マファルダ

日本を愛する海外かぶれです。SNS、国内国外各種報道を斜めに読みあるいは聞く見るなどす…

マファルダ

日本を愛する海外かぶれです。SNS、国内国外各種報道を斜めに読みあるいは聞く見るなどすると、世界はざらざらしています。楽園はありません。心を楽園にすると決めました。既存の価値観あるいは流行に耳を貸さず、自分の楽園を追求するとなんということでしょう。白髪が少し減りました。

最近の記事

ゴッホは 蛙をはじめて見たとき、なにを思っただろう? 芥川は 絶命するその一瞬を生きたと言えるのだろうか? でも今は蛙も文豪もどうでもいい。 極度に腹が減っている。 カレーがまだ煮えないのだよ。

    • 頭痛薬よりワイン。乾杯より文章

       何かがわかった気になったので街に出かけた。  地下街にはたくさんのお店が並ぶ。果物の色は黄と緑と赤とそれから紫だ。黒いシースルのブラウスに黒のタイトドレスを合わせたマネキンにそそられ、洋服屋さんに入った。編地が可愛い黒いカーデと黄に白のレースをまとったマーメイドスカートを試着した。値札のタグが首をがさがさ触る。  チュールを合わせた黒いジレも着てみた。夏に黒のジレは重いかな?着てみたら、ふくらんだチュールは甘い黒の印象を残した。甘いブラック?そんなものあるのだろうか?言葉

      • 女はすぐさまくにゃんとなる

         女はすぐさまくにゃんとなる。甘えた声を出すでもなく、がみがみうるさくわめきたてるわけでもない。ただ、くにゃんとなるのだ。  あるとき、八百屋の主人が女をたずねた。トマトときゅうり、ラディッシュを山盛りにしたカゴを女に渡すと、女はその場でくにゃんとなった。八百屋はあまりに驚いたので女から野菜の代金を受け取るのも忘れて、さっさと店に戻ったが、あっという間に女のくにゃんが懐かしい。    八百屋は店を閉め、女をたずねた。今度は野菜ではなくシロツメクサの冠とザクロのパイを女に届け

        • ゼロにいる。 未来が懐かしい。 あるいは 過去が待ち遠しい。 街角のカフェで西洋人のカップルが クリームソーダを飲んでいる。 ソーダの上でアイスが溶ける。 この景色を私はいつ見たというのだろう?

        ゴッホは 蛙をはじめて見たとき、なにを思っただろう? 芥川は 絶命するその一瞬を生きたと言えるのだろうか? でも今は蛙も文豪もどうでもいい。 極度に腹が減っている。 カレーがまだ煮えないのだよ。

        • 頭痛薬よりワイン。乾杯より文章

        • 女はすぐさまくにゃんとなる

        • ゼロにいる。 未来が懐かしい。 あるいは 過去が待ち遠しい。 街角のカフェで西洋人のカップルが クリームソーダを飲んでいる。 ソーダの上でアイスが溶ける。 この景色を私はいつ見たというのだろう?

          バスク語。そして本当はもう何も要らない。

           バスク語。簡単な挨拶と自己紹介、初歩の文法のいくつかと数字や色をあらわす単語を覚えた。 覚える/MEMORIZE/MEMORIZAR/BURUZ IKASI 外国語はまずは単語を覚えることから始まる。中学ではじめて英語に触れた時、自分がスペルを覚えられるのかとても不安だった。daughterという単語が教科書に出てきた。このような奇怪なアルファベットの並びを丸ごとそらで書けるようになるのか? 娘/DAUGHTER/HIJA/ALABA    dau

          バスク語。そして本当はもう何も要らない。

          遠い記憶 牛舎あるいは長いスカート

           昭和の英語教育は悲惨であった。文法の教師は完全なあまりにも完全なカタカナ英語で授業を進めた。かれはディスイズアペンも言えなかった。ディのかわりにヂといった。私の英語はヂスイズアペンから始まったのだ。背が高く肩がこんもりと膨らんだ教師だった。水泳部の顧問をしていたと思う。  中高といろんな教師に出会った。特に覚えているのがヂスイズイズアペンと、生徒たちに「バヤイ」と呼ばれていた猫背の社会科の教師、私のスカートの長さが気になってならなかった風紀の教師だ。  「バヤイ」はこの場

          遠い記憶 牛舎あるいは長いスカート

          乳房と放浪者

           文章を書く。いくつからだろう、この作業を断続的に続けている。若いころは文章を書くことに目的と野心と希望を見出していた。わかりやすい言葉でいうなら「生きがい」のひとつだった。「生きがい」は漠としているにも関わらず「そのようなもの」を頼りに日常を費やしていた。日常は「文章を書く」=「生きがい」=「そのようなもの」のためにあった。それでいいと半ば強制的に自分を書く作業に仕向けていた。  若さとは何だろう? 体力があり、気力に満ちて、天真爛漫に振る舞える。敏感と鈍感のどちらを選ぶ

          乳房と放浪者

          毎日バスク語③ ピーマン/green pepper/pimiento verde/piper berdea/poivre vert

           先週。英語のクラスで「ピーマンはスペイン語でなんていうの?」と聞かれ答えられなかった。ピーマンは英語ではbell pepperという。たしかに大型サイズのピーマンはさかさまにした🔔に似ていなくもない。  スペイン語の野菜名を復習しておくことにする。ついでなのでそれぞれ日本語、英語とバスク語での言葉も調べて書いておく。言語を追いかけると面白いもので、何語でもその気になればある程度は習得可能ではないか?と楽観的境地に入ることがある。母国語つまりJapaneseに加え、英語、ス

          毎日バスク語③ ピーマン/green pepper/pimiento verde/piper berdea/poivre vert

          女とピストル

           午後一時、駅前広場でひとりの女がよく知らぬ男の胸に狙いを定め、拳銃を一発撃った。同時に彼女は自分が男を撃つ姿をマンションのベランダから見ていた。よく知らぬ男を撃った瞬間、女は人を殺したとことを事実として認識した。罪の圧力が彼女の肉体を固く絞り上げ、女は罪から肉体をほどこうと工夫しくるくる回った。けれど、おかしい。駅前広場からここまで全速力で走ったとしても五分はかかるはずだ。今、自分は部屋の中だ。朝からずっと部屋の中にいる。テーブルに飾ってある白いマリア像もいつもと白い笑顔で

          女とピストル

          毎日バスク語②

          今日はバスク語の色を学びます。 その前にバスク語で、Ni japoniarra naiz スペイン語でyo soy japonesa 意味は「私は日本人です」 英語ならI am Japanese. 構文的には主語・動詞・補語です。SVCでS=Cでしたよね。中学英語で習いました。 「私は日本人です」は主語・補語・動詞の順番で出来ています。主語が「私は」、日本人が「補語」、ですが「動詞」。「です」は英語のbe スペイン語のsoy 前述のバスク語ni japoniarra naiz

          毎日バスク語②

          Tバック サイズは少し緩めがいい

           衣装ケースを整理していたら若い頃に買ったTバックが大量に出てきた。たぶん無謀な恋をしていた頃だ。男に会うときのためにセクシーな下着を集めていた。黒、ヒョウ柄、水色、白、ピンク。何を考えて何を期待して下着を集めていたのか想像するといまだにわずかに興奮する。  恐る恐るピンクのTバックを身につけてみた。Tバックを魅力的に見せる丸くふくらんだ尻を残念ながら失ってしまっている。  Tバック一枚の上にカーゴパンツをはいて、家事をした。いつもは深ばきの下着を身につけているので尻の肉がす

          Tバック サイズは少し緩めがいい

          類語辞典と断捨離

           外国語習得には単語力が絶対的に必要で単語力をつけるには辞書ではなく類語辞典を引くのがいい。英語の教師の勧めに素直に従い英語の類語辞典Thesaurusをペーパーバックで購入。西語の類語辞典diccionario sinonimos y antonimosもスペイン語書籍専門店から取り寄せた。  適当なページを開くだけでわりと楽しい。たとえば今、英語類語辞典の591ページを開いた。paradeを見る。paradeは日本語になっている。いわゆるパレードだ。名詞と動詞がある。動詞

          類語辞典と断捨離

          毎日バスク語①

          21/05/24 Egun on, zer moduz zaude? おはよう!元気? Kaixo, ondo nago, eskerrik asko,Eta zu? Hi!元気よ。ありがとう、あなたは? Egun on, nik ere ondo nego, eskerrik asko. おはよう!僕も元気だよ。ありがとう。 Arratsalde on izango da gaur, ezta? こんにちは。今日はいい日だね。 Bai, arratsalde on

          毎日バスク語①

          言葉を知らない哺乳類に戻り空を祈る

           二日ほど故郷の実家に戻っていた。庭に孔雀サボテンの鉢植えがある。真紅のつぼみが膨らみつつあるのを見てその奇妙な色彩に少しばかりたじろいだ。ホタルブクロのうすい紫色とアジサイの葉の上で置物のように固まっていたカエルのきみどり色に心惹かれた。築40年の木造家屋と小さな庭と腰の曲がった今年90の母。駅に向かうタクシーからバイバイと手を振ったが、母は私と目を合わせようとはしなかった。私はあの家で暮らし、あの家を離れた。事実はあっけなく、しかし決して変更はきかない。  新幹線の中で

          言葉を知らない哺乳類に戻り空を祈る

          一日の終わりに:鳥取砂丘とタヌキの皮算用

           鳥取砂丘  ユーチューブのスペイン語授業を聴いてたら、アルゼンチン出身の女スペイン語教師がスペイン語会話能力を上達させたいならば、鏡に向かって大きな声で発音してみましょうという。やってみよう。姿見の前に立ち、「昨夜私はルイスからメッセージを受け取ったが、まだ彼に返事を書いていない」とか「私はスペイン語がまったくわからなくて、スペイン人の友人がひとりもいませんでした」など、スペイン語ドリルに載っていたスペイン語の文章を大きな声で読んでみた。調子にのって、「ホセは日本の「エル

          一日の終わりに:鳥取砂丘とタヌキの皮算用

          卓球。せめてひとつくらいは覚えて帰れ

           壊れた看板のいちばん高いところで一羽のカラスがこちらを睨んでいる。カラスは黒い。猛烈に黒い。今、カラスが黒い二本の足先でステップを踏んだ、看板のへりでよちよち踊っている。つまらぬ幻覚だ。だがカラスが全身黒であるのは事実だと私は主張した。スペイン語のクラスで主張した、もしぜんぶの羽根をむしったら裸の胴もきっと黒いだろうと鼻をすすってそう言った。するとスペイン人のスペイン語教師はすばやくネットでカラスの画像を検索し、カラスの胴が黒一色ではないことを私に示した。 しかしあのカラス

          卓球。せめてひとつくらいは覚えて帰れ