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初めてキングオブコントを採点した日。

タイトルの意味は、もちろん審査員をやったという意味ではありません。『キングオブコント』を初めて採点しながら見た、ということです。採点しながら見たのは、M-1やR-1など他の賞レースを含めても初めてです。

自分でもなぜ急に採点をしようと思ったのか、最初はわかりませんでした。でもふと気づいたのです。「あの5組が出ていないからだ」と。

その5組とは、アキナ・学天即・令和喜多みな実・和牛・GAGです。

今からちょうど10年前、2011年に始まった関西ローカルの深夜番組。その番組の総合演出が僕で、出演者が上記の5組でした。僕が初めて立ち上げた番組で、番組は1年半で終わってしまいましたが、僕にとって5組は特別な存在になりました(5組がどう思っているかはわかりませんが…笑)。

番組が終わったあと5組以外の芸人さんとももちろん仕事をしていて、信頼関係を築けた人たち、大好きになった人たちもたくさんいます。でも5組はちょっと別枠なのです。

出会った時はまだまだ若手だった5組ですが、番組終了後から次第に全国ネットの賞レースの準決勝や決勝に進出するようになります。僕は応援することしかできませんでしたが、彼らが優勝を目指す限り、僕もそれを望んでいました。

THE MANZAI、M-1、キングオブコント…彼らがそのファイナリストになるたび、そのウケが気になってしまい、番組を観ていても笑って楽しんでいるというよりドキドキが勝っていました。

気づけば5組と知り合って10年が経ちました。今はもう5組はそれぞれの道を歩いています。僕はそれぞれが進む道を応援し、何かのタイミングが合ったときに、その場所で一緒に仕事をできればいいな、と思っているだけです。「5組とも賞レースのチャンピオンになってほしい」なんてことは少しも思っていません。

でも賞レースで優勝を目指すコンビ・トリオがいる限り、僕はそれを応援します。ただ、今年のキングオブコントのファイナリストの中に5組はいませんでした。これは2011年以降、あまりないことでした。

とはいえ、5組が出ようが出まいがキングオブコントはめちゃくちゃ楽しみな番組です。今年は無意識のうちにいつものような緊張が解けていて「採点しながら見ようかな」となったのだと思います。採点しながら見るキングオブコントは、審査員の皆さんが出す点数と比較したり、自分なりの2ndステージ進出者を決めたり、それはそれで楽しいものでした。そしてやっぱりめちゃくちゃ面白かったです。

キングオブコントは来年もきっと行われるでしょう。もし来年5組の中の誰かがキングオブコントに挑んで優勝を目指すなら、採点なんてできる余裕がないくらいハラハラしながら、テレビの前で応援できたらいいなと思います。そして、僕の採点なんて関係なく高得点をたたき出してくれたら、なお最高だなと思っています。