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その笑顔の背景や歴史を想うと、鼻の奥がツンと熱くなります…。

運行管理者になるための基礎講習だった、と思います。
講師が、ご自身の体験を語ってくれました。


私の知人に山下さんがいます。
ちなみに「山下さん」と言いましたが、仮名です。

山下さんの息子さんは、意識がありません。
でも、生きています。
交通事故で、いわゆる、植物人間という状態になってしまったのです。

山下さんは、その、交通事故被害者のお母さんです。

息子さんは、ず~っと寝たきり。
息子さんは、たんを出せません。
山下さんは2時間おきに、息子さんの痰を吸引してあげるのです。

僕は、
「え? 夜は? 夜はどうするの?」と聞きました。

山下さんは、
「夜も、2時間おきに、痰を吸引しますよ」と、答えました。
「私は、座ってうたた寝です。横にはなりません」と。

山下さんは、そう言ってケラケラと笑ったのです。

山下さんはベッドで寝ないのです。
息子さんが、そのようになってからは、ただの1日も…。

「私、もう25年、布団で寝てませんよ~。アハハ~」

また、ケラケラと笑うのです。
本当に、明るく、アッケラカンと笑うのです。

もちろん、25年間、旅行にも行ってません。

僕には、かける言葉が見つかりませんでした。
心底、交通事故を憎み、交通事故を怖れました。

山下さんは、明るくケラケラ笑っているのに、
明るく笑って語られるからこそ、僕は、鼻の奥がツンと熱くなって…。

僕は、苦笑いさえ上手くできませんでした。

講師が語ったエピソード


聞かせていただいたのは、4年か5年前になります。

言わずもがなですが、書きます。

山下さん(お母さん)は、達観するしかなかったのでしょう。

きっと、達観したのではなく、いつの間にか、知らないうちに、
達観に、辿り着いてしまったのです。


死の危険さえある過酷な修行に挑み、それを成し遂げた修行僧。そのうちの100人に1人とか、1000人に1人とか、ごく僅かな者だけが辿り着く境地に。

修行僧は良いのです。
自ら望んでいどんでいますから。

山下さんは、本当に、アッケラカンと笑うのでしょう。

僕は、襟を正し、生き方を改めます。
ちょっとしたことで腹を立てたり拗ねたりしません。

妻と、2度とケンカなんてしません。






おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1492話です
※この記事は、過去記事の書き直しです
※僕は、ゆかりちゃんが大好きです

PS. 僕のKindle本 ↓『いいかい、タケルくん』【考え方編】です。


読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。
恋愛とは、若者だけのものではありません。

人生100年時代。
40代、50代、60代、70代でも、恋愛って必要です。(僕の主観です)

そばにいるパートナーは、誰にだって必要ですよ。(僕の感想です)
「考え方」ですから、若者だけでなく中年にも参考になります。
もちろん若い男性には、モロ、参考になります。

女性にも参考になります。
【男の思考】が詳しく書かれていますから。
「男性って、そんな考え方をするんだぁ」と、きっと参考になります。

ご一読いただけたら幸いです。

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