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どっちかしか選べません! あなたならどちらを選びますか?

僕は、約30年前に『なぜ国語を学ぶのか』(著者:村上慎一さん)という名著に出会いました。

この本は、先生と生徒との会話形式になっています。

この本を読んで、

僕は生き方が定まりました。

この本の中の、僕に強烈な衝撃を与えた部分のみを、ご紹介いたします。



職員室の先生の所へ、ときどき、質問や相談にやって来る生徒がいます。
その生徒の中でも『常連さん』といえる2人の女子高校生が、その日も国語の先生に、とある相談をしていました。

「古文を学ぶ必要性が分からない」という相談でした。

先生は、2人に質問します。

「良い人生にしたい」というのと、「イイ生活をしたい」というのは、
はたして同じ意味だろうか?


生徒は2人でアレコレ語り合い、やがて結論らしきものにたどり着きます。

「良い人生っていうは、充実した人生とか、幸せな人生とかかな」
「だね。イイ生活は、高級住宅地の豪邸に住んで、高級外車に乗っている感じかな」
「うん。そういう暮らしを『イイ生活をしている』とは言うけど『良い人生を送っている』とは言わないよね~」
「だね。で、もしかしたら、『人生が重要』って言いたいのかなぁ?」
「私はどっちも!  良い人生も大事。でも、イイ生活だってしたい!」

そのようなタイミングを得て、先生は、遠藤周作の本を引用します。

ここに一人の娘がいる。
彼女はある男性を愛してしまう。

が、その男はやがて大病を患い、あと五、六年の寿命しかないと診断されていたとする。

あえて、その男と結婚すれば不幸になる、と周りの人に彼女は言われるでしょう。
「あの男性と結婚したいというあなたの気持ちはわかるけど、彼と一緒になれば、あなたは妻としてではなく、介護人として生きていかなければならない」
と忠告されるかもしれない。

そのとき彼女は、彼を選ぶか、それとも、いわゆる世間的な幸せを選ぶか、という岐路に立たされるだろう。

実はこの状況というのは、彼女にとっては、人生を選ぶか、あるいは生活を選ぶかということなんです。
 
病気の彼を選ぶというのは、人生を選ぶことといえるし、彼と別れて健康な男性と結婚するということは、生活を選ぶことを意味している
このような岐路に立たされる若い男女というのは、世間には大勢いると思う。

ですから、われわれが生きていく中には人生と生活とどちらを選ぶか、という二者択一の岐路にたびたび立たされることがある。

(遠藤周作『自分をどう愛するか<生き方編>自分づくり』青春出版社)

この引用のあと、国語教師は生徒に語ります。

古典を読むことに、生活上のメリットはほとんどない
でも、人生ということを考える上では、大切になることがある

人生をいかに生きるべきかと考えていく精神のことを、そのひとの「たましい」というのだと思う。

古典は、その魂をみがく道具になる可能性をもっていると思っている。


生活上のメリットはほとんどない。
しかし、
人生を考える上では大切になることがある。


こんなにもシンプルで強烈な意味があったとは……。


次のような解説もあったような気がします。

古い文章ならば、なんでもかんでも『古典』かというと、そうではない。
長年、選ばれ続け、残され続けてきた文章のみが『古典』なのだ。
古い車が全て『クラシックカー』ではない。
長年、選ばれ続け、残され続けてきた車のみが『クラシックカー』でしょ。

数多くの識者や専門家の、厳しい批評に耐え続けてきたのです。


僕は、この本を読んで、迷いのようなモノが消えました。
指針が明確になったのです。

僕は、
岐路に立ったとき、人生を選択します。


二者択一で、どちらかしか選べないのならば、僕は、生活は選びません。
人生を選びます。




迷わず生活を選ぶ価値観の人には、「嘘つき」と言われたりします。

ウソではありません。

僕の人生は、僕の望むように。
僕がイチバン喜ぶように。

僕は、良い人生に憧れているのです。





おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1408話です
※僕は、妻のゆかりちゃんが大好きです


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「考え方」ですから、若者だけでなく中年にも初老にも参考になります。

人生100年時代。
40代、50代、60代、70代でも、恋は必要です。(僕の主観です)
そばにいるパートナーは必要です。(僕の感想です)


いずれにせよ、Kindleアンリミデッド会員でしたなら無料で読めます。

ご一読いただけたら幸いです。


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