のチーム活動の中で目的を明確にすることは重要ですので、ぜひ意識してみてくださいね。

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