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#002 天龍@亀戸

名残メシ 002

もうすぐ閉店する店へ行き、名残を惜しみながら食事をしてみるという連載!

#002  天龍@亀戸

閉店間際のお店へ行って、その名残を惜しむという連載。
第2回は2020年3月31日に最後の営業となる亀戸の「天龍」へうかがった。

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昨日、店を閉めると女将さんより電話があった。町中華の閉店は珍しくない。一番多いのは店主の高齢化や後継者がいないというもの。しかし、こちらのお店、2代目の若夫婦がやっているので、それはないだろう。だとしたら、区画整理や再開発でお店がなくなってしまうというケース。どうやら、それでもないそうだ。
聞けば、親との確執でお店をやめるのだそうだ。
これまで、そんなことでお店を閉めるなんて、聞いたことがないので、ビックリ。
しかし、家族内のことなので、詳しく質問することはなしなかった。
世の中、いろいろあるんだね。

3月31日まで営業するそうだが、最終日が近づくにつれて入るのが困難になりそうなので、本日、3月28日にうかがった。とりあえず、女将さんに電話して、お昼過ぎあたりにうかがうと言ったら、12時をまわらないほうがよいとのことで、すぐに家を出た。

徒歩にて亀戸。ちょっと懐かしい道のりだ。言問通りからスカイツリーまで歩き、そこから十間川沿いに歩いて、亀戸まで。以前、亀戸の町中華に通っていた時期があって、夏は炎天下を避けて都バスで行ったが、それ以外はたいてい歩いて行った。

11時過ぎに到着。すでにお店は満員だ。女将さん「すでにこの時間でこんな感じなので」とおっしゃる。当然のようにタンメンを注文。麺少な目でお願いした。お客さんがひっきりなしにやってくる。近所の常連さんたちの間ではすでに閉店が知られているからだろうか。

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そんなことを思っていると、ほどなく着丼。まさに、洗面器タンメン。器がデカい。一口スープをいただく。やさしいスープだ。野菜たっぷりで、麺に到達するまでかなり時間がかかる。

最初にこれを食べたのはもうかなり前になる。で、『散歩の達人』の取材をお願いするために店にうかがって、このタンメンを食べたが、おいしいので、ギリギリ食べられたが、もう次に食べるときは無理だと思った。
というわけで、今回は麺少な目。それでも、もう腹がパンパン。825円は安いね。

お会計のとき、お忙しいのにご主人が厨房から出てきて、挨拶をしてくださった。恐縮だ。

「タンメン、相変わらずおいしかったっす。しかし、これがもう食べられなくなると、とても残念ですね」
そう言い、お店をあとにした。


【プロフィール】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
ツイッター https://twitter.com/maguro_shimo
【著書】

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