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ダイハード1は一次元 ダイハード2は二次元 ダイハード3は?

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 それにしても今や古い映画です。タイトルにもあるようにダイハード1は一次元の話、2は二次元の話って、どんな評論にも言及がなかったようなので書いておこうかと。たいして評論を探したわけではないけれど。

 一次元というのは直線しかない世界、二次元というのは平面しかない世界のことです。ダイハード1は高層ビルの話で、高いか低いかという一次元の世界でした。一方でダイハード2は広い二次元平面の空港の話です。それぞれ主人公のジョン・マクレーンが昇ったり降りたり、縦横無尽に走り回ったりしています。

 その主人公のジョンにはそれぞれの世界で足枷というか不利な点を際立たせています。つまり高低に対しては高所恐怖症、広い平面に対してはタバコの吸いすぎで走るのがつらいというものです。特にダイハード2ではしつこいくらいにタバコを吸うシーンが繰り返され、走りながらタバコをやめるんだったと後悔しているセリフもありました。

 しかしそれらの足枷もラストの対決となるところで、微妙に生かされます。
 1は回りくどいですが、最初に飛行機の中でCAさんに、高所が怖い時には裸足になって地面を足で掴む動作をすればいいというアドバイスがありました。高層ビル内でそれを思い出して裸足になり、そのため足を怪我をしてしまい、その時の応急処置に使ったクラフトテープが最後に生きてきます。
 2ではタバコを吸うためのライターが最後のジェット燃料への点火には必須でした。Fuckin’ Landing Light!
(ジェット燃料って灯油だけど、あんな簡単に燃えるものなのかなー?)

 また1のラストでは、相手から背中の銃が見えないというところも一次元の世界ならではです。直線の世界では前を遮られると後ろが見えません。

 じゃあダイハード3は三次元だろうと当時のボクは予想し、おそらく海中か宇宙が舞台になると踏んでいました。噂では海の話と聞き、やっぱりと思っていましたが、公開時期が近かったスティーブン・セガールの「沈黙の戦艦」とかぶるのを避け、海はやめてニューヨークが舞台となったようです。

 3では謎解きという別の”次元”が加わりました。その足枷、不利となる点として、次々と犯人から出される謎に対して、ジョンは二日酔いで頭が回らなくて苦戦するという設定としています。そしてその足枷となった二日酔いが、悪者を追い詰めるラストへの鍵になっているところあたりも、シリーズの構造を踏襲しています。

 4は観たはずなんだけど、すっかり忘れました。ダイハード的要素を感じられなかった記憶だけがあって。4作目はグダグダになるという宇宙の絶対法則がありますからね。

 あと蛇足ですが、1でジョンがビルの上から、異常を見つけられなくて去ろうとする警察のパトロールに向かって、おそらく「お前はスティービーワンダーか!」みたいなことを言っているはずのシーンの字幕が「どこを見ていた?見えないのか?」というセリフになっていました。何に気を遣っているのだ。ダイハードシリーズの面白さはジョンのセリフにあると思うのですが。
 ちなみにスティービーワンダーは盲目のシンガーです、って説明しないといけないほど今やこれも古い話になってしまったのかな? それではまた。

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