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【デッド・オワ・ライブ】(第二章) 『Talking•Dead』

漫画原作案である「デッド・オワ・ライブ」という物語のシナリオ(第二章)を ざっくり作りましたので、随時アップしていきます

もし お時間ございましたら、少しだけでも読んで頂けると嬉しいです…!

※これは小説ではなく「シナリオ」です)

※第一章以降は どんな内容のストーリーなのかだけ分かるような、さらに噛み砕いたシナリオになっております。


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【第二章】「Talking•Dead」


すると女神は おもむろに

脇の下に挟んでいた1枚のチラシ(脇汗で濡れてる)を差し出す。(美人なのに脇汗すご…)


そのチラシにはド派手な色で

「デッド・オワ・ライブ」

という文字が大きく書かれていた。


道雄「で、デッド・オワ・ライブ…? 何だそれ…?」


女神「10年に1度、ここ

死後の世界で開催される笑いの祭典…


天に召された死者達の中で
天国も地獄も関係なく

“誰が1番面白いのか”を競い合う


芸人の芸人による芸人の為の 

漫才グランプリ。


その名も「デッド・オワ・ライブ」…


…これにアンタも出るんや。」


道雄「…はぁ?なんで死んでまで

漫才しなきゃいけねぇんだよ…

正直 今は そんなメンタルじゃ…」


女神「まぁまぁ、そう言わんと…

ここ、読んでみぃ?」


そう言って女神が指差すチラシの

一番下に書かれた小さい文章を見て

目の色を変える道雄。


道雄「ゆ、優勝特典は…“死者の蘇生”…!?」


女神「そう、この大会に優勝した者には“死んだ場面から生き返り、やり直せる権利”が与えられる。


つまり アンタが優勝すれば

“N−1グランプリ準決勝前夜、スマホが手から滑り落ちてショック死した直後”のタイミングから

人生を再スタート出来るっちゅうわけや…!」


道雄「マジかよ…!そんな素晴らしい大会があるなら早く言えっての!


…そんで、そのデッド・オワ・ライブとかいう大会は いつ開催されんだ?」


すると女神は

深刻そうにチラシを見つめつつ

改まった標準語で衝撃の一言を言い放つ。


女神「えぇと、もう数分後は
1組目のコンビが漫才を始めます、はい。」


道雄「は!?  え、大会 今日なの!?

嘘だろ!?」


女神「お前が この奇跡的な凄いタイミングで死んできたんやから

しゃあないやろ。


まぁエントリーは

大会開始前ならギリギリまだ間に合うし、なんとかなるやろ。」


道雄「いや、なんとか ならんやろ!!


ネタだって準備して無いし、そもそも漫才だろ??相方はどうすんだよ、相方は…!」


女神「あぁ、それなら心配いらん。相方はコッチの方で手配しといた。」


すると女神は指パッチンの動作で

すかしっぺの様な音を出し(鳴らせないんかい)


一人の女性(美しさ、そして可愛さを兼ね備えた若く素敵な見た目、18か19歳くらい?)を目の前に召喚した。


女性はシャイな性格なのか、道雄と目を合わせると

すぐに顔を赤らめ 下を向いてしまう。


しかし それは道雄も同じだった。


道雄は突如 目の前に現れた

可愛くて、正直どストライクな女性を目の前に

照れを抑えられず

目を背けるしか無い様子だった。


女神「どや?えらい べっぴんさんやろ?

コイツも大会に出場したい らしいんやけど

相方が見つからんくて困ってた みたいなんや


時間も迫っとるし、今から探す時間もない。もう相方はコイツで ええやろ?」


女性「わ、私からも お願いします…!!」


道雄「ま、まぁ…そういうことなら…」


そうして道雄は

その女性と即席のコンビを組むことになった。


女神「んじゃ、ワイはアンタらが

大会に出れるようエントリーしに

本部へ行って来るわ。


出番までは まだ少しあるから

ネタ合わせでもしときぃ。


…あ、そや

アンタらのコンビ名やけど

何か希望あるか?」


道雄「コンビ名か…ん〜…」


女神「まぁ どうせ今日限りの即席コンビやし、特に希望も なければワイが適当に考えて提出しとくけど

それでええか?」


道雄「そうだな、時間も無いし

それで頼む…!

無難なヤツにしてくれよ!コンビ名でハードル上げたくないし、あんまり変な名前にすんなよ!」


女神「分かった 分かった、まかしとき!(キリッとした表情でグーサイン)


…んじゃ あんま時間は ないけど

準備ができたら

この先まっすぐ行った所。
天国と地獄の境界線上に位置する

“天界グランドシアター”っちゅう公民館みたいな建物に来てな!」



そうして女神は先に会場へ…


残された2人は さっそく作戦会議を始める。


道雄「ちなみに

ネタは どういうのがいいとか

ある…?」


女性「すみません…実は あまり お笑いのこと詳しくなくて…(汗)」


道雄「そっか そっか!オッケー!

じゃあネタは俺が書くとして…


キミ、記憶力は良い方?

長文のセリフとか覚えられる…?」


女性「ごめんなさい…

私、その場で考えて答えを出すのは得意な方なのですが…


暗記が壊滅的に弱くて

学生時代、学校のテストも

いつも低い点数で…」


道雄「そ、そっか…!

じゃ、じゃあ

セリフは短めに…


ん〜…」


頭を悩ます道雄。


そうこうしているうちに

気づけば大会スタートまで残り時間あと10分…


ぼちぼち会場へも向かい始めなくては ならない。


…すると道雄は突然

握っていたペンを置き

ネタを書いていた紙きれを

クシャクシャに丸め

後ろに放り投げて言った。


道雄「よし、時間も ないし

ネタ作りは諦めて

もう会場へ向かおう。」


そして道雄は ゆっくりと立ち上がり

会場へと歩き出す。


その背中を追う女性は心配そうな表情で道雄に尋ねる。


女性「あ、あの…

ネタ、無くて大丈夫なんですか?!

私、いったい何をしたら…」


すると道雄は振り向いて

落ち着いた表情でニコッと優しい笑顔を浮かべながら、女性に こう言った。


道雄「今から舞台の上へ

俺と“お喋り”しに行こう…!」


女性「お、お喋り…?」


道雄「あぁ!俺が舞台の上でキミに話しかけるから

キミは直感で 適当ぉ〜に

頭の中で思ったことを返してくれれば それでオッケー!


…あ、大丈夫 大丈夫!

心配しなくても

なるように なるって…!」


そうして2人は

ネタも何も準備していない

前代未聞の状態で


“命をかけた漫才コンテスト”

「デッド・オワ・ライブ」へと

飛び入り参加することと なったのであった…


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(第三章へ つづく…)