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「ママ直感」の子育て

私は子育てで困った時に、
「ママ直感」を1番大事にしてきました。
その時はどうしてだろう?と思うことでも、
あとから直感に従ってよかったと思うことがよくありました。


息子が楽しみにしていた日本の幼稚園入園式を終えて
翌日、幼稚園初登園。
半日終えて帰って来て、「もう行かない。」と息子が言い出した。よく話を聞いてみたが、
「ぼくには必要ない。」という漠然とした理由だった。

え?ちょっと待って!私は焦った。
「行かせなきゃいけない」って一瞬思った。
世間では無理にでも子どもを行かせるのが当たり前だったから。

でも私の直感が「この子にそれをやったらいけない」と言っていた。
私自身のプレスクールでの記憶がフラッシュバックした。

私は小さい時の記憶をとても鮮明に覚えている。
子どもは自分の意見が通らないことが続くと、自分の意見を言うことを、個性を出すことをあきらめてしまうことがある。

私の夫は、息子の意見を聞いてあげてほしいという考え方だった。
私達夫婦の意見は、子どもにその幼稚園を強制しないということで一致した。

彼はしばらく不登園を貫いた。それは生半可なことではなかったけれど、今は本当によかったと思っている。

今だからわかる。幼稚園初日、体育会系の身体が大きくて声も大きい男の先生が、全員を整列させて、大きな声で、命令した。「気をつけ!休め!回れー右!できた子から中に入ってよし!」

すぐにできなかった息子は顔を真っ赤にしてますますわからなくなって泣きそうになっていた。それを先生達は笑顔で「がんばれ!」と応援した。

初日だったから慣らしのため、小さな部屋の中で、そこにあるおもちゃを使って数時間過ごして終わった。

息子はバスケットゴールで、砂場で、広い園庭で走り回って遊べるのをとても楽しみにしていたため、不自由でつまらないと感じた。

毎朝行われるらしい整列回れ右、統制は息子にとってとても不快で苦痛なもの。
これらのことに私が気づいたのはもうずっと後のことである。

私はあの時に世間体を気にして息子に無理強いしなくて本当によかったと思っている。

子どものタイプによって、ある程度強く背中を押してあげても問題ない子もいるし、意志を待ってあげた方が良い子もいる。

息子の場合は後者で、1番大事だったのが私との信頼関係だった。
幼稚園に行かずに、息子は毎日近所の体育館のバスケットゴールでシュート練習をして過ごした。毎日何時間も練習し、家の中でも小さなゴールを設置して、ずっとシュートしていた。
マンションだったので、下にマットレスやお布団で防音した。

繊細で察しが良い息子は、幼稚園初日以来、幼稚園方面に向かうこともできなくなっていたので、ここも無理せず、しばらくは家の近くの公園か体育館で過ごし、大好きなお友達に遊びに来てもらったりして過ごしていた。

リトミックと称して家の中でいろんな音楽をかけて音に合わせてリズムを取ったり踊ったりもよくした。

毎日練習していたシュートは、どんどん上手になり、4歳ですでに普通の大きさのバスケットボールで遠くからシュートできるようになり、後ろ向きでもできるようになった。

これは絶対バスケットボールをやらせよう!普通親だったらそう思う。夫も私もそう思った。

これはずいぶん後になるが小学校でバスケットボール部に入った息子。初日に息子は辞めると言った。理由はよくわからない。「思っていたのと違った」そうだ。
もう少し頑張らせるという選択肢もあったが、
「オッケー。」私は「ママ直感」で受け入れた。

今だからわかる。息子は「たたかう」のが好きではない。ゲームも戦闘系ではなくリズムゲームで世界一になった。
常に自分と比べるのはは過去の自分。「競争とか好きじゃない」いつも言っていた。

バスケットボールもシュートしてボールが入ることは喜びであるが、その他の部分は好きではなかったのである。

このことに気づくのもずっと後のことである。

息子はたくさんスポーツに触れたが好きな時に始めてやめたい時は自由にやめた。楽器も興味を持てばやり、自由にやめた。

辞めぐせがつくのではないか?」そう思われがちであるが、実際そんなことはない。

その後息子は9-10歳の時にリズムゲームに出会い、
毎日欠かさず何時間も練習し、
数年で日本一になり、
その後自ら国籍をUSに変えてもらうよう事務局に交渉し、US1位となる。

そしてその後も毎日練習を続け、
世界ランキング1位となり、
そこでも彼はさらに可能性を信じて練習を続けて、
14歳で誰も達成できなかったレベルを、
自身のYouTubeライブ中に、たくさんの仲間達の見守る中達成し、ものすごい到達感と満足感を味わった。

このゲームの出会いから最後の達成感まで、
私も主人もノータッチである。ただ彼がやりたいだけやらせてあげて、彼がオンラインで育んだ人間関係を尊重し、信頼して見守り、心から応援して、一緒に喜んだ。

そう、続ける価値のあるものに出会うまで、何度でもやり直して、いつでも辞めていい。楽しくてワクワクするものはどんどんやりたくなるものだから!それは子どもが自分で自由に決めることであってほしい。

その後まもなく、それまで一日も欠かさず練習していたゲームやYouTubeをパタリと辞めた。彼の素晴らしいコミュニティもできていたし、お小遣いも稼げるぐらいになっていた。
が、彼はもう十分やったのだ。

しばらく自分探しをしていたようであるが、
また次のワクワクを見つけたようである。これからどうなっていくか、ますます楽しみだ。


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