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ひとりぼっちのヒヨドリ その28


  前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その27


 

 シジュウカラを救出 !



庭掃きをしていたら
流し台の横の雨樋の中から
”カサカサ カサカサ ”と
しきりに音がしているのに気が付いた。


  アッ、シジュウカラが落っこちたんだ!


咄嗟にそう思った。

その前日に、その雨樋の上のあたりで
スズメがシジュウカラを追い払っている様子を
目撃したから。

スズメはちょうどそこに巣を造って
子育てを始めたばかりだったのだ。


きっとシジュウカラはまたその辺りに行って、
スズメに追い払われた瞬間
雨樋の中に落ちてしまったのに違いない。


  どうしよう・・・・・

  ここのつなぎ目のネジを外して
  下に引っ張ったら樋が外せるかも (◎_◎;)



急いでドライバーを取って来て
ガチガチやってみたがネジはビクともしない。

   油をしたらネジ回るかな?
 
と思った時にちょうど夫が出てきて、
「なにしてんだ?」と聞いてくれた。


訳を話すと、事も無げに
「放っとけば自分で出て行くよ。」だなんて!


「出られる訳無いでしょ!
 こんな細い筒の中なんだもの
 羽ばたくことができないんだから。」


「あーあ・・・・うん。」


しばらくして夫が
「ここを壊すしかないな。」と、
一番下の樋の先端の丸く曲がった部分を
両手で握りグリグリ回したら、
意外にも壊れることも無く簡単に外れた。

2メートルほど離れてほんの数秒待ったら、
まだ幼いらしい小さなシジュウカラが頭をのぞかせた。


  ワッ! カワイーイ!! 

     胸キュン )


” 天使のお使い ” みたいなシジュウカラは、
一瞬躊躇してから
やがてソロソロと出てきて、
パーーッと飛び立って行った。

   ホッ!  

  ヤレ  ヨカッターア   (^◇^;)
 


飛んで行ったシジュウカラを目で追うと、
玄関の傍の木の枝に止まって、
じっとこっちを見ている。

また胸キュン!   カーワイーイ 💛


 
そして数秒後、
シジュウカラはどこかに飛び去って行った。



「ねえ、あの子 助けられたこと理解したんじゃない?」

「どうだかなあ。」

「きっとそうよ。
 あの木に止まってしばらくこっち見てたもん。
 何か考えてたんじゃない?」


       

あとで「シジュウカラ」
で検索すると、
「シジュウカラ言語」というのが
検索候補に出ていたので、
そこをクリックすると

「文法を操るシジュウカラは
初めて聞いた文章も正しく理解できる」

という記事にたどり着いた。


 京都大学生態学研究センターの
   鈴木俊貴先生 が発表した 
シジュウカラの言語能力についての研究成果     

      コレ 
       👇   

 「シジュウカラ同士話し合っている」
 
  

シジュウカラは
「ピーツピ」と「ヂヂヂヂ」「ピーツピ・ヂヂヂヂ」など
いくつもの鳴き声(単語)を組み合わせて
複雑なメッセージを伝えあっているんだそうだ。


  言語を組み立てる能力があるくらいだから、
  きっとあの子は 私たちに助けられたことを
  理解したハズ

  ヒヨドリにだって
  もっといろんな鳴き方がある。
  きっとそれぞれ意味があるに違いない。

 

ひよちゃんは、私を見つけて
「ピチヨピチヨ」 と呼びかけたり、

この庭にやって来た時はいつも、
こっちを見て
「ピーーーッ ピーーッ」 と。

 あれはきっと「なんかちょうだい」と言ってるんだ。

そして寂しそうに
「ピーーヨ ピーーヨ
  ヒュルルーーーーーー
 
誰かを呼ぶような鳴き方・・・・( ;∀;)

ほかにもまだいっぱいある。
  


   あれ?
   そう言えばこの頃・・・・

   あんまり鳴かないねえ。


   早朝にいつもやって来て

   ” ピ――――ッ  ピ――ッ "

   って1回 鳴くだけであとは・・・
   たまに何かに驚いた時に鳴いたかな?


     いつも黙ってて寂しいなあ・・・

     どうしたの?
   どこか具合でも悪いの?
   私を見たら 前のように
   元気よく  " ピーチヨ ピーチヨ "  って鳴いてよ。  

       ( ´ Д ; )

 


    つ づ く 





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