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ビジネスにアート思考が求められる①

ビジネスとアート思考に関連する書籍や記事が増えていると思います。代表的な書籍は山口氏の著作ではないでしょうか。

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この本に書かれているようなことをビジネスの場でどのように実践するか、あるいは何故ビジネスの場でアート思考が求められているのか、ということについて書いてみます。

まず、アート思考のアートとは、美術、音楽、文学、という領域にします。これらは三位一体として密接につながっています。アートには、思想・哲学や創作者の情熱がこもっており、直感力や美意識を具現化したものです。

一方、ビジネスの世界では重んじられ、客観的分析、その分析に基づく洞察、数字に基づく判断が求められます。その判断の結果も数字に表れ、数字で評価されます。

ただし、注意しなければいけないのは、「測りすぎ」です。数字を重視するあまりに経営に必要な直感力を軽視することになってしまいます。これについては以前記載しました。

「測りすぎ」は弊害がありますが、数学もアートだと思います。事象を普遍化する定理公式は美しいです。ビジネスで言えば、企業活動の資本効率を測るROE、の分解式があります。
ROE=当期利益÷自己資本
=(当期利益÷売上高)×(売上高÷総資産)×(総資産÷自己資本)、
と分解できます。これは、
当期利益率×総資産回転率×財務レバレッジであり、
収益性×効率性×負債の有効利用度、となります。

資本を効率的な活用するためには、収益力を向上させ、資産を有効に活用し、資本だけでなく借り入れも活用する、と因数分解することができます。
収益性が高くても、資産をうまく活用していなければROEは向上しません。無借金会社=財務レバレッジが低い、ですので一般的にROEは低くなります。

このROEの因数分解式はとても美しい数式です。数学的崇高と言ってもいいでしょう。

ただ、この数字に頼るだけでは企業経営は成り立ちません。
ビジネスを取り巻く環境の洞察力、時代を先取りする予兆把握力、判断力、デザイン力、構想力、直感力、会社やビジネスの構図などのバランス力、そして描き切る推進力、などが必要になります。

ここにビジネスに「アート思考」が求められる理由があります。

ビジネスには、業種に寄って異なりますが、一般的な企業には、企画部門、管理部門、開発部門、製造部門、営業部門、があります。これを統括する意味での経営があります。

この順にそって次回からビジネスとアート思考について書いてみます。

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