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明日はあるんだと 誰もが今夜祈るわけは【群青日和 #10】

【試合結果】
4/9(火) 中日ドラゴンズ
●1-3
[勝]小笠原
[敗]ジャクソン
[S]マルティネス


◇ ◇ ◇

雨は止んだものの、強い風はそのまま夜になってもスタジアムを吹き抜けている。
センターから投手方向へのアングルで固定されている中継カメラが時折揺れるのを見るに、風の強さがよく分かる。

先発のジャクソンは投球の間、何度も拳に息を吹き込む。
寒さで指先の感覚が定まらないんだろう。
実際に、変化球のコマンドが安定せずどうにかこうにか、という具合で5回まで投げ切った。それでも3失点にとどめて試合の形を作ってくれただけありがたい。

一方相手先発の小笠原を見ると、元気に半袖で投げている。
同じスタジアムで投げているとは思えない。気合い十分。
何度も対戦している相手だが、今日の小笠原は特に丁寧に投げていた。
粘られると痺れを切らしてええいままよ!と投げるシーンがちょくちょくあったのが、今日はそれが一球も無い。
7〜8割でいい、と割り切って投げ、長打を浴びても「まあ1点くらいは」と落ち着いているように見える。
実際、失点したのは序盤の1点のみだったし。

今のドラゴンズ打線は1番・三好、2番・田中がうまくハマっている。
二人とも出塁意識が高く、それぞれ左打ち・右打ちなので相手投手に対して全く違ったアプローチが出来る。
先頭打者が左打ちだと内野安打も狙いやすいので、この並びは尚良い。
この二人がシーズン通して8割以上動けたら、かなり変わるだろうなあ。
フルシーズンを経験したことの無い若手は、目の前の一試合にがむしゃらになりつつもあと100試合以上ある事も頭に入れておかないといけない、この難しい二つをどれだけ両立するかに掛かっている。

いやあ難しい。

◇ ◇ ◇

中継ぎ投手陣を
「勝ちパターン」「負けパターン」
と大別して呼ぶのはよく聞くけども、横浜のブルペンを支える彼らを見ていると
「Aチーム」「Bチーム」
と呼びたくなる。
いや変わらんやないかい、と言われそうだが私の中ではそうなのだ。

直近でベンチ入りしていたメンバーから見ると

【Aチーム】
伊勢大夢/3登板3回
ウェンデルケン/4登板4回
森原康平/3登板3回
山﨑康晃/3登板3回

【Bチーム】
上茶谷大河/3登板4回
徳山壮磨/4登板6回
松本凌人/4登板4.2回
石川達也/4登板4.2回
ウィック/2登板1.1回

多分こんな感じ。
そして4/9終了時点での直近登板数・イニング数を名前の横に記してみた。
チーム戦績は10試合終了し6勝4敗。
しっかり勝ち越せていながら、投手運用がめちゃめちゃ良いことに気付いた。
先発陣営がどんなに仕上がりが良くなくとも、最低5回まではどうにか踏ん張ってくれることの意味がここで出てくる。
ビハインド展開なら6〜9回の4イニングを5人で回す計算にすることで、リリーフの管理が苦しくなりにくいのだ。
勝っている展開なら先発は最低7回までと見て、残り3イニングをAチーム4名で回すことになる。
どちらの場合でも、1人必ずチーム内で温存できる。
これはシーズン中盤以降、かなり効いてくるはず。

今日のような
「派手に負けてる訳ではないけど、そこまで投手を注ぎ込みたくない」
こういう機会はBチームの面々に後を任せることになるが、2番手に投げた徳山にイニングを跨いで投げてもらうことで
「基本1イニングだけど、台所事情によっては跨ぎもオーケー」
という結果が得られた。
4/3の京セラ阪神戦では一死からのイニング途中に登板しその後の回含めて無失点に抑えているので、これで回跨ぎ登板は2試合になった。
実戦を通して、とても順調に経験を積めている。

現在一軍中継ぎ投手で左投げは石川達也のみ。
だが、右左にこだわって無理にバランスを取らずシンプルにいい球を投げられるコンディションの良い投手を起用していることが、チームをどっしり支えられている要因のひとつなんじゃないか、なんて思っている。

中継ぎ左腕がブルペンに一人しか居ないことを不安ではなく、私はむしろ頼もしくすら感じる。

3桁から始まった背番号は2回変わり、憧れた左腕の跡を継いで「46」に。
これからもっともっと頼もしくなるんだろうなあ

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