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【デッド•オワ•ライブ】(第六章)『転校生 大爆発』

漫画原作案である「デッド・オワ・ライブ」という物語のシナリオ(第六章)を ざっくり作りましたので、随時アップしていきます

もし お時間ございましたら、少しだけでも読んで頂けると嬉しいです…!

※これは小説ではなく「シナリオ」です)

※第一章以降は どんな内容のストーリーなのかだけ分かるような、さらに噛み砕いたシナリオになっております。

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【第六章】「転校生 大爆発」


ベタな少女漫画のヒロインのような登場の仕方で突如、目の前に現れた

天国で道雄が一目惚れした女性
”柊 蒼空“(ひいらぎ そら)との再会に
嬉しさの感情を抑えられない道雄。

道雄「柊さん…だよね!?

ほら、さっき天国で会った…俺だよ!俺!

もう二度と会えないと思ってた…!
うわぁ、嬉しいなぁ…!

無事 生き返る事に成功したんだね!
いや、よかった よかった…!」


テンション高く詰め寄る道雄とは裏腹に
その女性は冷めた口調で返す。

女???「は? 柊…?

私、そんな名前じゃないんですけど…

それに、何?

天国?   生き返った??

どういうこと…?(笑)」


道雄に対しポカン顔を浮かべる女。


道雄「え…!?ウソだろ!?

さっき天国で一緒に漫才したの、覚えてないの!?

…てか、俺がキミに

”生き返る権利”を譲ってあげたんじゃないか…!」


女???「アナタ、さっきから何言ってるの…?

意味分からないんですけど(笑)


今ぶつかった衝撃で
頭でも おかしくなったのかしら…?(笑)」


わざわざデッド•オワ•ライブの優勝特典
”死者の蘇生”の権利を譲ってあげたのにも関わらず

そんな事 一切覚えていない様子の薄情な彼女に
道雄は憤りを覚える。

道端で口論を始める2人、しかし
何度 天国での出来事を話しても
彼女は一向に思い出す気配すら無いようだった…

女???「もぅ…!何度言ったら分かるの?

そもそも私たち、今 初めて会ったのよ…!?

それに私は柊なんて名前じゃないってば…!

”五十嵐 梨緒”(いがらし りお)っていう

ちゃんとした名前が あ•り•ま•す…!」


話噛み合わず、明らかにイライラのボルテージが上がって来ている2人。

そんな中、道雄は
五十嵐梨緒が尻もちをついた拍子に
スカートが豪快に めくれてしまっている事に気づく。

道雄「てか、お前 そのスカート何とかしろよ…
道のド真ん中で なんてもの見せてんだ…」

五十嵐梨緒「え? スカート…?」

尻もちをついたまま地べたに座り込んだ状態の五十嵐梨緒は自分のスカートの状態を確認すると
まるでヤカンの沸騰する音が背後から聞こえて来そうな勢いで顔を赤らめ素早く内股になった。


五十嵐梨緒「ちょっと…!何 見てんの…!?この変の態…!」

道雄の心の声(”変の態”って何!?変態でいいだろ…!)

道雄「見てねぇよ!誰が お前のパンツなんか…!」

そして彼女は
独特な歯型がついた食パンと
通学カバンを拾いあげ
スカートについた土を払いながら

急に何かを思い出したかのように焦りを見せる。


五十嵐梨緒「…って、やば…!

こんな所で”頭おかしい奴”の相手してる場合じゃない…!

今日は初日だから、早めに職員室へ来るように言われてるんだった…!」

そう言って彼女は尻もちをついたままの道雄を置き去りにし、どこかへと走り出す。


道雄「はぁ…!?誰が頭おかしいって!?

…て、おい!ちょっと待てよ…!
まだ話は終わってないぞ…!」


そう言って道雄は彼女が走り去った方向を振り向くも、既に彼女の姿は見えなくなっていた。(足 超速い…)


道雄の心の声(何だよアイツ…!

天国で会った時は天使のように優しくて
可愛らしい女の子だったのに、もはや別人じゃねぇか…!なんか名前も ちげぇし…

でも、見た目も声も完全に
”柊 蒼空”であった事には間違いない…

生き返った瞬間、何もかも忘れたってか?

何て恩知らずな奴なんだ…!

こんな事なら、俺が権利を使っちまえばよかったぜ…!)


そして道雄は五十嵐 梨緒への怒りを心の中で爆発させながら
再び学校へと足を進めた。


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『場面→柴紫ヶ丘高等学校、2年3組 教室』


道雄の心の声(えぇと、俺の席は…)

自分の座席なんて全く覚えていないはずが
直感のまま導かれるように
窓際の1番後ろの席へと足が動く。


道雄の心の声(ここっぽいな…

とりあえず座って おとなしくしておこう…)


道雄は 席に座り
なるべくクラスメイトと目が合わないように
あたりを見渡してみると

教室内には男女問わず、覚えているような覚えていないような顔がズラーっと並んでいる。

その中には今朝、通学路で話しかけてきた
白玉きな子の姿もあった。

目から入ってくる情報から何とか必死に記憶を辿ろうと深刻そうな表情を浮かべる道雄。

その時、一人の男子が背後から忍び寄り
後ろから抱きつくように勢いよく飛びついてくる。


???「みちおー!おはよ〜!今日もお前んちの柔軟剤は良い匂いだな…!(クンクン…)」


道雄「だ、誰…!?
び、ビックリした…
急に何だよ、猿山…」


道雄(ん…?猿山…?
今、俺の口から自然と知らない苗字が…

…あ、そうだ!コイツはクラスメイトの猿山 暁道(さるやま あきみち)

”犬系”男子の ほんわかイケメンで
フレンドリーな良い奴だけど
すげぇ天然(バカ)。

確か俺の幼馴染みというか、腐れ縁というか…

とにかく基本 俺といつも一緒にいる
”相方的存在”だった気がする…)


猿山「道雄先生〜
新ネタの方は順調ですか〜?
今回も良いの書けそうです?

定期発表会も近づいてることだし、そろそろ放課後とか使って練習し始めたいなぁ〜なんて…

まぁ、俺はネタ書けないから
偉そうなことは言えねぇけど(笑)」


道雄の心の声(え、ネタ…?定期発表会…??

何のことだ?さっぱり分からん…

でも放課後に練習って事は もしかして
俺が入ってる”同好会”とやらと関係が…?)


道雄「ね、ネタってさ、同好会のヤツ…?」

猿山「何言ってんだよ、当たり前だろ?
俺達 ”お笑い同好会”の定期発表会は
毎年”5月の第4日曜日”  
つまり もう本番まで一週間切ってるわけ

んで今年も 例年通り
いつもの老人ホームの じいちゃん ばあちゃん達の前でネタやらせてもらう事になってんの、まさか忘れた訳じゃないよな??」

道雄「あ、あぁ!もちろん覚えてるよ…!
ネタね、はいはい…」

道雄の心の声(あ〜!そうだそうだ、俺 死ぬ前
〈職業:芸人〉だったわ…!

猿山とコンビ組んでN-1グランプリにも挑戦してたじゃん…!

そんな俺が高校時代、所属していたのが
この”柴紫ヶ丘高等学校 お笑い同好会”

猿山以外の同好会メンバーは…
ちょっと今は まだ思い出せないが

とにかく俺の人生に”色々”と大きな影響を与えた
同好会だった気がする…!)


道雄「定期発表会のネタなら
バッチリ仕上がってるぜ…!(たぶん)」

猿山「おぉ!さすが道雄先生〜!
んじゃ、さっそく放課後に見してな〜

…あ、てか聞いた?
今日からウチの学校に来る”転校生”の話!」

道雄「え?転校生…??」

猿山「なんだ、お前 知らねぇのかよ!

この前、その子が学校に面接で来てた時
偶然 見かけた奴がいたらしいんだけど

超絶カワイイ女の子らしいぜ…!
しかもウチのクラス…!
しゃあ〜!!(ガッツポーズ)」


道雄「へぇ〜そうなんだ。

まぁ、別に興味ねぇわ。
クラスメイトが1人 増えるだけだろ?

むしろ教室の酸素が薄くなって
授業中の睡眠の質が落ちるわ。」

猿山「道雄ぉ…お前は もう少し
お笑い以外にも興味 持つべきだぜ〜?

そんなんだから いつまで経っても童貞のまま…」



『キーンコーンカーンコーン』(チャイムの音)



猿山「あ…やべ、チャイム鳴っちった。
じゃ、また休み時間にでも…!」


そう言って猿山は自分の座席へと戻っていった。


道雄の心の声(転校生ねぇ…

今は自分の不幸な過去を変える事で精一杯。
正直これっぽっちも興味ないな。



…ん?

でも、待てよ?


そういえば、さっき食パンくわえて走る
遅刻しそうな女と
曲がり角で ぶつかったな…

からの口論になって、険悪なムードになって…

からの転校生が来るとの知らせ…


こ、これって”The 少女マンガの第1話的お約束展開”じゃね…!?

この流れ、絶対に転校生”アイツ”じゃん…!

今朝ぶつかった”いっけなーい遅刻遅刻 食パン女”じゃん…!)


道雄は ふと目線を向けた
自分の隣の席も空席だった為

この後の先生の

「じゃあ席は…そうだな、津古の隣の
一番後ろの空いてる席に座ってもらおう。」

からの

「あ、アンタは…!今朝の生意気な男…!

まさか同じ学校で同じクラスだったとか…

しかも席まで隣だなんて ありえないんですけど…!

もぅ、転校初日から本当サイアク…!ムキー!!」

と言われるシナリオまで…
脳内で”ベタ”ワールドを勝手に展開していた。


そしてホームルームが始まる時間になり
教室のドアが勢いよく開く。


『ガラガラガラガラ』(ドアが開く音)


先生「はい、それじゃ みんな席つけ〜
ほら、みんな静かにしろ…!

………

はい、みんなが静かになるまで
3秒も かかりました〜。」


道雄の心の声(いや、3秒なら上出来だろ。それ言いたいだけだろ、この新任教師…)


先生「えぇ〜既に知ってる人もいるかもしれないが、今日から このクラスに転校生の子が来る事になった。

じゃあ、入ってきて。」


先生の合図と共に
廊下で待機していた転校生が
教室の中へと入ってくる。

そして転校生は教卓の前で黒板に背を向け
クラスメイト達に顔を向けた。



先生「では紹介します。

ウガンダからの留学生


”アトューレシャディリ・チェモブウォギ”君です。

みんな、仲良くするように。」


アトューレシャディリ・チェモブウォギ
「ミンナ、ヨロシク。」



道雄の心の声(いやいやいやいやいやいやいやいや、誰ですか…!?!?!?

普通、流れ的に絶対あの女じゃん…!

てか、この流れ的に ここは
あの女じゃなきゃダメじゃん…!?

”アトューレシャディリ・チェモブウォギ”…!?

長っ…!読みづら…!

しかも何か赤坂○丁目ミニマラソンを凄いハンデつけられながら走ってそうな風貌だな…!)



目の前で起きた予想外の出来事に少し戸惑いながら
心の中で一通りのツッコミを入れた後

まぁ、自分が思っていた流れ通りのベタな展開が来なかっただけだよな…と冷静さを取り戻す道雄。



しかし、その直後の出来事だった…

道雄の目の前で
さすがに、こればかりは…
というような

想定外の”ありえない”現象が起きてしまったのは…





『ボッカーーーーン‼︎‼︎‼︎』(爆発音)




閃光のような眩い光
身体中を駆け巡る強い風圧
大地をも揺るがす巨大な振動が
道雄を襲う。


そう、転校生が自己紹介を終えた次の瞬間


なんと、転校生は教室の中で


突如、大爆発したのだ…



…え?

ちょっと何言ってるか意味分からない??

で、ですよね…

でも、事実なので
もう一度 しっかりと
言わせてください…




…そう、次の瞬間

”転校生は大爆発”したのだった…

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(第七章へ つづく…)