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スラウェシ島(北部)の温泉をめぐる旅 2024年4月 

レバラン(正式名称はIdul Fitriという。断食を頑張ったご褒美の祝日)で、大学院が本日の午後から2週間近く休みになるため、また旅に出ることにしました。
スラウェシ島に行きます。明日朝4:00ジャカルタ発のフライトでゴロンタロへ向けて出発です。今夜は空港内のホテルに宿泊します。

元々はパプア州に行くつもりだったのですが、過激派による分離独立運動が激化しており、外国人の誘拐が盛んにおこなわれていると聞き、断念しました。
クラスメイトの旦那(インドネシアの結婚式をNote記事にしたカップル)は陸軍軍人で、新婚早々パプアに駐留しています。危険な任務はつきものとはいえ、無事に帰ってきてほしいです。

今回の旅では、スラウェシ島の中でも北部(北スラウェシ州、ゴロンタロ州、中央スラウェシ州)にある主要都市から行ける温泉を目指します。
マナド、ゴロンタロ、パルの3都市です。

マナドのある北スラウェシ州はキリスト教徒が多い地域です。一方隣のゴロンタロ州は敬虔なムスリムが多いことで知られ、北スラウェシ州だったのを2000年に切り離してゴロンタロ州になっています。宗教だけでなく民族も北のミナハサ人と、ゴロンタロのゴロンタロ人で違うので、分けた方がよかったのでしょう。
パルのある中央スラウェシは、2000年前後にキリスト教とイスラム教徒間の宗教戦争で1000人が亡くなったポソの町があり、パル自体も過去に宗教間のいざこざがあった場所です。

右からマナド、ゴロンタロ、パル 赤は温泉のある場所

温泉以外で今回みたいと思っているのは、マナドのすぐ近くにあるビトゥンの町並みです。「かつお節と日本人」というとても面白い本があり、その本の中にビトゥンの話が出てきてぜひ行ってみたいと思ったのです。

ビトゥンは戦前かつお節生産が盛んで、戦後もその場所に残った日本人の子孫がたくさん住んでいるらしいのです。実際に会えるかは分かりませんが、訪ねてみようと思います。

左がマナド、右がビトゥン

わたしはジャカルタ駐在時代にマナドには2回行きました。マナドに宿泊したわけではなく、近くのリゾート島(シラデン島、ブナケン島)に家族で行ったのです。
マナドのある北スラウェシ州はキリスト教徒が多く、レバラン休暇中でも町の機能が停止しないため選びました。毎回バリというのもつまらないですからね。
今回行くと17年ぶりです。

マナドは美人が多いと言われていて、多民族が集まる交易の中心地で混血が多いからという説があります。
日本のメナード化粧品は、このマナドから社名を取ったとのだという話が日本人駐在員の間では通説ですが、事実はギリシャの美の女神「メイナド」から取ったと言われ、名古屋の本社にはメイナドの銅像が飾られているそうです。
わたしはかなり多くの人間にガセネタを流してしまいました。

スラウェシ島の生物分布は独特
わたしの今回の旅の目的から外れるため、動植物の観察は後回しにしますが、スラウェシ島の生物の分布は矛盾だらけで、ウォレスも迷ったと言われています。
ウォレス線はバリとロンボック島の間を通り、カリマンタンとスラウェシの間を抜けています。スラウェシ島はウォレスの分類ではオーストラリア大陸の仲間に入り、有袋類(カンガルーやワラビーのようなお腹の袋で子供を育てる動物)がいます。

Wikipedia ウォレス線より

にもかかわらず、ウォレス線の西側つまりは東洋区に属する動植物がスラウェシでは見つかるらしいのです。しかもスラウェシで独特の進化を遂げた生物が多くみられるそうです。
今の学説では、スラウェシは一度もスンダ大陸、オーストラリア大陸と陸続きになったことがないため、独自の進化を遂げたのだろうとされています。ガラパコス現象ですね。

明日から始まる旅では可能な限り毎日記事を書くつもりです。今、高見順の「蘭印の印象」を読んでいるところなので、彼の饒舌体の紀行文の影響を受けそうで心配です。

#今年やりたい10のこと
3つ目と4つ目、旅と温泉めぐりです。


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