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海風
波間をじっと見ていた
何も出てこなくなった頭
人気もないだだっ広い駐車場
動画を見るでもなくかけて
聴きながら
少し可笑しくなったり
海を見てたり
少しの間
それが何になるかも
分からない
喜びでも悲しみでもない
何となく過ごしただけの
思い出という
アルバムにも残らない
薄い時間
だけど本当は
切実に求めている
どこかに
昨日と今日を繋げない
寝る前に
明日はこうしようと
組み立てるように想像して
目覚めると
別のことをしている
出かけようと思っていたけど
家にいる
何度もやっぱり行こうかなと
込み上げて来るけど
何かに引き留められるように
いや ただの気のせい
子どもがいつもより早く
家に帰ってきて
出かけてなくてよかった
なんて納得したりして
いないとダメってこともないんだけど
風の知らせ
言葉が出ない
もう探すのをやめて
目を閉じたら
何が見える
終わった先の
時代の向こうで
朝を待とうか
空想
灰色のもやが
ずーっと広がっている
目を開けて
ここじゃない世界に飛んで
自分のいなくなった場所で息をする
そこだと勝手に体が動いて
好きなとこだけ見ていられる
自分がいないのに
幸せな安全な場所