リズム
排除すべきものを取り込んだ夜、到底眠れる気などしなかった。
街の人々にたいそう不人気の銅像に話しかけられた。
「兄ちゃん、なんでワシ、両手に酢ダコ持ってんねん?」
それが不人気の理由だと、この銅像も薄々気付き始めたのかもしれない。
誤嚥し続け、肺胞の奥まで染み込んだ三杯酢が沸騰し、その影響で踊り回る人々。銅像のことが憎くてたまらないのだ。
顎だけが京都に行ってしまったことも許すわけにはいかない。何しろジェイアール鉄道を利用したらしいのだ。そのような顎とはもう絶縁しようと思う。
それでもまだ明日という日を信用できないのなら、まだ誰も使ったことがない新品未使用のアルコールランプの青い火で、あの銅像が穿いている黄色いスカートを燃やせばいいんだ!
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