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【デッド•オワ•ライブ】(第七章)『TAKE 2』

漫画原作案である「デッド・オワ・ライブ」という物語のシナリオ(第七章)を ざっくり作りましたので、随時アップしていきます

もし お時間ございましたら、少しだけでも読んで頂けると嬉しいです…!

※これは小説ではなく「シナリオ」です)

※第一章以降は どんな内容のストーリーなのかだけ分かるような、さらに噛み砕いたシナリオになっております。

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【第七章】「TAKE 2」


目の前で突如起きた謎の大爆発。

辺りは一面、真っ白な煙に包まれる。


道雄の心の声(な、なんだ…!?

ば、爆発…!?

こんな出来事、さすがに
俺の過去には無かったはずだぞ…?!

てか、過去とかどうとか
そういう問題以前に

”爆発”ってどゆこと…!?
ありえなくね??

一体何が起きて…

ク、クソ…!煙で何も見えない…!)



少しずつ薄くなっていく煙が
霧のように晴れていき
徐々に視界が元に戻っていくと

教卓には 先ほどまで自己紹介していたはずの転校生
“アトューレシャディリ・チェモブウォギ“君の姿は無く、担任の先生も見当たらない。

それどころか教室の雰囲気は まるで
先ほどのホームルーム前かのように騒がしく

自分の席に戻っていったはずの猿山が
再び目の前に立っていた。


猿山「道雄ぉ…お前は もう少し
お笑い以外にも興味 持つべきだぜ〜?

そんなんだから いつまで経っても童貞のまま…」


『キーンコーンカーンコーン』(チャイムの音)


猿山「あ…やべ、チャイム鳴っちった。
じゃ、また休み時間にでも…!」

道雄「ま、待って…!い、今の爆発は いったい…」

猿山「は…?爆発?何言ってんの?
それどういうボケ?(笑)」

道雄「いやいや!今 教室中が煙に包まれて
転校生のマラソン選手みたいな奴が…!」

猿山「どうした?道雄、急に変なこと言い出して…

…あ、新しい漫才のネタの話か!
オッケー、オッケー!
それは放課後に聞かせてもらうからな〜!」


そうして猿山は足早に自分の座席へと戻っていった。

道雄の心の声(あ、あれ…?今の爆発は何だったんだ…?そして転校生のくだりは…?

猿山をはじめとして、クラスメイトも誰一人
今 起こった謎の爆発を覚えている奴はいなそうだし…俺だけが見た幻覚だったのか…?

しかも猿山の今のセリフ…
つい数分前に全く同じ物を聞いたような…

いったい何がどうなって…)

すると またホームルームが始まる時間になり
再び教室のドアが勢いよく開く。


『ガラガラガラガラ』(ドアが開く音)


先生「はい、それじゃ みんな席つけ〜
ほら、みんな静かにしろ…!

………

はい、みんなが静かになるまで
3秒も かかりました〜。」


道雄の心の声(やっぱり先生のセリフも
一言一句 同じ…

もしかして さっきの爆発から数分だけ時間が巻き戻っているのか…?)


先生「えぇ〜既に知ってる人もいるかもしれないが、今日から このクラスに転校生の子が来る事になった。

じゃあ、入ってきて。」



道雄の心の声(さっきと全く同じ展開…

これで またウガンダからの留学生
アトューレシャディリ・チェモブウォギ君が入ってくるんだよな…)

先生の合図と共に
廊下で待機していた転校生が
教室の中へと入ってくる。

しかし次の瞬間、道雄の目の前に広がった光景は
つい先ほど見た物とは全く異なった展開だった。


先生「では紹介します。

転校生の五十嵐 梨緒”(いがらし りお)さんです。

みんな、仲良くするように。」


五十嵐 梨緒が教卓の前で黒板に背を向け
クラスメイト達に顔を向けると
教室中が ざわつき始めた。


クラスメイトA(小声)「ちょ、めっちゃ可愛いじゃん!何あのモデルみたいな子…!」

クラスメイトB(小声)「綺麗な子〜!目もおっきい!彼氏とかいるのかな〜?」

クラスメイトC(小声)「こんな可愛い子がウチのクラスとかマジ生きてて良かった〜!」


突如 現れた絶世の美女に
動揺を隠せないクラスメイト達。

しかし それ以上に
違った意味での動揺を隠せない道雄。


道雄の心の声(あれ!?
アトューレシャディリ・チェモブウォギ君は…!?

いや、確かに

“朝 曲がり角でぶつかって一悶着あった
いっけなーい遅刻遅刻 食パン美少女が
実はウチの転校生だった!“

っていう流れは完璧よ?

予想通り というか、むしろ物語の展開的に
そうあるべきよ?

でも さっきのアトューレシャディリ・チェモブウォギ君のくだりと爆発はマジで何だったんだ…!?



…そして 今、五十嵐梨緒の姿を改めて目の当たりにして思い出したけど

確かに、2019年5月20日(月)
この日 ウチの学校にやって来た転校生は

五十嵐梨緒だった。
それは間違いない…

うぅ…いったい何が起きてるのか
誰か解説してくれぇ…)


五十嵐梨緒が薄汚い黒板を背に
美しい声と美貌を存分に見せつけながら自己紹介を終えると

先生がクラス中をキョロキョロと見渡しながら言った。


先生「じゃあ席は…そうだな、津古の隣の
一番後ろの空いてる席に座ってもらおう。」


そして五十嵐梨緒は
クラスメイト中の視線を釘付けにしながら
可憐な歩幅で ゆっくりと机へと向かい
席に腰掛け、ニッコリと笑顔で
道雄に視線を向けた。


五十嵐梨緒「隣、よろしくn…


……て、あ、アンタは…!今朝の生意気な男…!

まさか同じ学校で同じクラスだったとか…

しかも席まで隣だなんて ありえないんですけど…!」


道雄「いやいや、それはこっちの台詞だわ…!
この恩知らずが!」

五十嵐梨緒「だから それ何の事??
さっきから いい加減にしてよ…!」

教室の後方で いきなり謎の口論を始めた二人に教室中がざわつく。

先生「あれ?お前ら知り合いだったの?
初日から仲良さそうで何より…!

でも、もう授業はじまるから
ちょっと静かにしてな…?」

五十嵐梨緒「ち、違います…!誰がこんな奴なんかと…!

もぅ、転校初日から本当サイアク…!ムキー!!」


道雄の心の声(怒る時、実際に”ムキー!!”って言う奴 この世に実在するんだな…)


それから五十嵐梨緒は隣の席の道雄を一切 眼中に入れず、まるで空気のように扱い始めた。


道雄の心の声(まったく…走馬灯 初日から 大忙しだな…まだ朝なのに もうドッと疲れてしまった…)


ホームルームも終わり、移動教室の為
席を立ち上がる道雄。

その拍子に お尻のポケットに入れていた”歪み感知モニター”が落ちてしまう。

モニターを拾い上げた道雄は
その画面に表記されていた数値に衝撃を受けた。


道雄の心の声(ひゃ、”101”…!?

なんで!? いつの間に増えたんだ…!?

朝、家を出る前は”1”しか なかったはずなのに…!

今のところ、過去と違う点といえば
みんなは覚えてないみたいだけど

”アトューレシャディリ・チェモブウォギ君のくだり”と”謎の爆発”

それ以外は実際に過去に起きた事で間違いはない…

てか、1000超えるとゲームオーバーなら、もう1/10じゃねぇか…!)


いよいよ何が何だか分からなくなりパニック状態の道雄は
一刻も早く自宅に帰り、いち早く女神の声を聞きたくなった。

しかし、早退なんてしてしまえば
またモニターの数値を上げてしまう事になりかねない…

道雄は不安な気持ちを抑え込みながら
女神に言われた通り、なんとか”直感で自分が思ったように動く”ことを続けた…


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(第八章へ つづく…)