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広重にはまる、江戸文化にはまりつつある

文化は江戸より京が好きでしたが、最近、江戸文化に興味を持ち始めてきました。それと同時に、広重の江戸をモチーフにした浮世絵にはまってきました。
「名所江戸百景」
ネットでも見ることができますし、画集も購入して眺めています。地図好きなので今の東京の風景と比較し、昔はこうなっていたんだ、と。

東京はますます魅力的な都市になってきていると思いますし、風景も変貌してきています。普段は気がつきませんが、海外駐在中に東京に出張する度にその変貌ぶりに驚いていました。
その魅力的な都市、東京の昔の風景を「名所江戸百景」から知ることができます。
興味の対象は風景だけでなく、「江戸切り子」などにも広がってきました。こんな派手な柄のガラス細工の器で日本酒を飲んでも美味しくないのでは、と最近まで思っていましたが、江戸切り子の美しさに惹かれつつあります。きっと、日本酒が美味いだろうなあ、とも。
自分の嗜好の変化は「東京の魅力」から来ているのかもしれません。


さて、広重。トーハクで特集が開催されていることを知り、7月に行きました。ここで、本物の「名所江戸百景」を堪能しました。



写真のように展示されおり、1枚1枚じっくり鑑賞しました。


大胆な構図


中でもこの作品を、構図の大胆さと意外感があって気に入っています。亀と富士山。深川の萬年橋から墨田川を望んだ作品ですが、富士山より亀が存在感があります。


最近、トーハクに行った時にも浮世絵の展示があり、広重の作品が1作品展示されていました。


広重にはまり始めたのは現在改装中の江戸東京博物館での展覧会がきっかけです。
そこで「名所江戸百景」だけでなく、「江戸近郊八景」に目がとまりました。
江戸の近郊の風景ですが、私の好きな風景画のモチーフです。
残念ですが、画集とかなく、国会図書館のHPで見つけた画像で見るしかありません。

この構図の作品もお気に入りです
江戸近郊八景

八景のなかでも「玉川秋月」が一番好きです。
都内の古書店で探してみましたが、見つかりませんでした。

版画に興味を持ったのは吉田博展や川瀬巴水展がきっかけです。

吉田博展


新版画と言われる作品で、近年の日本各地の風景を版画にしたもので、油彩画や日本画とは違った味わいがあります。広重の作品を観る時は日本史的視点になりますが、新版画は記憶に残っている子供の頃の風景に近く、見たことがあるなあ、という懐かしさがこみ上げてきます。

人気がある作品

川瀬巴水の作品は最近人気が出てきており、展覧会も多く開催されています。新版画を扱っている美術店に行って、ぱらぱらと作品を見ていると故郷の宍道湖のモチーフを見つけました。
ここ数年、帰省できない状況ですが、望郷の念から購入してしまいました。飛行機で帰省すると1人往復8万円はかかりますので、どうせ家族で帰省できないから、と衝動買いをしました。
痛まないように額装して、クローゼで大切に保管し、時々引っ張り出してきて眺めています。

宍道湖

美術店にはたまに行って店主にいろいろ教えてもらっています。最初は川瀬や吉田の新版画を見せてもらっていましたが、最近は広重。
百景の作品も見せてもらっています。百景については最近刷った復刻版が書店の店頭などで販売されていますが、当時刷った作品とは色合いが違います。復刻版は当時の色合いを再現しようとしているため、鮮明な色彩です。華やかな感じです。
それに比べて、初刷り・後刷りは色があせていますが、それが時代を経て落ち着いた色彩になっています。
復刻版は1枚2万円程度。初刷り、後刷りは人気の構図や状態によりますが、10万円から。新版画に比べて価格が低いのが意外でした。

「巴水に比べて意外に高くないのですね」
「巴水は人気が出てきて高くなってきました。広重は、刷られた枚数も多いですし、東海道五十三次よりも江戸名所百景が人気が出てきています」
「私も、最近、江戸に興味を持ち始めてきましたが、私のような人が増えてきているのでしょうかね」

「江戸近郊八景は、復刻版を見せてもらったことがありますが、市場には出てこないのでしょうか」
「江戸近郊八景は随分前に刷られた復刻版はありますが、初刷りは市場に出てこないですね。出てきても100万円以上しますね」
「100万円ですか、、、、(絶句)」
「復刻版は現在の絵具を使っているので、どうしても当時の色とは違ってきますが、100年ぐらい経つと和紙にも馴染み落ち着いた色合いになってきますよ」

「江戸近郊八景は画集もなくて、、、」
「画集もないですねえ」

ちなみに、店主はテレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として何度も出演されていて、テレビで聞く声を生で聞くと妙な感じがしてきます。

店主の奥さんからもいろいろ教えてもらっています。
「展覧会に行って、画集を買いましたが、ちょっと派手でしたね」
「そうですよね。私たちに相談がなかったのですよ。黄色が流行っているそうですが、これはイメージが違う、と言って、画集のカバーを変えてもらいましたよ。新しいカバーを無料でもらえますよ」
「そうですか。それはいいこと聞きました。ありがとうございます」

最初の画集のカバー
作り直した画集のカバー

蒐集家でもない私にいろいろ教えていただき、美術鑑賞の参考になります。

美術店

東京好き、地図好き、アート好き、歴史好きの私には、しばらくは広重のマイブームが続きそうですし、江戸文化にはまりつつあり、展覧会などを探し始めています。

東京の地形も面白く、地図好きの愛読書です。

江戸と東京の地形を比べるには最適です。






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