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Venus ウェヌス


日没後の日が暮れて暗くなった夕方。
西の空に一番先に明るく輝く星があります。

【宵の明星】

宵の明星とは、そう、金星の俗称ですね。
金星=ヴィーナス=女神

ラテン語ではvenusはウェヌスと言います。

『その星の元に生まれる』と表現がありますが
なるべくして彼女は美の女神の異名を持ち、一番星、星の世界の「スター」として生まれたのだなと初めて聞いた時に思いました。


実はこの絵は #日本NFT美術館 で一位になった【Meteor】の対となる作品として生まれました。

MeteorとVenus


私は晴れた日の帰り道、
一番星を探すのが昔から好きでした。

「お帰り、今日はどうだった?」
「元気ないの?元気出して」
「今からにぎやかになるから待ってて」

と言われているようでした。

一番星が現れるとあれよあれよと次々と星で埋まっていく様子は舞台が公演されていく様子に似ていて、私はその星空劇団の舞台の幕開けが楽しみでした。

嫌なことがあった日も、楽しい帰り道も、バス待ちの心細いときも

「今日はどうだった?今日も天体ショーを楽しんでいってね」
私にいつも光で話しかけてくれているようでした。


人は亡くなるとお星様になると小さい子にお話する方がいるように、

星は星の命の光です。

私たちが地球上でさまざまな立場で命の光を燃やし続けているように、彼らもまた地球を離れた広大な宇宙空間で太陽の力を借りたり、自ら輝いたり、方法はそれぞれ違っても、寿命があり、限りがある存在です。(この事を教えてくれたある星については、また描こうと思っていますので楽しみにしていてください。)

私たちが今認識している星も、私たちの目に光が届いている頃にはもはや存在していない星なのかもしれません。そういう星はきっとたくさんあるでしょう。

一際輝く一番星に限らず、彼女を支える星のみんながその日その日の輝きで星空の舞台を公演してくれていると思うと、なんて一回一回の公演が貴重なのだろうと改めて思うのです。


Venus 圧縮
人々の頭上で輝きつづけた存在
私たちに美と時の移ろいを魅せてくれる一粒の光
自身の生まれた星のもと 主役のさだめを演じ切る ひと際輝く 
まばゆい光


この絵は今にも舞台に出てくる一番星が描かれています。
彼女の登場までは他の役者は舞台袖、暗幕の裏で待機してます。

そして彼女が現れると舞台は星空でいっぱいになるのです。



今にも消えゆく儚い【Meteor~流星~】とは反対で

決まった時間に現れ華々しい【Venus~宵の明星~】




でも、いずれ彼女がいなくなるときもくるのでしょう。

私たちはその時にはいないとは思いますが、


私が生きていた時にひときわ輝いていた星空のスターを私は残したかったのです。


Maho




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