結婚10周年に思うこと

24で結婚して、大阪から三重に嫁ぎ、あっという間に10年の月日が流れた。

当時の私は10年後の私なんて想像もできなくて、
きっと楽しい未来が待ってるだろうと、
お庭がある大きなお家を建てて、
もしかしたらお店も工場も建て替えていて、
悠々自適で忙しい毎日を送っているだろうと、
そんな夢みたいなことをぼんやり考えていた。

お家を建てるのは私の小学生の時からの夢で、
実家が庭のない建て売りだったからなのか？
庭付きの一戸建てのお家になぜだかすごく憧れていて、
大人になったら早く家を建てたい、
だから早く結婚したい、
庭で子どもを遊ばせながら本を読みたい、
家が建ったらあれをしてこれをして…
もうそれは強迫観念のように家が欲しかった。

だから結婚してすぐに家を建てる為の貯金を始めた。

ところがなんだかおかしい。

給料日に給料が入らない。

自営業の家庭で育ったので、
商売してる家庭なんてそんなもんだとは分かっていた。
でも、どう考えてももう何ヶ月も給料らしき給料を手にしていない。

家の為に貯めていたお金はとうの昔に使い切り、
独身時代に貯めていたお金は全て資金繰りに回した。
子どもの教育費として貯めていたお金ももちろんなくなった。

家を建てるなんて夢のまた夢の話。

家賃が払えないのは日常茶飯事、
水道光熱費もヤバイ、
ていうか米買えないんですけど？
オムツ買ったら今日の食費なくなるんですけど？

この頃どうやって生活していたかもう記憶にもないけれど、
夢だった憧れの新婚生活はどこへやら。

とにかく必死で毎日を生きていた。

それが私の新婚生活。

それでも離婚は考えなかった。

この人はいつかきっと大物になると。
この人の作るお菓子は本当に美味しいから、
いつかきっと上向きになる日が来ると。
最悪お店を閉めて、2人で一からやり直せばいいやと。
生きてさえいればなんとかなるだろうと。

そうやって自分に言い聞かせて、
きっと楽になる日が来ると信じて。

毎日遅くまで働いて帰ってこない主人を待ちながら、
私もなんとかして自力で食費くらい稼いでみよう、
そう思ったのがブログを始めたキッカケ。

そこから手探りであれやこれややり出して、
それからもう5年も経ってしまった。

今でこそ思うけど、
あの時あんなに苦労していなかったら、
きっと今こうしてSNSを使って活動していることもなかっただろうし、
全国に友達もいなかったのは間違いない。

辛かったけど、
ほんとに記憶から消えてしまってるぐらい辛いことも何度かあったけど、
それでも人生はなるようになるのだなと、
物事全てはいつも最善のタイミングで起こっているのだなと、
つくづく思い知らされる。

この10年で離婚を考えたのは1度だけ。

それはまたの機会に書くとして、
私それなりによく頑張ってきた気がする（笑）

もちろん一番頑張っているのは彼なのだけど、
きっと他の人が奥さんだったら、
もう愛想尽かして出て行ってるはず（笑）

たぶん私じゃないとダメだったし、
私もきっと彼じゃないとダメだった。

この先さらに大変なことが待ってるかもしれないけど、
一緒にもう何度もどん底を見てきたから、
これ以上悪くなることはないやろし、
怖いことなんか何もない。

今の私には10年後の自分が想像できないけど、
10年後の私が今の私を見たら、
きっとよく頑張ってるなと、
あの時があって良かったなと、
昨日のことのように振り返っているのだろう。

だから私は明日に向かって、
今日も頑張って生きていく。