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トーハクで初詣 沈鬱な気分を変えさせてくれた十一面千手観音菩薩像

年初からの衝撃的な出来事とテレビとネットに流れるその映像に沈痛な気分になる中、1月3日にトーハク(東京国立博物館)に行きました。年末を休業して常設展を入れ替えた、年初恒例の「博物館に初もうで」に今年も初詣です。
11時半頃に着いた時には既に多くの人が訪れていました。

正月らしい入り口

12月は大部分の展示室が閉鎖され入れ替え作業中でしたので、真っ先に大好きな2階の「屏風と襖絵」の展示室に向かいました。
なんと、若冲の屏風絵が!

若冲の松梅群鶏図屏風
若冲の松梅群鶏図屏風

単眼鏡で細部をじっくり見ました。

そして、岡本秋暉の四季花鳥図屏風。これは良かったです。ソファーに座ってずっと見ていると年初からの嫌な気分が癒やされます。
江戸時代の作品で、淡い色調の四季別の鳥と花を見ていると優しい気持ちにさせてくれます。

四季花鳥図屏風 右隻
四季花鳥図屏風 左隻

続いてマイブームの仏像。昨年はさーっと素通りしていましたが、仏像に目覚めた今は細部まで丹念に鑑賞しました。
模造ですが、薬師寺の聖観音菩薩立像。実物は国宝ですが、トーハクにあるのは現物から型をとったものです。今年はぜひ薬師寺に行かねばと思わせます。

薬師寺の聖観音菩薩立像の模造

仏像がマイブームになるまでは全く関心がなかった仏画、釈迦三尊像です。脇侍には文殊菩薩と普賢菩薩が描かれていますが、普賢菩薩は白象に乗っています。「普賢菩薩は白象」は仏像の基本知識ですが、「脇侍は普賢菩薩じゃないか」と分かることが嬉しくなります。

1Fの仏像の展示室には、千手観音菩薩がありました。三十三間堂で感激しましたが、薬師寺の聖観音菩薩立像の模造に見入っていて、ふっと後ろを振り返ると、なんと千手観音菩薩が、しかも十一面!。
十一面というのは、仏様の頭上の正面、左右、後方に仏面があることから十一面の仏像です。千手とは、千の手がある仏像ですが、腕の数を略して40本の手がある像のことです。
単眼鏡で丹念に十一面を見ました。単眼鏡、昨年購入した物の中で一番有益な物かもしれません。

千手観音菩薩座像 綺麗な写真が撮れました

十一面千手観音菩薩がトーハクにあるとは知りませんでした。というより、仏像に興味がなかったので事前調査不足でした。近々再訪せねば、と思いましたが、年初からの出来事に沈鬱していた気分を前向きな気持ちにさせてくれました。そして、お寺でもないのに、仏像の前で自然に手を合わせ平穏な1年をお祈りしました。

気持ちが切り替わった後に黒田記念館に立ち寄ると特別室が開放されていました。久しぶりに「湖畔」を見ることができました。

湖畔

やっぱり、トーハクはワンダーランドです。今年も年間パスを使ってトーハクに何度も行くことになりそうです。



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