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「クリエイティブとビジネスを越境するビジネスデザイナー」に学ぶグローバルアジェンダの重要性

この記事は、"武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース"というやたら長い名前の大学院での "クリエイティブリーダーシップ特論I" というこれまた長い名前の授業での学びを紹介する記事のシリーズ第14弾です。

この授業では、クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されている方々をゲスト講師として、60分講義・30分ディスカッションというセットで学びを得ています。

第14回 (2021年10月11日)は、佐々木康裕さんからお話を伺いました。

自己紹介
記事の本題に入る前に、簡単に自己紹介をさせてください。

私は、社会人として働きながら武蔵野美術大学の大学院に今月2021年4月に入学しました。仕事ではUXデザイナーとして働いており、大学院ではUXデザイナーの仕事に活かせる生きた知識を、体験も通して身に付けたいと思っています。

ゲスト講師のご紹介

佐々木康裕

佐々木 康裕

クリエイティブとビジネスを越境するビジネスデザイナー。デザイン思考のみならず、認知心理学や、システム思考を組み合わせた領域横断的なアプローチを展開。エクスペリエンス起点のクリエイティブ戦略、事業コンセプト立案を得意とする。DTC含むニューリテール、家電、自動車、食品、医療など幅広い業界でコンサルティングプロジェクトを手がける。ベンチャーキャピタルMiraiseの投資家メンター、グロービス経営大学院の客員講師(デザイン経営)も務める。2019年3月、ビジネス×カルチャーのメディア「Lobsterr」をローンチ。 Takram参画以前は、総合商社でベンチャー企業との事業立ち上げ等に従事。経済産業省では、Big DataやIoT等に関するイノベーション政策の立案を担当。 早稲田大学政治経済学部卒業。イリノイ工科大学Institute of Design修士課程(Master of Design Method)修了。
Takram メンバー紹介ページより)

ゲスト講師の活動内容

Takramでのグローバルアジェンダを組織に投げかけるプログラム
毎月ゲスト講師を招いて、気候変動やジェンダー、AI、倫理、人種問題など、常に新しいグローバルアジェンダを組織に投げかけるプログラムを実施されています。

倫理的にまずいということで株価が下がるというこれまでおこらなかったことが起きています。
 
グローバルで起きている気候変動やジェンダーのトピックなどの変化を理解し、ビジネスもグローバルコンテキストやグローバルアジェンダとつなげないといけないとお話しされていました。
 
例えば、電機メーカーが美容系の製品を発売する際に、ジェンダーでどういうことを語られているかを理解せずに市場に出すと大きな非難を受けることにつながる可能性もあります。
 
また、マイクロソフト社が「修理する権利(Right to repair)」の株主決議に合意しました。こういったRight to repair とかの文脈を知らないままであれば、製品やサービスがヨーロッパマーケットで扱われなくなります。
 
日々の仕事は忘れ、とにかくグローバルアジェンダを外部講師を招き、世の中の変化を学び続けてもらうプログラムを行なっているそうです。

ビジネス×カルチャーのメディア「Lobsterr」

「時代と社会の変化に耳を傾けるメディアプラットフォーム」として、「Lobsterr」を運営されていますが、こちらも、グローバルアジェンダを接続しつづけられるようなものとしてつくられているそうです。
 
 世界ははるかに複雑になっていて、すごいスピードで変わりつづける世界の文脈への接続を実践されています。

授業から学んだこと

■超・多様性の重要性

こちらは、イリノイ工科大学Institute of Design修士課程(以下、ID)での学びの1つとして紹介されていたことですが、デザイン思考や論理思考その他を有機的に組み合わせた新しいアプローチが必要ということです。

デザイン思考もOne of themで、Innovation method(イノベーションメソッド)、Behavioral Economics(行動経済学) など無数のフレームワークを組み合わせることが必要とされます。

■創造性非依存の再現性のあるアプローチの可能性

こちらも、IDでの学びとして紹介されていたことです。創造性やインスピレーションに依存せず、高い再現可能性を持った規律的プロセスとして新規事業創出を行うという考え方です。IDの教授には、クリエイティブなんていらないんだということを言う方が何人もいたそうです。

このことに佐々木さん自身が勇気づけられ、また現在、プロセスや方法論を伝える時にこの考えが役に立っているとおっしゃっていました。

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