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いきたくない

今回の記事は「自死」について触れています。
言葉を見ることがつらい人、気持ちが落ち込んでいる人は記事を読むことで更につらくなってしまうかもしれないので、申し訳ありませんがバックしてください。
あと夜に投稿しておいてなんですが、昼間の明るい時間に読んでもらえたらありがたいです。


もし身近な人から「死にたい」と言われたら

ドキッとして、いろんなことが頭を駆け巡る。
人によっては混乱して起こり出すかもしれない。
一緒に泣き出す人もいるかもしれない。
フリーズして、淡々と対応する人もいるかもしれない。

聞きたいことはたくさんある。
そこまで考えるような出来事があったの?
一体何が起きているの?
いつからそんなことを考えていたの?
生きたいと思えるような、そんな楽しみはないの?

……多くの場合、それらの質問は届かない。
それがわかれば、或いは言葉にできれば苦労はしない。
とにかく今は死にたくなるくらい辛い。
だけど死ぬことは怖いし、痛そうだ。
こんなことばかり考える自分はおかしいのか。
どうして皆のように楽しく毎日を過ごせられないのだろう。
たくさんの矛盾を抱えて、苦しくて。
もし死んだら今の気持ちの行き詰まりもなくなるかもしれない。そんな考えが頭から離れない。



保健室で話を聴くとき、特に何度か相談に来る生徒には率直に「死にたいって思ってる?」と尋ねる。

すると、ほとんどの生徒は首を縦にふる。
もしくは「今は思っていないけど、つらいときは死にたくなる」と言う。

一見とんでもないことを聞いていると思われそうだが、この質問をすると生徒の表情が和らぐのだ。
死にたいくらい辛い気持ちを、受け入れてもらえたような気持ちになるからかもしれない。

そこからじっくりと話を聴く。
今まで聴いてきた内容と重なることもあるけど、もう一度丁寧に聴く。
つらかったこと。しんどかったこと。今の気持ち。困っていること。

聴く方もしんどい。が、そのしんどさは当人の辛さを薄めたものにすぎない。だからこそ思う。
よく今まで生きてきたね。
今日その気持ちを抱えながら登校したんだね。
どんな覚悟があったのか想像つかない。

一通り話を聴いたあとはカウンセリングや医療機関を勧める。
その場で希望する生徒はあまりいないが、時間が経つにつれて希望する子が多いからだ。

少しずつ今の時間軸に話題を戻す。
帰宅後や明日のことを話題にする。給食やYouTube等たわいもないことだけど、ちょっとでも考えられるようになっていたらホッとする。



きっと明日も学校に来てくれる。
もしくは休んだとしても、連絡したら繋がれる。

細い細い糸で繋がっている関係を、ゆっくり強くしたい。
そんな気持ちで、保健室のドアを開けている。

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