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「心配してくれたのね! 嬉しいわ♡ わざとらしいけど♡」という妄想

ある日曜日の朝。
僕は、少し前に目覚めていたが、ベッドの中でAbemaTVを観ていた。

寝室のドアの向こう側で、妻のゆかりちゃんがパタパタと動き回る音がしている。ゆかりちゃんは、洗濯物を干している最中なのだろう。

と、その時だった。

グラグラグラ!!!


(地震だ!)
(けっこうデカイか⁈) 

僕は上半身を起こし、警戒態勢をとった。

(まだ続くのか?)
(揺れが続くならヤバイぞ)
(弱まるのか? ・・・弱まってきたな)
(止まった・・・)
(震度3くらいかな)

(そうだ!!)

ナイスアイディアを思い付いたのだ。

ドタドタ!

(ワザと足音を大きくして)

バーン!!

(ワザとドアを勢い良く開き)

「はあ、はあ…」

(息を切らしてるというわざとらしい演技をして)

「ゆかりちゃん! 大丈夫か!?」

(心配でたまらないという表情だ)


僕は、ボケをかましたのだ。

・そんなオーバーな!、とか
・心配してくれたのね! 嬉しいわ、わざとらしいけど、とか
・わざとらし過ぎるわ~!、とか

そんな、ゆかりちゃんの「ややウケ」を狙ったのだ。

ゆかりちゃんは、テレビを、立って見ていた。
僕は、渾身の演技を、ゆかりちゃんの背中に対して行なってしまったのだ。

ゆかりちゃんは、干しかけの洗濯物を手にしたまま、振り向いて僕を見た。
そして、

「は?」

と言った。

(仕方ない、もう一度言おう)
心配顔を継続したまま、僕は言った。


「ゆかりちゃん、だ、大丈夫か⁉」

「何が?」


「何って、い、今、地震が…」

「またまた~」


「・・・」

ゆかりちゃんは、視線をテレビに戻した。


(鈍感って、スゲェなぁ)と、僕は思った。
(今回は、ボケの完成度が低かった)と、反省もした。

(『セリフは目が合ってから言う』これを忘れちゃダメだな)と、改善点も明確にした。

しかし、ややウケのハードルは、思った以上に高い。

色々な意味で、鈍感ってスゲェ。
ボケを殺すに刃物はいらぬ、鈍感3つ続けばいい。
そういえば、ビリビリペンのドッキリも、鈍感に潰されていた。
※詳しくはコチラ ⇓


もう1度鈍感によってボケを潰されたなら、僕は、もう2度と立ち上がれないかもしれない。

僕は、ゆかりちゃんが大好きだ。






おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1482話です
※この記事は、過去記事の書き直しです

PS. 僕のKindle本 ↓『いいかい、タケルくん』【考え方編】です。


読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。
恋愛とは、若者だけのものではありません。

人生100年時代。
40代、50代、60代、70代でも、恋愛って必要です。(僕の主観です)
そばにいるパートナーは、誰にだって必要ですよ。(僕の感想です)

「考え方」ですから、若者だけでなく中年にも参考になります。
もちろん若い男性には、モロ、参考になります。

女性にも参考になります。
【男の思考】が詳しく書かれていますから。
「男性って、そんな考え方をするんだぁ」と、きっと参考になります。

ご一読いただけたら幸いです。

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