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出かけてきたよ⑨(神戸②)

(この夏の里帰りの思い出を綴っています)
北野から南京町へ。
Emikoさんとおしゃべりをしていたら、あっという間。

地面が、視界に入って来る。
この日は南京町も、なぜか人払いされていた。

この街にも、家族との思い出がある。
一番よく行った店は、不思議なところ。
家族みんなで行っても、なぜかいつも待たずに入れてしまうのだ。
人気が無いというわけではないのに、日曜日の賑わう時間ですら
タイミングよくテーブルが空いていたのを覚えている。
そこの中華粥は、本当に美味しかった。
”香菜”の香りと空心菜の食感を教えてくれたのも、その店。
「できたら、そこにご案内したかったけど。閉店しちゃったんですよ。」

あっ、そうだ。
だったら、あそこはどうかな。
もう一店、思い出がある店にEmikoさんをお連れすることにした。

その店、「民生」は、地方から親族が来た時は行った店だ。
人気があるため、いつも混んでいる。
順番が来るのを待ち、店内に入れたとしても
グループで一つのテーブルに座ることができたためしがなかった。
そのため、家族での食事のためには行かなかったけど。

驚いたことに、その日は初めて並ばず店に入ることができた。
いつも相席だったのに、自分達だけのテーブルで食事を楽しめた。

「hikariさん、飲みます?」
ええ、私、social drinkerなんですが。お付き合いします。
「オーダー、おすすめのものをご一緒します。」
はい、じゃあ、軽く見繕いますね。

って、Emikoさん。
私達、かなり盛大に飲み食いしましたよね。
淑女二人とは、到底思えない量を、しっかりいただいた。

Emikoさんが、この日のことを素敵な記事にしてくださっている。
あの日の楽しかったことが。ふうわりと蘇る。

何気なく、それまでの行程を思い返した。
久しぶりの「にしむらコーヒー」
久しぶり+人払いされた「異人館(風見鶏の館)」
ご挨拶できなかった「神戸北野天満神社」
人払いされた「南京街」
久しぶり+並ばず入れた+マイテーブルの「民生」

今日はなんだか、”定番”でないことだらけ。
「あっ!」
思わず、声が出ていた。
笑顔のEmikoさんに、私が気づいたことを聞いてもらう。

「あのね、Emikoさん。今日私達が辿ったお店やルート、
先日亡くなった私の親族との定番ルートだったんですよ。」

彼女は、「にしむら」のコーヒーが好きだった。
「風見鶏の館」も。他の異人館も、好きだった。
「なんとなく、怖い。」と言って、神社仏閣には近寄らなかった。
大都会で暮らし、生を閉じたが、人混みは大の苦手。
「民生」のイカ天ぷらが大好き。
どれだけ待たされても、南京町では必ず「民生」に行きたがった。

Emikoさんと私の街巡りが楽しそうだったから、
今日は彼女も、仲間入りしてたのかな。
メリケンパークから、煌めく神戸の街を眺めながら、そう気づいた。

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