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航空業界に衝撃

皆さんはケロシンをご存知だろうか
大雑把な言い換えをするとジェット燃料だ

カーボンニュートラルという言葉が流行り出して久しいが、航空業界では専らの課題となっている

約4年前、当時日本航空の社長だった赤坂氏はとあるジャーナルで電気で飛行機を飛ばすなら従来のバッテリーの容積現状より随分小さくした上で何十倍も電力を出力出来ないと実現しないとコメントされていた。しかも、その場合も電気的なトラブルに対応するためのガイドラインの整備も要るので難しさは際立っている印象をうけた

飛行機を飛ばすなら、今はどうしてもケロシンが必要

しかもたとえ他の工業製品に石油由来のものがなくなってもケロシンが必要となれば原価は上がるものの作らなくてはならず、結果その過程で不要となった他のガスも副産物として精製されてしまう

そんな中、スタートアップでハイブリッドの航空機にチャレンジしている企業がある
スウェーデンのHeart Aerospace 社だ

これはとてつもなく衝撃的な話である

なにせ先の通り、実現は難しいとされてきた上に、同社の戦略は輝きを放っている

リージョナルジェット(例えばある国の首都間を大人数で運ぶのではなく、ローカル地域にそこそこの人数で運行するような飛行機)は空港が多いためニーズはあるが、航空会社からしたらコスパが悪い。
それにも関わらず、その航空機の製造にあえて挑戦するのである

実は日本国内の民間企業でも公共交通機関としての位置付けもあり、羽田発着枠と抱き合わせの条件をのんで、赤字路線を少なからず抱えていたりするわけだ(政治や行政の力を感じざるを得ない)

日本に限らず島が多く飛行機以外は厳しいという地域が世界には無数にあるわけだが、バッテリーの航続距離の関係でこのリージョナル(近距離ローカル同士を繋ぐ)分野でまずハイブリッドな航空機が誕生しようとしているから感激、歓迎の雨、嵐といっていいほどのソリューションである

ご存知の通り飛行機を製造する会社は極めて少ないため、ほぼ寡占で価格競争も進まなければ弱小でクレジットもない航空会社は一機の見積りが高額すぎて購入はまずあり得ず、リースするしかない状態であろう
価格面も多少は競争に寄与してくれるだろう
ひいては消費者の運賃にも影響する

その意味で私は大変期待しているし、
長らくエコとは言えなかった業界の希望の光であると思う
まさに航空業界のエヌビディア的存在である

早ければ数年内に飛ぶようで大変楽しみだ

動画でまとまっていて見応えのあるのはこちら
さすがNewsPicksさん
私がnoteを書かなくてもよかったかもしれない

あとがき ふりかえり
航空業界は経験した業界で最も経営が難しい分野で間違いない
理由は簡単
努力では克服できない外生的な要因も多く
誰がなんといっても驚異的なボラティリティの高さを誇る

為替⇨中央銀行動向
原油⇨中東を中心とした紛争や減産
これらに対応するためのヘッジ戦略検討
客数⇨パンデミック、墜落案件、レピュテーション
航空機⇨突如発生する整備、機材調達
オペ⇨天候、クルー人員確保、トラブル後定時運行、空港の保安人員、行政、政治家とのリレーション、ダイヤの生成、金融機関のプレッシャー

コロナ禍の時は正直本当にどうすれば正解なのだろう
いつになったらおわりがくるのだろうと途方にくれた
変数多すぎて説明なんて出来るのか不安で寝られない日々も多かった
それゆえにロマンもある

最後まで読んで下さりありがとうございました

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