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41歳にしてB'zの曲を弾いてみたくてギターを始めました。

生まれて初めて、エレキギターを買いました。

昔からエレキギターの音が好きでした。10代の頃に知ったB'z、WANDSから始まり、今でもBUMP OF CHICKENや[Alexandros]、夜の本気ダンスなどバンドサウンドを好んで聴きます。

でもエレキギターを弾きたいと思ったことはありませんでした。高校生の頃に叔父から借りてアコースティックギターに手を出したことはあったのですが、よくある「Fのコードが弾けずに挫折」し、そこからエアギター専門で20年以上が経ちました。エアギターだとソロもリフもお手の物で、そのままでも十分楽しい音楽ライフでした。

転機となったのは、今年発売された松本さんのギタリスト生活40周年を記念したギターブックです。

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松本さんが所有する200本以上のギターが掲載されていて、専門用語もろくにわからないのにそれを読みふけりました。するとライブ映像を観ても、今まで「かっこいいなー」「この曲のギターは赤いなー。見たことないなー」くらいにしか思っていなかったギターそのものに目がいくようになりました。

8月末には、去年B'zが行った配信ライブがBlu-rayで発売されたこともあり、ギターブックを片手にライブ映像を観るようになりました(ギター持ってないのに)。「ここのつまみ(専門用語がわかってない)の数が違うからこっちか…」と、松本さんが弾くギターを特定するのが面白くなっていったのです(ギター持ってないのに)。

松本さんのギターブックには特典として歴代のピックがついていました。部屋には、過去のライブで販売されたピックセットも飾ってあります。

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それを眺めていて、ふと思ったのです。

「30年近くB'zのファンをやってて、1曲も弾けないってのはどうなんやろう」

そう思った次の瞬間には「ギター、やってみようかな…」と思っていました。とはいえ、この手の思い付きにすぐ飛びつくのは危険です。1週間ほど、”ギター熱”を静観したのですが、どうやら落ち着く気配がありません。僕はギターを買う決心をしました。

しかしギターに関して何の知識もない僕は、どんな風にギターを選べばいいか全くわかりません。誰かに相談しようにも、大学生くらいまではギターをやっている友だちもいましたが、今でも現役の人はいません。そんな中ひとりだけ思い浮かんだのは、令和喜多みな実の野村くんでした。野村くんはバリバリの漫才師ですが、かつてバンド活動をしていて、今でも音楽系のイベントではギターやベースを弾くのを知っていたので、相談してみることにしました。

「ギターやりたいねんけど、やっぱり大きな楽器店で選んだ方がいいんかな?」とLINEを送ると「色や好みを教えてもらえたら、専用の検索サイトでピックアップして送りますよ!」とめちゃくちゃ頼もしい答えが返ってきました。そして続けて「やっぱりレスポールですか?笑」と。僕がB'z好きなのを知ってくれているし、松本さんがメインで使うギターを理解してくれていました。頼もしすぎます。漫才師に何を相談してんだと一瞬思いましたが、もうミュージシャンのつもりで頼り続けることにしました。

早速僕がいくつか条件を伝えると、すぐに3つほど候補(それぞれ丁寧な解説つき)を送ってくれました。その中にあったのが、レスポールのゴールドトップでした。一目みて「これがいい!」と思ったし、野村くんの「モチベーションを保つためにも、ルックスは大事です!」というアドバイスもあって即決でした。

扱っている楽器店が東京だったのですぐに電話して、取り置きしてもらいました。とはいえ、もう少し自分で探してみようかな…とネットで検索していたところ、取り置きしてもらったギターとほぼ同じ価格で、松本さんのシグネチャーモデルが出ているサイトがあるではありませんか。破格の値段でした。僕は興奮し、改めて野村くんに「こんなん見つけてんけど、どう思う?」と送りました。すると返ってきたのが…

「山内さん、これ詐欺サイトの可能性高いです…」

肌寒い日でしたが、一瞬で汗が吹き出しました。野村くんからの返答の続きには、他のサイトと比べて価格が安すぎることや、店舗の住所が恐らくデタラメであることなど、いくつもその根拠を書いてくれていました。汗ばむ指を動かして、自分でも調べてみました。

きっちり詐欺サイトでした。

松本さんモデルという一点に浮かれて、完全に騙されるところでした。中学時代に見知らぬおばさんに1000円だまし取られ、大学時代にB'zのチケット代として1万5000円のネット詐欺にあったのに、それから20年近く経ってまた騙されかけたのです。情けないったらありません。

いつも後輩たちに「VTRのこの編集が違う」だの「この構成だとようわからん」だの偉そうにしていることすら申し訳なくなってきます。もし野村くんに指摘されなかったら、しっかりネット詐欺に遭っていたかもしれません。

そうなったら後輩たちも「ネット詐欺に遭ってるくせに、なにをVTRのダメ出ししてんだ」とか「ネット詐欺に遭ってるくせに、ロケの段取りをどうこう言うなよ」とか「ネット詐欺引っかかりディレクター」の烙印が押されてしまったでしょう。タレントさんにドッキリを仕掛けようもんなら「お前は仕掛けられる側だろ」と陰口をたたかれても仕方ありませんでした。

そんな状況を救ってくれた野村くんには感謝しかありません。改めてありがとう。

そんなこんなで僕はレスポールのゴールドトップを手に入れました。Gibsonの廉価版であるEpiphone製で中古ですが、松本さんがステージで弾いていたギターに近いルックスはたまりません。

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始めるからには、いつかB'zの曲を弾けるようになりたいです。近所のギター教室の体験レッスンも申し込みました。毎日、YouTubeの初心者用動画を観ながらペケペケ弾いています。

ギターを買ったことを知った弟は「41歳からエレキギター始めるなんて聞いたことない」と笑っていましたが、だからこそ面白いと思っています。とりあえずピックはグラミー賞レベル(松本さんモデル)なので、松本さんの名に恥じないよう精進するつもりです。

そしていつか、詐欺から救ってくれたギターの師匠・野村くんとセッションできたら最高だなと思っています。

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