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自動圧縮ダ・カーポ

割引あり

2023年WGPネオスタンダード、その多くで私が握っていたダ・カーポのデッキ解説記事です。
ダ・カーポのタイトルカップにも持ち込み、優勝しました。
これらはどちらも全く同じ構築なので、併せて解説します。

目次
◇デッキレシピ
◇テーマ
◇カード解説
◇WGP2023のゲームにおいて
◇タイトルカップにおいて
◇まとめ

◇デッキレシピ

“Special Day~太陽の神様~”音夢
ドタバタ Morning 音夢
涙尽きるまで… サラ
魔法使いの約束 立夏
秘密の秘密 すもも
枯れない桜の下で 有里咲

春のもふもふ 音姫
今にも星が降ってきそうな夜に 可子
一緒にお料理 二乃

魅惑のお誘い シャルル
メイド体験 ちよ子

ふたりの特別な時間 有里咲
眩い満月 諳子
アクセサリー教室 可子
賑やかな朝 ひまり

目覚めのキス
家族と恋人
ひまりのお友達

◇テーマ

記事のタイトルに「自動圧縮」と銘打ちましたが、要は、手間をかけずに山が強くなっていく、強気にプレイしていれば勝手にデッキ圧縮ができてしまう、そんな構築がテーマとなっています。

圧縮の2要素として、思い出圧縮とストック圧縮を狙っており、そのどちらもが「デッキの基本の動き」を辿っていれば勝手に進むようになっています。

春のもふもふ 音姫によるアタッカー補充はアドを取りつつ最終的に思い出圧縮になります。他にも、無料で思い出に飛ぶアタッカーの枯れない桜の下で 有里咲や出すとついでに思い出を増やせる一緒にお料理 二乃といった、戦闘目当てで盤面に投入しつつも勝手に思い出が増えるタイプのカードが採用されています。

CX配分がトレジャートリガー中心なので、ストックのCX救出のためにストック消費するシーンが少なく、結果的にストックを積みやすくなっています。こちらは8トレジャーデッキが強みとしてきた特性ですね。それも組み込んでいます。

これらに加えて、盤面パワー、ゲームスピード面を支えるカードも効率が良いものから採用されており、こちらからドンドン押していけるようになっています。

圧縮目的での無駄なアクションを経由せずとも、強い動きをしていれば自動的にデッキ圧縮ができること、それがこのデッキのコンセプトです。
強い動きと強い山作りを高度なレベルで両立できることが今年のWSに必要な能力だと考えたため、こうした発想になりました。

◇カード解説

レベル0のアタッカー
“Special Day~太陽の神様~”音夢
枯れない桜の下で 有里咲
秘密の秘密 すもも

“Special Day~太陽の神様~”音夢序盤から手数を稼ぎやすくなるアタッカー。本来、初動で沢山アタックする行為は、そこでCXがトリガーしてストックに埋まった時に、CXを救出する必要性が生まれてゴタゴタする裏目があるのですが、トレジャートリガー中心のデッキではそのリスクが大幅に緩和されます。むしろ、次の動きに必要なCXをゲットしやすくなる相性が良い行動となっています。
純粋にアタッカーとしても、パワー、レベル上昇が優秀なので頼りにして4枚採用。

枯れない桜の下で 有里咲は何かと優秀な除去系の相打ちカードでありながら、勝手に思い出に行く無駄のないカード
単純にカードが強いと考えているのですが、もし不満があるとすれば中盤以降腐りやすい点。よりゲームを通して汎用性が高いカードに変えたいという人もいると思います。今回は、他の枠を使ってシステム面の不都合を感じにくい構築になったため、その点はあまり気にしておらず、堂々の4枚採用です。
一応、春のもふもふ 音姫で呼び出すアタッカーの中で、チャンプアタックしても自身の効果で思い出に行けるという特技
がある点は覚えておきたいところ。

秘密の秘密 すももはCX交換効果を持ったアタッカー。CX3種採用デッキであり、トレジャーとの相性も良いのでCX交換は必須だと考えており、2枚採用しました
CX交換枠としては、このカード以外に新たなPRカードとして"最高に素敵な一枚" 瑞花が配られ、そちらも有力候補となっています。

こちらはワンチャンストックに飛ぶ能力が強力で《魔法》特徴なのが強みです。というのも、実はすももは《魔法》を持っておらず、それが足を引っ張る事があります。このデッキだと、この後解説する涙尽きるまで… サラ春のもふもふ 音姫が《魔法》指定効果を持っています。後者は基本問題は起こらないですが、前者は理解してプレイしていないと困る場面があるので、気になる人は"最高に素敵な一枚" 瑞花にした方が良いと思います。
ではなぜ、秘密の秘密 すももを使っているのかというと、差別点であるパワーの高さを評価しているから、つまりアタッカー枠としても期待しているからです。序盤は勿論のこと、中盤以降も、本来、システムキャラを出した枠は相手からしてもシステムキャラが通れる”隙”になりがちです。そこを、秘密の秘密 すももはアタッカー要求ができます。バシバシ殴っていくデッキなので、相手がちょっと弱くなったターンに、許してもらえる可能性があるのは馬鹿にできない強みだと思います。(実際、すももが序盤からレベル3まで延々と帰ってきたゲームもあります。)
纏めると、特徴の不備に対応できる程度にプレイ練度が備わり、パワーが役立つ場面がそれなりにある環境であり、強みを押し付けてリターンを得る狙いがあるという3要素から私はこのカードを使いました。このどれかが欠けたら瑞花に変えようと思います。

システム群
涙尽きるまで… サラ
魔法使いの約束 立夏
ドタバタ Morning 音夢

涙尽きるまで… サラ無料の手札交換、山削りカード。《魔法》か《スポーツ》のキャラを回収するカードとなっています。《Anniversary》が出るよりも前のブースターのカードなのでこのようなテキストになっています。そんな古いカードにまで手を伸ばさないと、丁度良いシステムカードがありませんでした。といっても、やっていることは実質山札3落下と無料手札交換なのでちゃんと強いです。クロック回収故の選択肢の狭さや強制落下故の不自由もあるため、常に文句なしではありませんが、いてくれて良かったカード。
回収特徴縛りについて、先程の秘密の秘密 すもも以外には賑やかな朝 ひまりメイド体験 ちよ子が触れないカードとなっています。

《Anniversary》にて集った者たち

特に、賑やかな朝 ひまりがそうですが、これらは他の手段で積極的に用意する必要があることを理解してプレイしましょう

魔法使いの約束 立夏妹子互換の回収効果だけを目当てに採用しています。素直に使ってもストックを崩さずに手札交換ができて優秀ですが、このデッキでは春のもふもふ 音姫とのコンボ利用が選択肢に入ります。

私は昔から使っていたコンボですが、まだ現役です

4枚採用している春のもふもふ 音姫が実質回収カードとしても使えるようになるため、積極的に利用するという程ではないものの、デッキのシステム力は大きく向上しました。
という訳で、立夏が控え室に居るだけでも偉いので2枚採用。

ドタバタ Morning 音夢は手札交換能力を持った集中。多種多彩 サリーと同様のカードですが、こちらは控え室回収です。
このカードの追加がトレジャー軸を大きく強化しました。
後列常駐のシステムで余ったCXを処理できるため、トレジャー軸にありがちなCX事故を回避しやすくなります。また、余ったCXを最終的に処理できることが確定しているが故に、これまでのトレジャーデッキではややリスキーな行動だったCXを抱えたプレイをより選択しやすくなりました。
余ったレベル0アタッカー等を切ったりと、純粋な手札交換としても使える優秀な能力です。
なお、CXの色を無視できる能力も、レベル1に上がるタイミングでまあまあ使うためインクの染みではありません。
デッキの要として4枚採用。
(めっちゃ強いカードなので、本家サリーの方にも追加が来て欲しい😠)

中軸
春のもふもふ 音姫
今にも星が降ってきそうな夜に 可子
一緒にお料理 二乃

テーマの項で出てきた春のもふもふ 音姫デッキの中軸として4枚採用してます。基本は今にも星が降ってきそうな夜に 可子を呼び出してのCXコンボ連打ですが、先述の魔法使いの約束 立夏を利用しての手札交換や、CXが無い時の省エネアタックにも利用します。
動きの起点になる重要カードです。
注意点として、このカードは《Anniversary》を持っていません。賑やかな朝 ひまりの盤面条件に引っかかるため、これだけは覚えておかないとマズいです。

今にも星が降ってきそうな夜に 可子は山を削るタイプのCXコンボ。特に難しいところはないと思いますが、他のキャラ3枚が条件なのでそこだけ注意が必要です。
1帯が黄と緑の2色構成になりますが、ドタバタ Morning 音夢がいるときは、黄色だけあれば春のもふもふ 音姫の能力経由でCXコンボができます。

一緒にお料理 二乃は好きなカードを思い出に置きながら出せる応援です。コストを払って応援を出すという行為は、本来、そのコスト分控え室のカードが増えてリフレッシュ後の山札が弱くなるのですが、このカードは控え室のカードを思い出に送るので山が弱くなりません。こういった、ゲームの仕組みを冒すようなカードは存在が既に強いです。ストック整理のついでで効率よく着陸したいところ。
このデッキにおける重要な役割はふたりの特別な時間 有里咲を思い出に置くこと。他に有里咲の思い出送り要員は用意していないため、これがこのカードの使命と言えます。必ず舞台に出して、且つその時有里咲が控え室に居て欲しいため、どちらも2枚ずつ採用することにしました。
忘れられがちですが、レベルアップ時に思い出のキャラを回収できる効果もなかなか有用な効果。たいてい今にも星が降ってきそうな夜に 可子が思い出にいるため、貧乏な時はここからCXコンボで立て直していくことも考えられます。

盤面クラッシャー
メイド体験 ちよ子
眩い満月 諳子
ふたりの特別な時間 有里咲

メイド体験 ちよ子はデカブツ対策のアンコール持ちアタッカー。見た目通りの使い方です。アンコール持ちなのがとにかく強いです。また、一緒にお料理 二乃の応援もあって、格下にはまず触られないパワーがあるため、これを盤面に投入して間もなく相手がチャンプアタックの流れになることも少なくないです。

眩い満月 諳子は舞台から控え室へ行ったときにリソースを補充する独特な早出しアタッカー。CXコンボまで搭載しており、盤面特化の相手に対しても積極的に盤面制圧を狙えるようになっています。最も、このカードはCXコンボの有無に関わらずアタッカーとして優秀です。控え室以外へ飛ばされない限りは実質1コストで手札消費無しの10,000アタッカーなので、圧倒的に軽いですし、やられても基本こちらが得をするトレードになります。また、自分で控え室に送っても効果が使えるため、光景ケアのために一旦ストックを減らす目的で出しておき、後で回収するというプレイもできます。数も少なくあまり流行らなかった効果なので、使ったことがなくて分からないという人も多いかもしれませんが、強い能力です。
なお、このデッキのレベル3との相性がとても良く、それも採用理由です。賑やかな朝 ひまりはダイレクト枠があると詰めやすいカードです。諳子は圧倒的パワーでダイレクト枠ゲットに貢献できる上、最終的に舞台に残ったこのカードは手札とストックに還元することができます。また手札に戻ってきた諳子ふたりの特別な時間 有里咲の手札コストとして使えます。
総じて、無駄がなく良いカードです。
なお、諳子はそらねと読みます。

ふたりの特別な時間 有里咲は個人的にダ・カーポを使う理由の一つとも言えるカードです。
ストック消費無しで相手の盤面を開けられるため、防御札対策や単純な面取りサポートとして非常に優秀です。特に、賑やかな朝 ひまりとは、ダイレクト枠の獲得やコスト面の兼ね合いで相性抜群。毎試合安定して対話拒否ができてしまいます。
やられても思い出に戻って再び登場できるので、ファイナルターン以外に面取り運用するのも意外と強いです。
私にはこのカードが遊戯王のPモンスターに見えています…

終盤のあれこれ
賑やかな朝 ひまり
アクセサリー教室 可子
魅惑のお誘い シャルル

賑やかな朝 ひまりはこのデッキのフィニッシャーです。フィニッシャー枠はいろいろ選択肢がありますが、ひまり固い山に対しても強引に点を通すことができる点、1面あたりの火力が高い点、回復持ちでありCXコンボのコストが軽いため次以降のターンが見れる点等の主張点があります。先述の眩い満月 諳子ふたりの特別な時間 有里咲との相性の良さもあって、このデッキに最も相応しいカードだと考えています。
注意点は、舞台を指定特徴で埋めるというCXコンボの条件。盤面放棄し、後列も投げ出して最後のCXコンボに委ねるといったプレイをすると5面揃わなくなって失敗する恐れがあります。そもそも、ひまりはキャンセルされた時に発動する効果なので、基本的にしっかり盤面勝負してダイレクト枠を貰う方針でプレイした方が良いです。
また、各々の項でも言及してきましたが、涙尽きるまで… サラ春のもふもふ 音姫は特徴に注意が必要なカードで、ひまりのCXコンボ時に舞台に居てはいけないカードとなっています。特に春のもふもふ 音姫について「自身と特殊召喚したキャラで楽々2面確保😁」といった使い方はできないため注意が必要です。

アクセサリー教室 可子はCXを確実に回収できるカード。賑やかな朝 ひまりを使う上で最高の追加カードだと評価しています。このデッキは対応CXを2枚しか入れていないためその都合も勿論ありますが、そもそも、CXを確実にゲットできるのが非常に強いです。最終ターンまでCXを握っていなくても良くなるため、CXを一旦全てデッキに戻して相手の攻撃を耐え、次のターンに改めてCXを用意して攻めるという選択ができるようになります。後述のWGP2023のゲームにおいてという話にも繋がりますが、これは、守りと攻めの切り替えに長けているという立派な強みとなります。
賑やかな朝 ひまりは決定力は高いですが、基本的に長距離砲ではないため、”守り”のターンを挟むことは多いです。その”守り”の質の向上、及びその後の”攻め”を確実に行えるようにするカードということで、たった1枚でデッキの総合力を大幅に引き上げたカードだと考えています。
なお、CXを切ることでキャラを回収できる効果もトレジャーアイコンと相性が良く、とても有用な能力です。

魅惑のお誘い シャルルは平凡な大正浪漫です。トレジャーアイコン中心のデッキなので、アタックフェイズ後、相手のターンに手札のCXを切って山札に戻せる点が好相性。盤面勝負もするデッキなので助太刀自体の価値も低くなく、気軽に投げられて防御札運用もできるこのカードは優秀です。
山札が強くなるデッキなので、中盤以降はトレジャーの連続トリガーが発生しやすく、いざという時のために手札にあると嬉しいカードです。しかし、運よくそうならない場合もあるため、回収機会があった時にこのカードが最優先されるかというと微妙なところです。なので、積極的に握らなくても、ドタバタ Morning 音夢の手札交換や今にも星が降ってきそうな夜に 可子の3ルックで引っ掛かりやすいようにしたいと考え、2枚採用としました。
他の助太刀を採用したい人はこの枠を調整すれば良いと思いますが、デッキの動きに合致しているのはこの配分なので、デッキに慣れてきて実現可能なプレイの幅が広がるまではこのまま使った方が良いと思います。


◇WGP2023のゲームにおいて

WGP2023のWSは結果だけ見れば様々なタイトルが活躍した環境に見えて、その実、特定の条件を満たしたデッキでなければ勝つことが難しいゲームとなっていました。
その条件とは、相手の詰めを耐えられる状態を作り、それを維持できること、若しくは、相手にレベル3をプレイさせずに勝ち切ることができること。最低限このどちらかが備わっていて初めて対抗できる、スタートラインに立てるといった印象でした。

攻撃側だけがインフレし続けた結果

とにかく詰めが強過ぎるため、途中まで有利にゲームを運んでいても、普通に相手がレベル3に上がれば最後にひっくり返されてしまいます。昔は所謂”事故った人のセリフ”としてしばしば聞いた「レベル3プレイできなかったー!」ですが、今同じことを言うとおそらく「それは対策できなかった君が悪い」と言われてしまうことでしょう。相手の詰めに対抗する方法として、上記の条件のどちらかを満たしていなければ、お話にならないゲームになったということです。
前者の条件「相手の詰めを耐えられる状態を作り、それを維持できること」に寄っていたデッキの代表は転スラですが、転スラ程圧倒的に山が強くなる要素を持つタイトルは多くない一方で、詰めの火力は広くインフレしているため、なるべく前者を満たしつつも後者の条件「相手にレベル3をプレイさせずに勝ち切ることができること」を目指したデッキが増加、火力偏重環境となってしまいました。

さて、環境の醸成過程や是非についての議論は本題ではありません。こうした背景における今回のデッキについてのお話です。
既にお気づきかと思われますが、このデッキは前者の条件「相手の詰めを耐えられる状態を作り、それを維持できること」に寄ったデッキです。
テーマの項で最後に少し触れましたが、WGP2023のWSにおいて重要なのは強い動きと強い山作りを高度なレベルで両立できること、つまり、自分の”強い動き”が「相手の詰めを耐えられる状態を作り、それを維持できること」に直結していることであり、それがこのデッキの強みだと考えています。初ターンからデッキぐるみで”前者の条件”達成に向かって動き出しているのがこのデッキの特徴です。
加えて、アクセサリー教室 可子の項で解説した通り守りと攻めの切り替えが上手いため、最後のその瞬間まで延々と強い状態でいることができます。
”強い動き”で押し続けて相手の詰めも耐えることができる、相手がヤケクソで突っ込んできたら返しに詰め切る決定力もある、そんな存在として十分環境に存在できるデッキであった、そう考えています。

ここで、唐突ですが、不採用カードについて語ります。

ありそうで入っていない早出し回復についてです。
早出し回復の是非について、これは相手の詰めの性質に依存しています。具体的には、甘美の零龍喚士・ネイ相手には早出し回復よりもCXの戻り枚数を強く意識した方が良く、公安対魔特異4課 早川アキ相手には戻り枚数以上に残りライフを意識した方が良いです。
ネイ相手はレベル3でもCXさえ十分にあれば耐えますし、CXが無ければレベル1でも死にますので、早出し回復は無駄ではないですが最優先項目ではありません。逆に、アキ相手はキャンセル率を上げても生存率はあまり変わらないので、回復だけが有効な対策です。つまり、アキ側を強く意識するなら入れた方が良いということですね。
私がこのデッキを持ち込んでいたのは2023年WGP前半で、後半と比べるとアキは少なく、また、転スラやアリスギア、8スタンバイホロライブ等の盤面寄りのデッキもまだかなりいたため盤面勝負に寄っていました。(まあ、前半のアキが少ないというよりは、後半のそれが多過ぎるのですが…)
後半の環境を見るなら、早出し回復は入れた方が良いんじゃないかと思います。
なお、実際に早出し回復を採用するにあたって何を採用するかですが、色やテキストの関係から"ミライへの伝言"サラが有力です。

そのまま採用できそうなのはこの2枚

"ミライへの伝言"サラは癖のない早出し回復です。
朝のハプニング 二乃もアリですが、少々重いので基本的にサラを多く積んだ方が良いです。

ところで、私が"ミライへの伝言"サラを手に入れたのは私が出場できる地区が全て終わった後でした…。配布枚数が多くない高額PRカードで、なかなか手に入らなかったので諦めていました。実際、ダ・カーポカップですらなかなかお目にかかれなかったので(全体の入賞者で見ても使用者は僅か2名でした)、もしかしたら、今初めて知った、知っていたけれど実物は見たことがないという人も多いんじゃないかと思っています。
軟弱な理由で非常に申し訳ないですが、私が今期後半、このデッキを握らなかった理由の一つでした。

◇タイトルカップ

タイトルカップと言えば、ネオスタンダード以上にミラーマッチが頻出し、トップデッキへの理解の深さとミラー対策が光るレギュレーションなのですが、ダ・カーポのタイトルカップの環境はネオスタンダード以上に何でもありでした。誰もが頷くトップデッキは無いですし、ミラーマッチなんて一度もありませんでした。何なら、初動キャラや軸となるシステムという、普通特定のパワーカードに採用が偏りそうな部分ですら色々使われていて、ダ・カーポというタイトルの懐の深さを強く実感しました。
私が優勝した地区で、ベスト4に残っていたプレーヤーが全員全く違うコンセプトのデッキを握っていたのは特に印象的で、対戦前にみんなして笑っていました。

さて、そんなタイトルカップですが、色々なデッキがいる上で意識することは自分の動きが強いこと。デッキパワーで順当に勝つといったところでしょうか。これまでも解説した強い動きと強い山作りを高度なレベルで両立できるという部分はそういった相手を選ばないタイプの強みと言えます。
ダ・カーポカップなので、思い出を作って強い山を作るタイプのデッキや、ホラーは苦手を採用したデッキとの対面も想定されますが、前者に対しては相性が良い詰めを採用していますし、後者は諳子の面取りとPモンスター有里咲のバウンスで抗えるため、相性で圧倒されることはまずないはずです。
何に当たっても自分のゲームで勝てる、それがこのデッキの最大の魅力であったと思います。

唯一意識したのは“Perfect affection”音姫です。

何度か遭遇するだろうと予想していましたし、内容的にも、倒せばこっちのゲーム、倒せなければあっちのゲームといった展開になるので倒せるように組んだ方が圧倒的に安心です。“Perfect affection”音姫を処理できるようにいつもの笑顔 まひる等を採用している人もよく見ました。
ただ、このデッキは元よりレベル2で超パワーが出せるデッキなので、その部分でも構築に特別な対策を施す必要はなく、あれこれ考えたものの、結局ネオスタンダードと全く同じ構築での参戦となりました。
結果、まんまと優勝できました。また、後半の地区でタイカプ用のデッキを探していたオッシー選手に貸し出したこともあったのですが、その時も非常に好評でしたので客観的にも良いデッキだったのだと思います。
満足のいく結果が残せて嬉しかったです。


◇まとめ

2023年WGPで多くの時間を共に過ごしたダ・カーポのデッキ紹介でした。
山が強くなるというWSの根幹とも言える部分を強みとするデッキであり、難しい環境ではありましたが、その中で勝つために求められる要素を上手く見つけて落とし込めたのではないかと思います。
デッキに文句は無かったですし、これからも強いと思っています。結果から見ても、タイカプで勝てて、ネオスタンダードで勝ち切れなかった理由は、ベストを尽くしても死ぬときは死んでしまうような環境の馬鹿げた火力にありました。こういう言い訳はしたくないですが乗り手がペヤングじゃなければもっと生きたと思います。
これからも、猛スピードでカードパワーがインフレして置いていかれない限りは、十分勝てるデッキだと思うので、新弾や制限改定にも注目したいところですね。

以上、2023年のダ・カーポのデッキ解説でした。
読んでくれてありがとうございます。

以下おまけの有料部分です。
前身となった、2022年のダ・カーポが題材です。
応援してくれると嬉しいです。

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